強行採決に抗議の声やまず
戦争法の発動阻止、廃止へ!
9月19日未明(18日深夜)、参議院本会議で「戦争法案」が強行採決された。国会前では若者たちが終夜「民主主義とはなんだ」「賛成議員を選挙で落とせ」と声を上げていた。
9月10日、11日の豪雨以降、県内では雨模様の日々が続いており、冠水や斜面崩落が広がった。とくにコメや大豆をはじめ農業被害は甚大で、農作業は時間との闘いに追われていた。
強行採決が迫っていた。仙台では9月14日(月曜日)に開催された「安保法案ゼッタイ反対!緊急県民集会」の場で、主催する実行委員会が17日と18日の連続集会を呼びかけた。
17日午後、参議院特別委員会で強行採決。激しさを増す大雨のなか、急を知った人々がかけつけ会場を埋めつくした(写真)。
後藤東陽さんが主催者挨拶、仙台弁護士会憲法委員会からの連帯挨拶。さらに宮城憲法会議、宮城護憲平和センター、憲法9条を守り戦争政策に反対する宮城県連絡会、みやぎ憲法9条の会連絡会、安保関連法案に反対するママの会宮城、シールズ東北など訴えが続いた。
18日午前、沿岸部にチリ地震津波が到達しはじめ、大震災被災地は豪雨に加えた被害拡大に備えていた。本会議での採決強行が予想される18日夜、断続的に降りしきる雨のなか、緊急集会が開催された。
脱原発みやぎ金曜デモが連帯挨拶、消費者運動、女性団体、平和運動などから意見表明が続いた。集会は次のようなアピールを採択、翌日土曜日の街頭行動を呼びかけた。
「怒り、憤り、不安、無念。今日、私たちは、様々の思いを抱いてここに集いました。しかし、私たちのこの間の運動は、私たちが本当の民主主義社会の主体となる確かな礎を築きました。大きな希望と勇気で結ばれた私たちは、ともに声をあげ続けます。」
(*)写真/激しい雨の中、緊急集会(9月17日)
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弁護士会、地方議会、「シールズ」など運動が広がる
「戦争法案」に反対する様々な取り組みが展開されてきた。
仙台弁護士会は8月末までに60回を超える街頭活動を県内各地で実施していた。主催した9月6日の集会とデモ行進は、この間で最大規模の結集となった。
「当会は(中略)以降、様々な集会やシンポジウムを開催してきたが、9月6日には、本法案に反対する大規模野外集会を開催した。当会の企画としては過去に例のない約3500人もの市民が結集し、憲法で権力を縛るという立憲主義を確認し、憲法違反の本法案を廃案にするまで闘い抜くとのアピールを採択した」(仙台弁護士会、9月19日会長声明より/注1)
地方議会では、6月定例会の段階で県内8議会が意見書を採択した。美里町が廃案を求める意見書、国民合意なしに安保体制の見直しを行わないとする意見書が登米市、栗原市、涌谷町の各議会、徹底審議や十分な審議を求める意見書が名取市、蔵王町、村田町と大崎市議会だった(宮城県、仙台市、塩釜市、白石市、多賀城市、岩沼市、大河原町の各議会では、提出された同様の意見書あるいは請願が否決された)。
大崎市では超党派の議員たちが「国民合意のない安保関連法案をストップさせる大崎市議会議員の会」を結成、街頭に立った。地方議会議員たちの動きは各地に広がり、仙台弁護士会が主催した集会に参加した。
「シールズ東北」は8月、二度にわたって集会・パレードを主催、ともに500人を前後する人々が参加した。中高年齢者たちも加わり、世代を超えた共感の場となった。
「私たちは被災地で声をあげることがとても重要だと考えてきた」。おびただしい犠牲の中で生き残った私たちは、命や人生の大切さを自問自答して4年余を過ごしてきた。ところが被災地を無視して政治が進められている。だから戦争法案に異議ありといわざるをえないのだ。シールズのメンバーは、そのように強調していた。
「シールズ」は自主・自発の運動として注目を集めた。若者たちの言葉やリズムは運動の全体に刺激と活力を与えた。
「戦争法案」との闘いのさなか、幾人かの著名な先達たちが死去していった。「若者たちに希望を託す」という感慨が広く共有された。
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暴走した政府与党
<「戦争法案」という「レッテル貼り」や感情論に終始して安保防衛論議は深まらなかった><対案を出さなかった野党にも責任がある>という論調がある。ためにする類の話だ。
憲法違反の集団的自衛権行使を与党が国会で決定することじたいが立憲主義の否定である。
「砂川判決」が強引に持ち出され、おそらくは党内検証もないまま政府与党の理論的根拠とされた。憲法学者から「違憲法案」との指摘が相次いだ。政府与党は立ち止まってリセットすることもできた。法曹界からの異例の声を問答無用と切り捨てたのは政府与党の側である。
首相は法案成立を対米公約とし、米国で宣言することによって退路を断った。議論をはぐらかし、答弁修正を繰り返し、野次を飛ばしては撤回するという前代未聞の姿をさらけだしながら、ひたすら採決強行の環境づくりを重ねた。総裁選では立候補者の登場さえ許さなかった。
国会審議が尽くされていないことは明らかだ。そもそも政府・与党には審議を尽くすつもりはなかったし、審議に耐えうるだけの一貫性も説得力も持ちあわせていなかった。
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参議院選挙で与党を過半数割れに!
各種の世論調査は国民多数が法案と採決を支持していないことを示している(*注2)。
政府与党は国民理解を得るために説明を果たしていくと述べた。マスコミ対策が強められる。「中国脅威論」をあおり、沖縄の平和の願いを圧殺しようとする。野党の「分断」と取り込みをはかり、来年の参議院選挙までに世論を転覆させようと画策するだろう。
そのために東京五輪の再始動が演出される。福島「帰還」が復興の成果として強調される。大震災5周年がイベント化される。被災地からの抗議の声を強めよう!
いま「経済が首相を呼んでいる」というキャッチフレーズが登場してきている。政治の安定回復のために修復が必要であり、安保大転換を果たした安倍首相には「安保の岸」にとどまらず「所得倍増の池田」の役割が期待されているというわけだ。静養中の安倍首相は「これからも経済再生を最優先に取り組む」とメッセージを返した。安倍政権は<経済マジック>を巧みに印象づけ、内閣支持をつないできた。そのたびに日銀追加緩和の予測が流される。こんなストーリーがいつまでも続くわけはない。安倍首相を退陣へ追い込もう。
戦争法の発動を阻止し、廃止させよう!
日米同盟の臨戦化に反対しよう! 辺野古新基地建設を許さない!
与党を過半数割れに追い込む参議院選挙の闘いを!
(注1)仙台弁護士会・会長声明(9月19日)より抜粋引用
「本法律は,集団的自衛権の行使を容認するという法案の根幹部分において憲法第9条に違反するうえ、「存立危機事態」の概念の不明確性から、時の政府・与党の判断により歯止めのない集団的自衛権行使が行われる危険性も高い。その他、本法律が予定する他国軍隊への支援活動は、他国の武力行使との一体化が避けられないなど、本法律は多くの基本的な部分で憲法に違反しており、このような違憲性を取り除くためには、本法律を廃止するほかない。
よって、当会は、憲法違反の本法律の参議院採決の強行に強く抗議し、本法律の廃止を求めるとともに、本法律の廃止に向けて市民と一丸となり最後まで全力で取り組む決意であることをここに表明する。」(安全保障関連法案の参議院採決の強行に強く抗議し、同法の廃止を求める会長声明)
(注2)本会議採決以降の世論調査より。傾向はその他各社の調査に大差はない。
◆共同通信社(本会議採決以降、19、20日、全国緊急電話世論調査)
「国会での審議が尽くされたとは思わない」79・0%
安倍政権の姿勢に関して「十分に説明しているとは思わない」81・6%
法成立で自衛隊が戦争に巻き込まれるリスクが「高くなる」68・0%
「変わらない」27・1%、「低くなる」2・5%
◎内閣支持率38・9%(前回8月43・2%から4・3P下落)、不支持率50・2%
◆日経新聞とテレビ東京による世論調査(19、20日)
今国会成立を評価しない54%、評価する31%
説明「不十分」78%、「十分」12%
◎内閣支持率40%(前回8月末から6Pマイナス)、不支持47%(7Pプラス)
■以上/宮城全労協ニュース第288号(電子版)/2015年9月22日