一千人超の結集/大崎集会
安倍政治の暴走を止めよう!
4月30日、大崎市で「安保法制廃止を求める」大規模な集会とデモが行われた。県北・大崎で地域を掘り起こすような、手作りの活動が展開された。多くの住民たちが「集会賛同人」に名を連ねていった。そうして当日、1千百人が大崎市民会館にかけつけた。
小林節弁護士が講演した。櫻井充参議院議員が演説し、何度も大きな拍手が寄せられた。集会後、参加者たちは町内デモ行進で安保法制廃止を訴えた。宮城全労協も集会とデモに参加した。
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地域に根付き、地域を掘り起こした集会
粘り強い地域活動の積み重ねが一千人を超える結集を実現した。
この地域の幾つかの自治体では、原発推進政策に反対する取り組みが継続している。大崎市に隣接する加美町では、環境省の強圧的な指定廃棄物処分場建設計画に反対して、住民が立ち上がった。県北農業地帯では「放射能汚染」への不安に加えて、TPPへの不信が広がっていた。
そのような中、安倍政権の安保法制強行と憲法改悪の動きに対して、地域で反発の声があがった。大崎をはじめ県北内陸地域は津波被災地域を支える「後背地」となっていた。昨年秋には地域を記録的な暴雨が襲った。「安全・安心」のために何が必要なのか。憲法の改悪や戦争法ではない。政治への怒りが人々の生活実感のなかで広がり、昨年秋、大崎地区や加美地区をはじめとする県議会選挙の結果につながった。
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安保法制廃止、断固たる決意の表明
集会は「大崎九条の会連絡会」が主催した。11の地域の会が連名した。
集会代表の鹿野文永さんは冒頭、「昨年4月、県南で憲法を守る大集会が開催された」ことにふれた。地域、地方から運動が巻き起こっている。県北も県南に続こうではないかと議論した。そうして「南風」の一年後に「北風」を実現することができた。「市民が政党に働きかけ、政党が市民にこたえる。そういう関係を築くために、力を尽くそう」。
後藤東陽さん(みやぎ憲法九条の会・共同代表)は県南、県北がこのような結集なら仙台は数万人でなければならないと応じながら、「野党は共闘」の状況を報告した。後藤さんは過去の反省、戦争への反対の意思を捨ててはならないと時々、声をつまらせながら、「目前の闘いに勝利する」ことを痛切に訴えた。
講演の後、リレートークでは加美町長をはじめ、シールズ東北、ママの会宮城などから発言があった。農業や原発や消費者運動などからのアピールが続いた。
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小林節弁護士の講演
「政治の暴走を止めるために」と題する一時間ほどの講演だった。
安保法制を批判したうえで、いくつか参加者に喚起した。印象的だったのは、政権がいう「中国脅威論」について再検証が必要だという点だった(『「中国と北朝鮮の脅威」の嘘』)。「野党共闘の推進」をはじめ当面の選挙について、いくつかの言及があった。「比例区の死票」を減らすことが必要だとも語っていた。また最後の瞬間まで闘うのが選挙だとあえて強調した。なぜなら相手側がそうして票を獲得しているからだ。
小林さんは、現在の局面だけでは闘いは終わらないと述べた。最後は「国民一人ひとり」に来るのだ。私はその闘いを引き受ける覚悟がある。そのように発言することで、参加者に対して、闘いは選挙後も続くと呼びかけたのだろう。
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櫻井議員が訴える
途中から出席した櫻井充参議院議員は大きな拍手で迎えられた。安保法制、憲法改悪、集団的自衛権行使に断固反対すると表明した。野党共闘を受けとめ、期待に応えるべく全力で闘うと述べた(○注1)。
宮城では昨年末から今年にかけて、市民運動が媒介となりつつ「野党共闘が」成立した。民主党現職を支持するという点では、全国で初めてのケースとなった。議員との政策協定(社民党、共産党)では憲法、安保にとどまらず、原発を含めた点が合意されている。3月19日には安保法制廃止仙台市民集会に櫻井議員が参加、また街頭での野党共同演説会も重ねられてきた(○注2)。
櫻井議員は切迫した時間の中で、TPPについて言及した。「鳴子など温泉街が厳しいのはなぜか。農家の皆さんが湯治に来なくなったからですね。これでは地方再生などできるはずはない」。TPP反対を言明、この地域では農業が主力産業であり、農業が元気でないと地域も元気になれないと述べた。
演説を終えた櫻井議員に花束が贈られた。場内に野党共闘勝利のコールが響いた。
最後に集会アピールが読み上げられた。安倍政権の狙い、安保法制成立に至る経緯と内容を再度整理しながら「私たちの責務」を確認するものだった(○注3)。
(2016年5月24日記)
(注1)櫻井充参議院議員の国会演説はネットで公開されている。
(注2)民主と共産両党による六項目の政策協定(3月)は以下の通り。先行して結ばれた民主と社民による五項目協定が、事実上、土台となっている。
@立憲主義に基づき、憲法違反の安保関連法廃止と集団的自衛権行為容認の7・1閣議決定の撤回を目指す。 Aアベノミクスによる国民生活の破壊を許さず、広がった格差を是正する。
B原発に依存しない社会の早期実現、再生可能エネルギーの促進を図る。
C不公正税制の抜本是正を進める。
D民意を踏みにじって進められる米軍沖縄辺野古新基地建設に反対する。
E安倍政権の打倒を目指す。
(注3)「安保法制廃止を求める大崎大集会」アピールから抜粋(末尾部分)
『ここ古川は、立憲主義をいち早く主唱した“大正デモクラシーの旗手”吉野作造先生の生誕の地であります。
吉野先生は、立憲主義が成立するための大前提として、政界にはびこる“秘密主義”を厳しく戒めています。
「安保法制」は、“立憲主義の否定”の上に強行された、言わば“戦争法”以外の何ものでもありません。“一強多弱”の政治状況のもと、権力が官邸に集中している今こそ、この「法制」の危険な本質を見極め、廃止へ追い込むための広範かつ強力な運動を展開しなければなりません。
なぜなら、“平和憲法”を確定するに当たり、日本国憲法前文に於いて、「われわれ国民は、政府の行為によって、再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意」して「主権が国民に存することを宣言」しましたが、このことによって我々主権者に背負わせた大きな責務は、実に“戦争防止のための政府の監視”だったのです。
本日のこの「大崎大集会」が、安保法制廃止に向けたその確実な第一歩になることを確信します。』
■以上/宮城全労協ニュース296号(2016年5月31日)