「安倍解散」に反撃を!
市民・野党共闘の前進と勝利を!
全労協は10月1、2日の両日、第29回定期全国大会を開催した。臨時国会「冒頭解散」を糾弾し、「安倍暴走政治に終止符」を打つ衆議院選挙闘争を訴えた。
「夏の都議選で安倍一強体制の潮目が変わったように、この衆議院選挙は安倍暴走政治に終止符を打つたたかいである。全労協は野党4党に選挙での共闘を強くよびかけ、市民連合とともにそれを後押し、全力でたたかいぬく」(資料掲載「大会宣言」より)。
事態は急展開している。「希望」による「選別・排除」に抗して立憲民主党が結成された。無所属候補との連携を含めて「市民・野党共闘」が全国規模で呼びかけられている。安倍自公政権打倒をめざし、県知事選挙とともに衆議院選挙を闘おう。
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国政を私物化する「安倍解散」
9月17日、国会冒頭解散の動きが一斉に報じられた。「内閣支持率」の再浮上、民進党の低迷と小池新党の遅れに注目し、党の独自調査を参考にして、首相はこのタイミングを選んだという。
自民党は都議会選挙で歴史的な大敗を喫した(公明党は、小池派との「共闘」によって、選挙の審判を免れた)。安倍批判が強まる中、首相は内閣を改造、一方で国会審議を拒否し続けた。「米朝危機」を利用し、安保法制の既成事実化を進め、野党の一部をまきこんだ「9条改憲」策動の再始動をねらっていた。
国会演説もせずに解散を強行した首相は、その夜、テレビ局各社に(批判的だとされる報道番組を優先するかのように)出演し、消費税増税の使途変更が争点だなどと強弁し続けた。「反省」も「疑惑解明」もない。
「解散は首相の専権事項」だとして、自民党内から表立っての抵抗もない。いったい数ヶ月前の危機はなんだったのか。安倍政治の欺瞞と危険性を広く訴え、退陣を求めよう。
◇写真「9条変えるな!変えようアベ政治!9・18宮城県民大集会」
(主催:実行委員会/仙台市西公園広場)
(注)政党挨拶では共産党と民進党の代表が登壇、ともに大きな拍手が寄せられた。「希望」の第一次公認リストには注目の宮城1区、2区、5区に民進党予定候補者の名前がなかったばかりか、一区では「対立候補」が擁立された。市民・野党共闘を支持して参議院選挙と仙台市長選挙を闘った人たちから「<宮城方式>への見せしめだ」という怒りの声があがっている。
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民進党の<解党>と「希望」による<選別・排除>
解散情報が飛び交う中で「市民・野党共闘」の闘いが呼びかけられた。
「市民連合」(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)は9月26日、『衆議院議員総選挙における野党の戦い方と政策に関する要望』を明らかにした。「再び与党及びその補完勢力に3分の2以上の議席を与える」なら改憲に道を開く。できるだけ候補者を調整し「与野党1対1の構図」をつくること、そのために「7項目」の政策合意に基づく「市民・野党共闘」の実現が訴えられた(注)。民進、共産、社民、自由4党との共闘が、あらためて確認された。
各地ではすでに選挙共闘の体制作りが進められていた。
解散当日の28日、前原民進党代表は「希望の党」との「合流」(事実上の「解党」)方針を示し、民進党両院議員総会では異論はあったものの、安倍政権打倒を優先などとして了承された。しかし、小池「希望の党」代表は「(民進党との)合流という考えはもっていない」と一蹴した。その後も「さらさら考えていない」などと、民進党に対して挑戦的な<選別・排除>の姿勢を明確にした。
前原代表は「全ては想定内。政権交替可能な状況をつくらなければならない。自分の判断は正しかった」と述べた(10月3日)が、事態の明確な説明はない。
第一次公認リスト(10月3日)は、民進党には<選別・排除>、公明と維新とは「住み分け」を明確にした。「希望」が維新とともに自公政権の補完勢力であることが、日々、明らかになっている。「保守大連立政権」の可能性もささやかれ始めている。
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「市民・野党共闘」の再生を支持し、ともに闘おう!
「市民連合」は再び声明(<民進党の事実上の解党と希望の党への「合流」方針についての見解>)を出し、「7項目の基本政策の実現をめざして、可能な限りの努力をつづけます」と表明した(9月29日)。
「立憲主義に反する安保法制を肯定する希望の党と市民連合が共闘することはありえまえせん」と立場を明らかにした上で、「今後まだまだ紆余曲折が予想されます」とし、これまでの闘いを共有したことにかんがみ、さまざまな可能性が残っていると言及した。
「・・急速に展開する政治情勢を注視し、市民と立憲野党・議員の共闘を力強く再生させる可能性を模索しつづけたいと考えます」と見解は結んでいる(これらの見解やニュースは「市民連合」のサイトで公開されている)。
選別・排除に抗して「立憲民主党」が結成された。「市民連合」は翌3日、枝野代表にあらためて「7項目」を要望。枝野代表は、民進党にいたときに要望は受け止めている、実現できるよう努力していくと表明した。立憲民主党は全国的な選挙態勢づくりを進めており、共産党、社民党との選挙共闘も拡大している(立憲民主党のツイッターには全国から賛同アクセスがあり、注目されている)。
選挙区での構図は固まりつつあるが、いまも流動的だ。再生した「市民・野党共闘」を支持し、無所属での立候補者を含めて連携しよう。
沖縄では、このような事態の中で、4選挙区で「オール沖縄」の勝利をめざして奮闘している。沖縄の闘いと固く連帯し、ともに勝利を勝ちとろう(2019年10月5日)。
(注)「市民連合」が要請した「7項目」の政策
1 憲法違反の安保法制を上書きする形で、安倍政権がさらに進めようとしている憲法改正とりわけ第9条改正への反対。
2 特定秘密保護法、安保法制、共謀罪法など安倍政権が行った立憲主義に反する諸法律の白紙撤回。
3 福島第一原発事故の検証のないままの原発再稼働を認めず、新しい日本のエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指すこと。
4 森友学園・加計学園及び南スーダン日報隠蔽の疑惑を徹底究明し、透明性が高く公平な行政を確立すること。
5 この国のすべての子ども、若者が、健やかに育ち、学び、働くことを可能にするための保育、教育、雇用に関する政策を飛躍的に拡充すること。
6 雇用の不安定化と過密労働を促す『働き方改革』に反対し、8時間働けば暮らせる働くルールを実現し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立すること。
7 LGBTに対する差別解消施策をはじめ、女性に対する雇用差別や賃金格差を撤廃し、選択的夫婦別姓や議員男女同数化を実現すること。(2017年9月26日)
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資料/全労協全国大会宣言
安倍首相は9月28日、召集された臨時国会冒頭で衆議院を解散した。野党側が疑惑追及のために求めた国会開催を無視した揚げ句の「冒頭解散」である。憲法軽視・疑惑隠しの暴挙である。共謀罪法案の強行成立と同様に、自己保身のために解散権をも私物化した。それが安倍暴走政治の本質だ。そして、総選挙がはじまる。夏の都議選で安倍一強体制の潮目が変わったように、この衆議院選挙は安倍暴走政治に終止符を打つたたかいである。全労協は野党4党に選挙での共闘を強くよびかけ、市民連合とともにそれを後押し、全力でたたかいぬく。
安倍暴走政治の集大成は憲法改悪、9条改憲にある。6月の共謀罪法の成立は特定秘密保護法、集団的自衛権の閣議決定、戦争法の延長線上にあり、安倍の悲願である9条改憲につながっていく。改憲のもくろみは2018年からの天皇の退位・代替わりキャンペーン、明治150周年キャンペーン、そして東京オリンピック・パラリンピックなどの「国家的行事」とともに進められ、ナショナリズムが煽られることと無縁ではない。憲法最大の危機に、「安倍改憲NO!全国市民アクション」が発足し、3千万人を目標に全国統一署名がスタートした。“安倍9条改憲”反対の一点で団結し、“総がかりを超える総がかり”をめざした全国統一署名を全労協は組織の総力を上げてとりくんでいく。
北朝鮮による弾道ミサイルの発射、核実験が実施される中で、米国と北朝鮮との挑発合戦がエスカレートしている。日本政府は米国・トランプ政権に追随し、対話ではなく、「圧力」、「制裁」を声高にさけび、Jアラートと時代錯誤のミサイル防災訓練で危機感を煽っている。戦争法を根拠とする「戦争する国家」は武力によってのみの解決しか選択しない。それは戦争の危機を高め、核使用という取り返しのつかない事態さえ生み出しかねない。6か国協議を含めた対話による平和的解決こそが今、求められている。
2016年度の精神疾患での労災認定が498件で過去最悪の数字となった。未遂を含む過労自殺は84件。さらに精神疾患の労災申請件数も最多の1586件にも上る。「働き方改革」関連法案は臨時国会への提出が見送られ、来年の通常国会に持ち越されたが、長時間労働と過労死を合法化し、8時間労働を解体させる法案の本質が変わらぬ限り、成立阻止のたたかいに労働運動の幅広い力を結集し、とりくんでいく。
全労協は1989年の結成以来「たたかう、まともな労働運動」を掲げ、中小労働運動と公務労働を軸に沖縄連帯、反基地、反原発、非正規、移住・外国人労働者との連帯をつくり出してきた。その運動は常に社会的弱者の立場に立ち、マジョリティーとの不公平・不正義とのたたかいであった。息苦しく閉塞感が漂う時代に歴史の中で培ってきた全労協の持つ政策の先見性、献身的な組織性、戦闘的な運動性が最大限発揮されなければならない時が来た。全労協は新たな方針の下、安倍政権打倒、改憲阻止、労働法制改悪阻止のために全力でたたかうことを宣言する。そのたたかいの勝利のもとで、結成30周年の大会を迎えよう!
2017年10月2日
全国労働組合連絡協議会第29回定期全国大会
■以上/宮城全労協ニュース313号(2017年10月5日)