糸数慶子さん緊急報告会/仙台
辺野古・土砂投入強行に抗議!
12月15日、仙台で糸数慶子さん(参議院議員・沖縄選挙区)を招いた集会が開催された(主催:実行委員会/連絡気付:宮城全労協)。テーマは「沖縄の現状と未来」。実行委員会の企画は県知事選挙と県民投票について報告を受けるとともに、「子どもの貧困」をはじめ「沖縄の経済・社会」について理解を深めようというものだった。
<怒りと意思/玉城デニー知事、過去最大得票で誕生!>
急逝した翁長雄志前知事を引き継ぎ、<沖縄のアイデンティティ>を掲げ、玉城氏は新知事に就任しました。基地問題を隠し、県民を分断しようとした政府・与党の敗北でした。結果は海外でも注目されました。/玉城知事は<自立と共生と多様性>を強調、<沖縄の未来>を訴えています。
<沖縄のように、沖縄とともに>
しかし、日本政府・与党は「辺野古新基地建設」に関する沖縄県の法的な手続きにも問答無用を貫きました。首相は「普天間基地撤去」についても消極的態度です。/知事は「対話による解決策を導く民主主義の姿勢」を求めました。沖縄はその意思をさらに「県民投票」で示そうとしています。「沖縄のように、沖縄とともに」という声の高まりと広がりが私たちに問われています。(実行委員会チラシより)
大震災直後、糸数さんと県議会議員有志の皆さんたちが沖縄からかけつけ、学校や浜や福祉施設など被災地を訪れた。支援への感謝をこめての集会でもあった。
集会の第二部では、沖縄への連帯として県内の運動からの発言が続いた。
(写真/糸数慶子さん、怒りの訴え/12月15日仙台)
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土砂投入の暴挙/「私たちはあきらめない」
集会前日、辺野古への土砂投入が強行された。また沖縄平和運動センター議長・山城博治さんらへの不当判決(福岡高裁那覇支部、一審判決支持・控訴棄却)が13日に下された。こうして集会は「緊急報告会」となった。
糸数さんは政府の対応を激しく糾弾した。
県の埋立承認取消し(8月31日)に対して沖縄防衛局は行政不服審査制度を悪用、国土交通大臣は執行停止決定を行った。これらは違法であり無効である。
県は執行停止決定の取消しを求めて国地方係争処理委員会に審査を申し出た(11月29日)が、現時点で法的な判断は示されていない。
県は沖縄防衛局に行政指導文書を発出、「工事を進めることは断固として容認できず、ましてや土砂を投入することは絶対に許されない」と工事の中止を強く求めてきた。知事は東京で官房長官及び防衛大臣と面談、改めて中止を強く要求していた。
政府の違法・不当は明らかだ。沖縄は怒りでふるえている。
にもかかわらず、土砂投入をトップニュースで伝えたメディアの報道はどうであったか。「沖縄のあきらめと分断」を誘うかのようではなかったか。それこそが政府のねらいであったにもかかわらず、と糸数さんは指摘した。
今回の投入域は予定区域全体の4%だ。県は当然「原状回復」を求めている。しかも、工事が予定通り進むわけはない。軟弱地盤など、難問が待ち構えている。予算も膨れ上がる(*注1)。
<普天間基地の危険性の除去>と<辺野古移設反対>を対立させる政府説明も、すりかえだ。辺野古新基地建設に反対する人たちは一貫して普天間基地の危険性を指摘し、閉鎖・返還を求めてきた。「オスプレイを飛ばせないなど、政府がやらねばならないことはいくらでもある」。「辺野古が唯一の解決策」と繰り返し、普天間の危険性を辺野古基地反対派の責任だとするのは、まったくの欺瞞だ。
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新たな屈辱の日、<第四の琉球処分>と自決権の要求
集会の冒頭、主催者から「第四の琉球処分」との発言があった。それを受けて糸数さんは、地元新聞を掲げながら、沖縄にとって「新たな屈辱の日」だと語気を強めた(*注2)。
何度も裏切られ、民意が否定される。その歴史を振り返るたびに怒りが増す。そのような扱いを受けては「沖縄のことは沖縄で決める」という自決権の要求は当然ではないか。
糸数さんたちは世界を舞台に活動してきた。2018年の夏も、国連の人種差別撤廃委員会の委員たちへ沖縄(「琉球/沖縄」)の実状を報告、「先住民としての人権の尊重、保護」を訴えてきた。日本政府が世界的潮流に反していることは明白だ。
「辺野古」への執拗で強権的な攻撃は、日本政府の「沖縄/琉球」への差別的姿勢と無縁ではない。そのような認識が広がるにつれ、日本政府への批判は世界に広がるだろう(*注3)。
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押し付けられた「軍事の要石」から「万国津梁」へ!
集会が当初設定した演題、<沖縄の未来>について、糸数さんは残された時間で言及した。「私たちこそ、そのことを願い、闘ってきた。辺野古はその象徴」である。
無念の気持ちをこめて、沖縄が押し付けられている現状に触れた。「<琉球弧>の軍事的な拠点化が安倍政権のもとで、急速に、強引に進められている。だれが、そのことを望んでいるのか」。「軍事の要石」であることが沖縄の「地政学的役割」だ、だから諦めろという人たちがいるが、それは沖縄が望んだことではない。
歴史が教えていることは、沖縄が交易つまり「平和の要石」であったということだ。そのような沖縄の役割は、流動する情勢の中で、ますます高まっている。翁長前知事が進めてきた県政は成果をあげてきたし、玉城新知事がいま引き継ごうとしている。「軍事から平和へ」、「万国津梁」こそが沖縄の歩む道だ。
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選挙に勝とう!
最後に糸数さんが訴えたのは「選挙に勝とう」ということだった。
土砂投入は税金で行われている。日本国民の責任が問われている。ところが選挙の結果は「安倍一強」だ。「これでは沖縄は浮かばれない」。「沖縄だけでなく、カジノも、入管法も、漁業法も、水道法も国民多数は反対だが強行されている」。
糸数さんは各地で「選挙で勝つためには何が必要か」と質問を受けるという。「投票しよう、変えられる」という流れをつくりだすことが必要だ。県知事選挙は「戦争を生き延びた世代」の願いと「若者たち」の躍動が結びついての勝利だった。若い人たちには、憲法は生活や命と結びついているのだと、わかりやすく語りかけよう。
「野党共闘」についても言及した。宮城はどうなのですか?と糸数さん。会場から賛同の声があがった。
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沖縄への連帯をこめて/県内の運動からの報告
第二部として、県内の運動から発言が続いた。
「女川原発再稼動」について、「みんなで決める県民投票」を呼びかけた運動が全県で展開された。その報告を「みんなの会」の代表である多々良哲さんが行った。法定投票を大きく超えた署名(「法定」の3倍)が寄せられた。その思いを県知事と議会に届け、原発再稼動に対する「住民意思」「住民民主主義」を問う次の運動に入っていきたい。
つづいて「仙台港の火力発電所建設に反対する運動」「放射性廃棄物の焼却処分に反対する運動」「原発訴訟の状況と女川原発」「福島第一原発事故による被ばくと東北現地の労働組合の闘い」が報告された。詳細は各々の運動のサイト等を参照していただきたい。
(注1)「辺野古土砂投入」に対する沖縄県知事のコメント(12月14日)を参照。地元紙に全文が掲載されている。
(注2)参考「辺野古へ土砂投入/第4の「琉球処分」強行だ」(琉球新報社説12月14日)
「この光景は歴史に既視感を覚える。沖縄が経験してきた苦境である。」社説は1995年以降の辺野古の経緯を「歴史」的な視点から位置づけた。
「歴史的に見れば、軍隊で脅して琉球王国をつぶし、沖縄を「南の関門」と位置付けた1879年の琉球併合(「琉球処分」)とも重なる。日本から切り離し米国統治下に置いた1952年のサンフランシスコ講和条約発効、県民の意に反し広大な米軍基地が残ったままの日本復帰はそれぞれ第2、第3の「琉球処分」と呼ばれてきた。今回は、いわば第4の「琉球処分」の強行である。」
「土砂が投入された12月14日は、4・28などと同様に「屈辱の日」として県民の記憶に深く刻まれるに違いない。だが沖縄の人々は決して諦めないだろう。自己決定権という人間として当然の権利を侵害され続けているからだ。」
(注3)18日、米国の7都市で「Stand With Okinawa」を掲げた行動があったという。7都市にはハワイ州の2都市が含まれている。
またネット署名(米国政府の請願サイト)が注目され、NHKテレビも「辺野古沖埋め立て中止を/ホワイトハウスへの署名10万筆に」とニュースで取り上げた(12月19日)。「アメリカ政府は、ホワイトハウスのサイト上で、政府に直接請願することが可能になる署名を受け付けていて、開始から1か月で10万筆を超えれば、政府が何らかの回答をすることになって」おり、米政府の回答が注目されると報じた。
署名はその後も広がっている。
■以上/宮城全労協ニュース326号(2018年12月26日)