宮城労働局との交渉
要請と質疑の報告
4月23日、宮城労働局との交渉が行われました。4月5付で提出していた宮城全労協と宮城合同労働組合からの「要請及び申し入れ」にもとづいて開催されたものです。この労働局への申し入れは全国一般全国協議会の春闘行動に連動して取り組まれました。
「新型コロナウイルス」の影響で出席者数と交渉時間が限られることになりました。以下は当日の出席者からの報告です。
<申し入れ4項目についての質疑から>
組合側からは4名、労働局側からは労働基準部監督課、同賃金室、職業安定部職業安定課、同職業対策課、雇用環境・均等室から出席しました(予定時間は一時間)。
自己紹介の後、組合側から要請及び申し入れ内容の説明、宮城労働局よりの回答の後、20分ほどが質疑時間となりました。
質疑の主な内容は次のとおり。項目については下掲資料(「要請及び申し入れ」)を参照してください。
(1)「新型コロナウイルス」感染に関して
5月からの助成金削減、休業支援金削減について反対意見を述べたが、回答はなかった。
休業手当を100%支給するよう使用者を指導せよとの要請については、労基法で規定してある60%以上の指導はできない旨の回答だった。
「フリーシフト制」の非正規労働者が労働日を削減されて休業手当てを支払われていない問題を口頭でも説明した。さらに組合側は「コロナ休業」は不可抗力による休業でも、事業主の責に帰さない休業でもないことを確認した。
そのうえで、労働契約書に週5日労働と記載されていれば、シフトで3〜4日しか出番が無くなった場合は、1〜2日分の休業手当ての支払い義務が生じることを述べた。
(2)最低賃金に関して
「最賃決定方法と決定基準は審議会であり、賃金室は事務局でしかない」との賃金室長の回答に対し、労働局は最賃改定を審議会に諮問する立場であり、改定の為の基礎資料を審議会に提案しており、基準について無関係との発言は問題であると反論したが、賃金室長からは回答がなかった。
(3)均等待遇に関して
組合側は、昨年10月に賞与を否定したメトロコマース、大阪医科薬科大の最高裁判決があったとしても、賞与についても均等待遇が求められる賃金の一つであることを強調した。厚労省で同一労働同一賃金ガイドラインをつくり、指導しているとの回答であった。
組合側はこれに対して、パート・有期労働法14条について、労働者から質問を受けた使用者が「労働者へ説明する義務があることを指導するだけではなく、労働者が差別を感じたら使用者に質問できるような職場環境を行政が指導して作りだすべき」と申し述べた。
(4)無期転換に関して
無期転換後も、有期雇用時代の賃金と変わらないケースが非常に多い。最賃に張り付いた賃金のままの労働者も多くいる。従前の正社員と差があっても、パート・有期労働者でなくなっているので、パート・有期労働法の同一労働同一賃金が適用にならない可能性さえある。無期転換者が不利益にならないように指導していただきたいと要請した。
最後に組合側から、コロナ対策の財政処置については、別の省庁の責任分野なので、問題提起に留まるかもしれない。今後も意見交換の場をお互いつくっていきたい、と述べた。
<資料>
宮城労働局長への要請及び申し入れ
2021年4月5日
宮城全労協
全国一般全国協議会・宮城合同労働組合
新型コロナウイルスの感染拡大のなか、宮城県においても厳しい状況が続いています。労働者の生活、雇用と労働の安全のために、労働行政の重要性はかつてなく高まっています。
私たち地域の労働組合は、貴局にたいして下記の事項の実現、取り組みを要請します。
つきましては、貴局が私たちに回答する場を設定していただきたく申し入れます。
(1)コロナ禍における労働者への支援・助成制度の周知徹底とその利用の拡大
@雇用調整助成金の特例措置や休業支援金・給付金制度、雇用保険の失業給付の拡充などがなされているが、制度の周知が極めて不十分で、受給が必要な多くの人に情報が届いていない。まずは周知を徹底すること。
A休業手当を100%支払うよう企業への指導を徹底すること。
B「フリーシフト制」等として支援金を受け取らせない事態を摘発し、実際の支援を拡大すること。
C特に支援の手が届かない女性非正規労働者や技能実習生、外国人労働者等の生活と権利の保障。
D助成金や支援金制度等を緊急事態宣言解除後も延長すること。
(2)最低賃金額の大幅引上げと全国一律の最低賃金制度
@最低賃金額は「生活保護との整合性に配慮する」とされるが、一人親世帯等の生活保護水準との比較では、なお最低賃金の方が低い。最低賃金額は、少なくとも一人親世帯が何とか暮らせる時給1500円以上の水準とすること。
A最低賃金の地域間格差は、必要生計費の現実を反映せず、極端に大きい。現在、東京都と宮城県の最賃格差は188円ある。早急に全国一律最低賃金制度を実現すること。
(3)均等待遇の早急な実現
@この4月から「パート・有期労働法」が中小企業にも適用され、「高年法」改訂も施行される。多くの非正規・高年労働者は「同一労働同一賃金」を求めている。政府は「ガイドライン」も踏まえて、労働者の均等待遇を実現するために具体的な措置を取ること。
A最高裁の「労契法20条」判決で指摘された手当・福利厚生などの均等を実現し、基本給など賃金部分についても、早急に均等待遇を実現するよう、措置すること。
Bとりわけパート・有期労働法14条の「説明義務」について、使用者の順守を徹底させること。
(4)労契法18条「無期転換」後の労働者への均等待遇原則の適用、及び18条の適用を免れるための事前の雇止めの禁止
@無期転換労働者は転換前の低労働条件のまま放置され、均衡待遇からも見放される。これら労働者も均等・均衡待遇の対象とすること。
A一方で「無期転換直前の雇止め」が横行しており、そうした脱法行為を絶対に許さないこと。
以上
■以上/宮城全労協ニュース357号(2021年5月7日)