宮城全労協ニュース/第49号(電子版)/2003年9月17日

【本号の内容】
★9.13グローバル・ピース・マーチ(東京)報告
★「脱WTO」草の根キャンペーン/タイ農民交流仙台集会開かれる


カンクン会議の失敗は闘いの勝利!
9.13グローバル・ピース・マーチ(東京)に750人
/WTO反対、イラク占領反対の国際連帯をかかげて



◎報告・日野正美(電通労組)

メキシコ・カンクンで開催されているWTO閣僚会議と米軍のイラク占領に反対する「グローバル・ピース・マーチ」が9月13日、東京の芝公園で開催された。WTO会議の山場に合わせたこの日、「WTO反対!米国のイラク占領反対!もう一つの世界は可能だ!」をかかげ、世界の各地で行動が組織された。東京集会はその一員として設定されたもので、様々な市民団体、労働組合などが集った。
集会場では農業団体が農産物を販売した。反戦平和団体などのブースがならび、グッズやパンフなどが配られ、タイカレーや韓国冷麺なども販売された。韓国シチズン労組もブースを出していた。

9月10日、カンクンでは1万人の農民が参加して「国際農民マーチ」が開かれていた。その場で、韓国から参加したイ・ギョンヘさんがWTOに抗議して自ら生命を絶った。集会冒頭、参加者はイ・ギョンヘさんに黙祷を捧げた。

集会は反戦・平和、ピースライブ、脱WTOの3部構成で進行した。反戦・平和コーナーでは「アジアでの平和構築」「メキシコ先住民から」「イラク・中東情勢」の報告があった。ピース・ライブでは寿、新谷のり子、ミューズ分会(ミューズ音楽学校の労働組合)の歌と演奏。脱WTOコーナーでは、WTOに代わるオルタナティブとしての「フェア・トレード」の発言がなされた。福島県郡山で農業を営む中村和夫さん、農民運動全国連合会青年部から報告があった。
最後にアジアからの連帯アピールの紹介、遺伝子組み替え大豆の作付けに抗議する闘いからのアピール、資本の「中国移転」攻撃を工場占拠で闘っている韓国シチズン労働者の決意表明がなされた。

厳しい残暑の中、中身の濃い3時間の集会だった。東京駅までのグローバル・ピース
・マーチで道行く人々に反戦・反WTOを訴えた。

9月14日、カンクン会議最終日、交渉は決裂に終わり、「閣僚宣言文」が採決されずに閉幕した。カンクン現地での闘い、そして世界各地での闘いは米国、EUと途上国の対立の拡大を明確にさせた。カンクン会議の失敗を闘いの勝利として歓迎しよう!
WTOのワーキンググループの作業は継続され、香港での臨時の「公式閣僚会議」が早急に開催されるだろうとの報道もある。引き続き、闘いを前進させよう!

■なお、主催者の集会報告、当日の写真、世界各地の行動などは集会実行委員会のホームページをご覧ください。
http://www.angel.ne.jp/~globalmarch/

                  集会に参加した電通労組

タイ農民交流9.2仙台集会開かれる

9月2日、「脱WTO草の根キャンペーン/タイ農民交流仙台集会」が宮城県婦人会館にて開催され、70人が参加した。この集会は一連の脱WTOキャンペーンの一環として全国的に取り組まれたもので、タイからウボン・ユーワーさんを迎え、新潟、札幌、仙台、大阪、東京の5ケ所で集会がもたれた。

ウボン・ユーワーさん(タイ・オルタナティブ農業ネットワーク)は1時間にわたって1960年代からのタイ農業の変化と農民の置かれてきた状況を報告した。アメリカ−世界銀行が主導しタイ政府に受け入れを強要した「緑の革命」。その政策によっ
てタイ農業は劇的な変化を強いられ、農村は疲弊し、農民は都会に出るか多額の借金を背負うかの選択を迫られた。ウボンさんは言う、「緑の革命政策は生産技術を大きく変え、農民の伝統的英知をないがしろにし、その暮らしを一変させてしまった。環境も破壊され、何よりも農村コミュニティが持っていた自助努力とその基盤を著しく弱いものにしてしまった」、と。
近年、「グローバリゼーションのもたらす影響力は甚大」であり、世銀の進めた政策をはるかに上回る規模でタイを襲っている。「かつてのような植民地主義国家による圧政は消滅したとはいえ、強国による新しい形の利益のかすめ取りは依然として続いて」おり、「世界銀行、国際通貨基金、WTOといったチャンネルを介した経済、金融、マーケッテング攻勢」が社会を危機に陥れている。そして、自らの社会と民衆の危機に直面しながらも、タイ政府の姿勢は大国と毅然として闘うというものではない、と批判した。

ウボンさんは、最後に、「暗い話ばかりして申し訳ない」としたうえで、民衆のオルタナティブへの挑戦がタイにおいても着実に始まっていると述べ、報告を終えた。

集会では、「脱WTO全国実行委員会」の3人の呼びかけ人が発言した。遠藤一郎さん(全国一般全国協議会)は脱WTOリーフレットを説明しながら、問われている課題と世界的な取り組みの経緯を報告した。原田俊二さん(山形県・置賜百姓交流会)は置賜での地域的な取り組みが世界各地の農民の試みと連帯しながら進んでいる状況を報告した。中村和夫さん(福島・「多田野携帯電話用基地局の移転を求める会」代表)はドコモ鉄塔抗議の闘いを報告しつつ、国の農政に疑問を抱き始めてから30数年、「国と逆を行けば何とかなる、これが農民としての偽らざる実感だ」と述べた。

東北地方は10年前、大凶作に見舞われた。当時の世相は「タイ米」の記憶と結びついている。今年は10年ぶりの冷夏であり、再び凶作被害が必至の情勢だ。通訳の岡本さんは10年前のタイ米輸入問題にふれ、「タイ農民の中から、自分たちも輸出したいという声が出たことは事実だ。しかし、単に輸出すればいいのか?と自問自答しつつ、貧しい農民がアジアの他国の貧しい農民を叩くことはやめようという意識が広がっていった」と指摘した。

■ウボンさんの発言など、集会資料をご希望の方はご連絡を。
■以上