| 宮城全労協ニュース/第50号(電子版)/2003年10月31日 |
【本号の内容】 ★NTT不当配転取り消しを求めて提訴/東京地裁に電通労組の9名(10月17日) ★資料/NTT11万人リストラ反対!不当配転取り消し裁判に勝利しよう! <NTT不当配転取り消し裁判/第1回公判のご案内> 11月12日(水)10時〜、東京地裁710号法廷 ★NTT不当配転取り消しを求め提訴/東京地裁に電通労組の9名 電通労組組合員9名は10月17日、東京地裁に対して「NTTの不当配転の取り消し」を求めて提訴しました(7名は東北地方からの遠隔地配転、2名は首都圏内での異業種配転)。いずれもNTTが強行した雇用形態選択に同意していないにもかかわらず、勝手に「満了型を選択したとみなす」とされ、不当に全国配転されました。 提訴後、記者会見を開き、弁護団を代表して新美弁護士は、「最大の問題はNTTが実施している11万人合理化の一環として配転されたこと」だと強調し、退職・再雇用を選択しない労働者を「満了型」とみなして「勤務地無限定」でどこへでも飛ばすという荒っぽい手法がどうして日本最大企業のNTTでまかりとおっているのかと訴えました。 また、企業組織の変更にともなう労働者保護の議論の上で作られた「分割法」や「労働契約継承法」をNTTが無視し、賃金の3割カット(退職・再雇用)を拒否した労働者を「見せしめ」「報復」のために配転していることを指摘し、企業モラルの放棄にとどまらず、労働者保護法制の根底が崩されていくことに深刻な危惧を表明しました。「家庭生活と職場生活の両立」はILO批准によって義務付けられており、そのような時代の流れに逆行する日本の現状に異議を唱えることも表明されました。 当日夜、電通労組は東京全水道会館にて集会をもちました。私たちはこの裁判闘争をNTT内外に訴え、小泉構造改革に反対し、また公共サービスの民営化=私有化攻撃と対決する闘いを発展させていく所存です。 集会で寄せられた支援・共闘の数々の言葉にこの場をお借りして感謝いたします。 とくにNTT内部から、電通労組全国協議会、通信労組、NTT関連労組の仲間が参加し、団結・連帯のエールを交換しました。 また、韓国シチズン労組(注)、SUD−PTT(フランス・郵政電信電話労組)、アタック−ジャパンの仲間から反グローバリズムの国際連帯に向けた熱き発言をいただきました。フランスでは10月21日、フランス・テレコムの「民営化」に反対するストライキ闘争が準備されていることも報告されました。 最後に原告団の決意の表明と、電通労組全国協議会・前田議長の団結ガンバローで集会を終えました。 以上、とり急ぎの報告とさせていただきます。 なお、訴状など詳細は、電通労組のホーム・ページをご参照ください。 http://www.dentu-rouso.or.jp/ 佐藤 隆(電通労組首都圏支部) (注)韓国シチズン労組は10月28日、「占拠中の韓国シチズン社内で、元韓国シチズン社長との間で協定書に調印」し、事実上の勝利を勝ち取りました。速報がレイバーネットに掲載されています。 http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/ (がんばれ!韓国シチズン労組のコーナーへ) 電通労組はこの間、「韓国シチズン労組を応援する会」に参加し、日本企業の労働者使い捨てを許さない闘いを、遠征団に連帯して進めてきました。 ★資料/NTT11万人リストラ反対!不当配転取り消し裁判に勝利しよう! 私たち電通労組は本日、NTTの「不当配転取り消し」を求め、9名の原告団による提訴を東京地裁に行いました。 私たちは、NTT内で断固たる反対闘争を展開する労働者・労働組合とともに、また企業の悪辣な攻撃と対決する多くの仲間たちとともに共同の闘いを進め、小泉構造改革と打ち砕く大きなうねりを作り出すために、この裁判闘争の勝利をめざして闘います。 《違法・不当なNTT11万人リストラ》 この裁判闘争の目的は第一に、NTT11万人リストラの違法性・不当性を暴き出し、企業の横暴を許さない闘いを社会的に作り上げることにあります。 宮津NTT前社長は、中高年労働者を「でっかい石が横たわっている」と表現し、「電話の時代に雇った社員が余剰人員と化している」、「適正人員は半分であり、いらない人間はいらない」、「自分で頑張らなければ食べていけないところに追い込めば、人間やる気になるかもしれない」と述べました。「NTT構造改革」の意図がここに端的に示されています。NTTは企業利益の最大化のために、「本人希望の退職」を隠れ蓑にしながら賃金・労働条件を一気に切り下げる11万人リストラを推し進めました。これに反対する労働組合と労働者に対して、NTTとNTT労組は企業一体路線によって見せしめ的攻撃を行ってきました。 今回の裁判の原告団は、不当な退職・再雇用攻撃に対して、これまでのNTTとの労働契約のもとで働くことを意思表示し、「退職・再雇用」の道と「全国配転を前提」とした道のどちらの選択をも拒否しました。会社は拒否者に対し「全国配転の道を選んだ」と見なすことによって、不当配転・異職種配置転換の攻撃を行ってきたのです。仕事を奪い、ありもしない業務上の必要性をでっち上げ全国配転を強行した会社は、「51歳退職」を拒否したならこうなるという事を、今後選択を迫られる労働者に見せつけるためだけの、極めて報復的な内容をもって不当配転攻撃を展開してきたのです。NTTが「業務上の必要性」による「広域配転・人事権の行使」と言おうとも、同様の業務が原告達が働いていた地域に現在も仕事としてあるという事実こそが今回の不当性を如実に示しています。 中高年労働者を「邪魔な石」に例え「排除」していこうとする経営トップの発言には、「労働者に人権など存在しない」というNTT経営者の本質的な認識があります。企業の「人事権」の行使が何よりも勝るとしたならば、およそこの日本の社会の中に、労働者やその家族が安心して社会の営みを当たり前の人間として享受できる環境は存在しません。これはまさしく企業と労働者の隷属的な関係でしかありえません。 労働者は、安心して働き、社会生活を営むためのルールを作り上げるために闘い抜いてきました。労使対等の原則、労働者保護、労働における男女差別の撤廃、家庭と労働の両立等を社会的ルールとして確立すべく闘いを進めてきました。巨大企業NTTによる社会的ルールの破壊を許すなら、そのことを遵守しようとする企業など存在しなくなることは明らかです。私たちは、大資本が本来持たなければならない社会的責任というものを、この裁判を通して明らかにしていきたい。 《雇用破壊、不安定雇用拡大を許さない!》 第2点目は、NTTリストラ攻撃がもつ雇用破壊の意図を明らかにし、全労働者的な闘いの中でそれを打ち砕くことです。労働者と労働弁護団の長い闘いの歴史のなかで、解雇ルールとして「整理解雇4要件」を確立してきました。NTTリストラはそのような闘いの歴史を否定しようとしています。 NTT構造改革・11万人リストラ攻撃は、「雇用の流動と再配置をグループ企業のなかで実現するため」として強行されました。賃金を始め労働条件を切り下げ、さらに「早期地場賃金化」を図るとされています。ところでNTTグループは、幾層にも子会社を作り上げ、その他に下請け・孫請けという関連零細企業がピラミッドのように企業群を形成しています。NTTは労務費の削減と不採算部門の業務の縮小を通して利益の最大化をもくろみ、その矛盾は下請け・孫請け会社に集中していくことになります。請負費のさらなる削減は賃金と労働条件の切り捨てをもたらし、安全を切り縮めなければ仕事が回らないという状況を作り出し、人身事故の多発が生み出されています。NTTはその責任から逃れながら過密な労働を強いているというのが実態です。 NTTの「更なる構造改革」の内容として「派遣業務の社員化」が言われています。NTTで働いている派遣労働者を始めとする非正規雇用労働者の仕事を、退職・再雇用労働者の業務として奪うということであり、その結果として「雇い止め」の攻撃が始まっています。NTTは、相次ぐ合理化による労働者不足を補うために大量の非正規雇用労働者を雇用してきましたが、今度はNTTの利益の拡大のために派遣労働者の首を切る。そして、今後迎えるNTT労働者の大量退職時代にはまた、非正規雇用労働者を雇用する。まさに首のすげ替えです。 NTTリストラはこのように不安定雇用を拡大するものであり、「究極の目的は雇用の流動化」であるとする「小泉構造改革」と同様の意図をもって強行されています。これは明らかに労働運動全体に対する挑戦です。私たちは小泉構造改革に反対し、労働と社会の在り方を問うものとして、この裁判を闘います。 《公共サービスの破壊に反対し、NTTの社会的責任を問う》 第3点目は、NTT構造改革・11万人リストラがもたらす社会的問題を通して、NTTを包囲していくことです。通信は社会生活にとって不可欠なものです。しかしNTTは、「あまねく公平に」という社会的使命に反し、公共通信サービスを破壊してきました。 NTT経営陣は「情報通信事業への民間参入」に対して、ことあるごとに「NTT法」の見直しと「負担」を要求してきました。しかし、番号案内・電報・営業窓口の廃止などは、突き詰めていけば「公共サービス」が切り捨てられてきたということです。公衆電話は94万台から58万台に減少し、今年も更に9万台が撤去されます。地震などの災害地域から、介護・福祉の現場から、地方の公共施設から、過疎地・離島から公衆電話維持の声が上がっているなかで、公共サービスが切り捨てられていきます。地域住民の反対の声を無視したドコモの鉄塔建設など、大企業の横暴ぶりも糾弾されています。 電々「民営化」、規制緩和によって、旧国鉄も情報通信産業に進出しました。しかし、今年8月、固定電話部門である日本テレコムは米国の投資会社に2600億円で買収されました。国民の共有財産が私企業化され、そのあげく、まさしくグローバリゼーションの大波に飲み込まれたということにほかなりません。 国鉄も電々も郵政もすべて国民の共有財産であります。それらが私企業化され、むき出しの営利主義のなかで公共サービスが解体されていく。NTT闘争を通して、私たちはその流れに反対し、公共サービスのあるべき姿を問い、利用者・住民と一緒になってNTT包囲の闘いを拡大していきたい。 《NTT内外に構造改革と対決する労働運動を!》 第4には、労働者のための労働組合・労働運動を築くための闘いです。政治的・経済的な危機のなかで反動的な動きが加速し、翼賛体制とも言える状況が拡大しています。政治反動を許さず、労働者の権利や生活を防衛する労働組合・労働運動を築き上げていく闘いを大きく前進させなければなりません。 電々民営化もNTTリストラも労使一体のなかで推進されました。NTT労組の労使一体路線の歴史、それは犠牲の一切を労働者に転嫁しようとする資本を養護し、労働者の声や闘いを強権的な官僚統制によって弾圧し続けてきた歴史でした。 11万人リストラ攻撃のなかで多くの労働者の不満・怒りが拡大し渦巻いています。私たちはこの裁判闘争を通して、NTT労働者に闘うことの楽しさと勇気を与えることができると確信しています。官僚統制のもとにあるNTT労働者が、その統制のくびきから解き放たれ、労働者のための労働組合・労働運動を作り出す闘いに合流してくる可能性を信じてやみません。 そのために、NTTのなかで11万人合理化反対の旗を掲げる全ての労働組合の共同の闘いが不可欠であり、それぞれの組合の違いを越えてスクラムを組み、NTTリストラ反対の共同闘争を前進させ、小泉構造改革と対決する労働者の大きな流れを作り出すために私たちは奮闘します。 私たちは以上の4点を、この裁判闘争の視点として明らかにしながら、全力をあげて闘います。電通労組は、戦争と新自由主義経済のグローバル化に反対し、仲間の皆さんとともに前進します。 電気通信産業労働組合(2003年10月17日/東京集会) *10.17東京集会にて報告された電通労組の見解です。 掲載にあたり見出しを付け加えるなどの編集を行いました。 *なお、電通労組の通信産業・公共サービスに関する主張と視点は、『公共サービス研究』(ATTAC Japan)第4号をお読みください。 ■以上 |