宮城全労協ニュース/第55号(電子版)/2004年4月19日

<今号の内容>
★許せぬ「自己責任」キャンペーン/卑劣な攻撃をはねかえそう!
★資料:緊急声明/宮城全労協事務局(4月8日)

<お知らせ>
●宮城全労協・年金学習会
4月21日18時30分
婦人会館

●メーデーに結集しよう!
反戦・平和!労働者の団結!小泉政権の打倒!
第75回メーデー宮城県集会(主催:宮城全労協)
5月1日 午前10時〜12時
ルック中田工場(登米郡中田町)

●5.3憲法集会のご案内
13時〜仙台市民会館大ホール
主催:護憲平和センター、憲法を守る市民委員会、宮城憲法会議
講演:奥平康弘さん(憲法学者)
15時〜デモ行進

    
小泉政府は自衛隊を撤退させよ!「自己責任」キャンペーンを許すな!

イラクで拘束された3人と2人の日本人は解放された。私たちは平和的解放を心から歓迎する。解放させた最大の力は、平和解決を求める人々の願いと闘いにあった。家族や友人たちの救出への切なる思いは、様々なネットワークを介してイラクに届いた。いらだちを隠さない政府も、言外ではあれ、民衆の側の努力を認めざるをえなかった。

3人を救えという声は世界を駆け巡った。日本での自衛隊撤退を求める行動や、「3人はイラクの敵ではない」というイラク国内からの叫びが世界で報道された。一方、「テロには屈しない、自衛隊は撤退させない」と言明した小泉首相は、米国と緊密な連携をとっていると繰り返し強調した。日本政府のこの態度は「人質」を危険にさらし続けた。

今回の「人質事件」に対する態度の根本的な違いがそこにあった。家族や友人たち、支援する人々にとっては、3人の解放こそが最優先であった。拘束された日本人の日常の素顔を明らかにし、「人質事件」を誘発させた原因を取り除こうとすることが平和的解放への道だった。小泉政府にとっては、「テロに屈しないでブッシュ政権への支持を継続する」ことが絶対条件であり、「人質を解放させる」ことは別の問題であった。最悪の事態、拘束された3人と拘束した武装グループの双方が米軍の犠牲になるという事態がありえたし、実際、政府は米軍への救出要請を検討したと報道されてもいる。このような危機を乗り越えて平和的解決が実現したのは、日本政府にとって皮肉なことに、「3人がイラクの敵ではない」からであった。

しかし、なんと日本政府が3人の安否は確認できないと発言しているさなかに、一部のメディアが「自己責任」論を開始した。批判はとくに、2人の若者とその家族に集中した。理由ははっきりしている。イラク民衆のために活動してきた2人が自衛隊派兵に反対であったこと、2人を救うために家族や友人たちが政府に自衛隊撤退を求めたこと、それらがイラクを含め国内外で報道されたからだ。
「イラク入りしたのは無謀な行動。自らこうした事態を招いた責任がある」、「自己責任の自覚を欠いた、無謀かつ無責任な行動が、政府や関係諸機関などに、大きな無用の負担をかけている(読売新聞社説)」。外務省幹部や政治家の一部からも挑発的で威圧的な言辞が投げ付けられた。拘束された若者が開設しているホームページには誹謗中傷の書き込みが集中し、閉鎖に追い込まれたという。大手週刊誌にも思想攻撃とばかりに不当な記事が掲載された。

問われるべきは小泉政府の責任なのだ。「自己責任」論は本末転倒である。世論誘導の政治的なキャンペーンであり、若者たちへの報復であり、とうてい認めることはできない。ブッシュの戦争と占領政策、それに追随した小泉政権の姿勢、そして、強引になされた自衛隊派兵の決定の是非が問われている。しかし「自己責任」論は、「国に迷惑をかけたのだから謝罪せよ、弁償せよ」という暴論に終始し、悪罵を投げつけて攻撃する。国のメンツをつぶした者、国策に従わない者は「非国民」として排除するという、むき出しの国家主義である。NGOや個人の活動、ジャーナリストの活動を国家が統制しようという意図も明白で、安倍幹事長などは法制化の検討をちらつかせている。

理不尽と不正義に憤り、イラク民衆のために行動する若者たちが日本にいる。フランスのル・モンド紙は、このような若者たちの人道的な活躍こそが日本の国際的存在感を高めていると報道し、彼らのイラクでの活動を否定する日本の動きに疑問を投げかけている(*)。解放された若者たちやジャーナリストに対する日本政府や一部マスメディアの扱いはまったく不当である。このような反動的動きは日本の進路を閉ざそうとするものだ。


さまざまなNGO、ジャーナリスト、運動団体から抗議の声が起きている。
連帯して、この卑劣な攻撃に立ち向かおう!


(参考)
<共同声明/「自己責任」論による非政府組織(NGO)、市民団体、ジャーナリスト等の活動への批判に憂慮します>

 「・・・私たちは、イラクにおける人質事件以降、政府および一部のマスメディアが今の人質事件の原因を危険なイラクに出向いた被害者たちにあると批判し、事態の責任を「自己責任」の名のもとに、現地で活動しているNGOや個人に転嫁しようとしていることに大きな憤りと悲しみを感じています。・・・」

共同声明全文は、
http://www.jca.apc.org/wsf_support/ngo_statement.html

(*)また、この間の動きは「ワールド・ピース・ナウ」など様々なサイトで紹介されています。
http://www.worldpeacenow.jp/


★資料/宮城全労協事務局の緊急声明(4月18日22時)

●日本政府は自衛隊を撤兵させよ!
●NGO活動家を殺させるな!

3人の日本人が拘束され、3日間以内に自衛隊の撤兵がない限り、3人を殺害すると通告されているという。詳細は不明である。しかし、これはおそらくは事実であり、切迫していることが報道から刻々と伝わってきている。

これは予測された事態である。
私たちは主張する。
悲劇的結末を避けるために、日本政府は自衛隊を撤兵させよ!
派遣されている自衛隊はまた、日本政府の行動如何にかかわらず、自らの責任において、平和的解決のために撤退の意思を表明せよ。
なぜなら、イラクは派兵は憲法違反だからである。

報道によれば、拘束されている3人は、イラクで献身的に活動する民間人たちである。NGO活動が「イラクの平和的再建」にとって自衛隊よりも比較にならないほど有能であり、有効であることは、さまざまな形で主張されてきた。NGOらの活動が自衛隊派兵によって危険な状況に陥るであろうことも、事前に主張されていたことであった。日本政府はその主張を無視して、派兵を強行した。すべての責任は日本政府にある。

この事件は、米軍がイラクのイスラム両派に対する新たな宣戦布告ともいうべき戦闘に入ったタイミングで発生した。アメリカ社会はブッシュの戦争への懐疑を深めており、この戦争への批判が過半を越え、ラムズフェルド国防長官をはじめ、パウエルやライスなど政府権力中枢の責任が相次いで問われるという状況の中で起きた。しかも、直前に、サマワの自衛隊宿営地周辺に迫撃砲が着弾した。

小泉首相は「大量破壊兵器はある」と強弁しつづけており、ブッシュとの同盟を無批判的に強めるなど、「国際社会」の中で異例の役割を担ってきた。
ブッシュの戦争を支持しない、これが世界の大勢である。
自衛隊派兵は、イラクの平和的解決の道に反し、日本外交の可能性を閉ざすものであるという主張が世界の大勢である。この現実を直視し、これまでの政策を全面的に改め、転換させることがいま、小泉首相と与党に突き付けられている。

3人の日本人を平和的に解放させよ!
日本政府は自衛隊を撤兵させよ!
ブッシュ政権の占領政策に反対せよ!

テロには屈しないと小泉首相は発言してきた。しかし、ブッシュこそがテロリズムを拡大させているのであり、小泉首相もその同類である。
テロリズムを排して、世界の希望と平和の道を築くために、我々は闘おう。

2004年4月8日22時/宮城全労協事務局

■以上