宮城全労協ニュース/第59号(電子版)/2004年7月31日

自殺者、最悪の3万4千人に
「小泉改革」を打ち破ろう!

7月22日、警察庁は昨年1年間の「自殺者統計」を公表した。この1年間、自殺者は過去最高(統計を取り始めた1978年以来)の3万4千余人に達した。交通事故による死亡の実に4.5倍だ。なかでも「経済的理由」による自殺者が8千9百人で12%も増加した。40〜50代の自殺者の中では動機のトップにあげられている。警察庁は「経済的理由」の内訳を次のように報告している。@負債56%、A生活苦15%、B事業不振12%、C失業7%、D就職失敗1%、その他7%。また「介護疲れ」が特筆すべき動機としてクローズアップされている。

一方、厚生労働省の労働者健康状況調査(02年)は、労働者の61%が強い不安・悩み・ストレスを感じていると報告している。自殺者の30〜70%がうつ病にかかっていたと想定され、その他の精神疾患もあわせるとほぼ全員に「心の病」があったという。厚労省の患者調査によれば、うつ病の推計患者数は5万5千人で、自殺者が急増しはじめた1998年から倍増している。因果関係は明白だ。

新聞各紙はこの過去最悪の自殺を「失業・生活苦/働き盛り直撃」(読売)、「仕事のストレス重く、心の健康対策追いつかず」(日経)などと報じた。たしかに「心の病への対策が必要」(朝日)であり、しかも急を要することだ。しかしマスコミの論調からは、政府と経営者の責任を追及し、構造改革・リストラ路線からの転換を要求する主張は見当らない。それどころか「大量自殺時代」という言葉の中には、モータリゼーションが交通事故の犠牲者を踏み台にして進展したように、<急増する自殺はグローバル競争時代の社会的コスト>という経営サイドの本音が透けて見える。

日本の自殺者数は欧米諸国の2倍の水準だ。国や社会のあり方に原因があることは明らかだ。にもかかわらず、まともな対策はとられず、「経済的理由」が急増した90年代末からは連続して毎年3万人を突破してきた。とくに「構造改革による痛み」を宣言した小泉政府と、小泉改革を利用してリストラ攻撃を徹底した日本経団連の罪は重い。競争主義と成果主義の攻撃が職場環境を一変させ、市場原理から排除されるものは「失敗者」や「落後者」のらく印が押されるような社会的風潮が作り出されてきた。倒産や失業の増加は「改革が進んでいる証拠」だと小泉首相は豪語したが、このような小泉流がまかり通っていれば、<自殺の増加は改革が進んでいる証拠>という暴論が出てきてもおかしくない。

いま流行の「自己責任論」も同様であり、公共性や社会保障への全面的な攻撃を支えるために意識的に流されている。いわゆる「自己責任」とは「失敗者は自分で責任をとれ」ということだ。「構造改革」の恩恵に浴するものと排除されるものの格差はますます拡大している。「改革の果実」を享受できるのは一握りの「成功者」にすぎず、労働者の圧倒的多数は過労死労働、雇用破壊、賃金破壊に直面している。そして、「過去最悪の自殺者」は「構造改革」や「自己責任」のもっとも痛ましい犠牲である。

「過去最悪の自殺者」を生み出す小泉政府と日本経団連の責任を追及しよう!
小泉政府を追い詰め、「構造改革路線」を打ち破ろう!

■以上