宮城全労協ニュース/第64号(電子版)/2005年2月19日

<本号の内容>
★05春闘を闘おう!
★郵政民営化に反対する地域・職場の闘いを築こう!
★NTT裁判は延期、4月に!
★春闘パンフレット紹介


05春闘を闘おう!

日本経団連は「ベースアップはすでにその役割を終えた」と宣言し、賃下げも辞さないと主張している。「業績の回復が見られる企業は、働く人の努力に対して積極的に報いる必要性があろう」というが、それは「賞与への適正な反映」としてであって、賃上げではない。「ベースアップ」ではなく、あくまでも個々の企業の業績による一時的な措置にすぎない(経営労働政策委員会報告/日本経団連)。

連合・大企業労組はこの枠のなかで、「業績反映の一時金重視」に走っている。経団連・奥田会長は、「連合の方針はおおいに評価している」と述べた。その代表がトヨタだ。トヨタ自動車は2年連続で1兆円突破の最高益を確保した。3年連続してベアを見送ったトヨタ労組は、過去最高の一時金を要求している。満額回答であろうといわれている。トヨタ関連企業に働く下請け・孫請け労働者には、この「見返り」はない。あくまで、大企業とその「本工組合」での話である。こんなことで春闘が前進するわけはない。まして、中小零細企業労働者や非正規雇用労働者の信頼を得て、ともに闘いを組めるわけがない。

奥田は、「淘汰されざるをえない企業の従業員には、当然セーフティーネットを張るべきだが、それは国の仕事」という。日本企業のトップが国にたらい回しし、政府は平然と逃げる。こんなことが何度も繰り返されてきた。そして、小泉政府は「痛み」は当然と言い放った。小泉や竹中らは昨年、「構造改革の成果が景気回復に結びついてきた」と自画自賛した。大企業はリストラによって過去最大規模の利益を上げてきたが、その実態は「雇用なき景気回復」であり、「非正規雇用の拡大」であり、「実質賃金の低下」であった。「景気回復」は労働者の生活に還元されてはこなかった。にもかかわらず、日本経団連はさらに「守りのリストラから攻めのリストラへ」と強調する。自分たちの企業にとって必要な核となる人材を育成し、「職場力」を高めることが必要だ。そのためには、「さまざまな働き方の選択肢を準備し、それぞれに最適な人事処遇制度を構築する」。その中心は成果主義による人事・賃金制度であり、非正規雇用の拡大だ。

昨年、「年収300万円時代」という言葉が流行した。中小零細企業で働く労働者にとってはそれどころではない。低すぎる日本の最賃、その最賃にも満たない仲間たちが追いつめられている。しかも、05春闘を前にして「景況悪化」が強調され、賃下げ攻撃の材料にされている。竹中は政府の政策として、賃下げ攻撃を支持している。日本は労働分配率が高く、企業はリストラでそれを下げてきたが、まだまだ下げることが必要だと答弁している。

小泉構造改革と対決する05春闘を築こう!
社会保障への攻撃、郵政や社会保険庁など公的部門の民営化、大増税を許すな!
憲法改悪に至る政治反動を許すな!

大震災と闘い続ける被災地を豪雪が襲っている。雪の犠牲になった人々も多数にのぼる。新潟労働局によれば、1103人が地震で失業(一時解雇の293人を含む)し、少なくとも半数は再就職先が決まっていない(2月2日現在)。国は何をしているのか。社会的な連帯を破壊し、労働者民衆を犠牲にし、「痛み」は改革の証しと公言する小泉政府を倒そう!


「妥協」=民衆不在の露骨な利益誘導
郵政民営化に反対する地域・職場の闘いを築こう!


自民党の党内調整が続いている。法案提出の当初予定は3月中旬だったが、遅れることは必至だと見られている。利害が衝突し、権力闘争が加わり、状況は混沌としている。政府の説明では説得力がない、これでは「抵抗勢力」を黙らせることができないという批判が党内に続出している。「そもそも民営化は必要なのか」という「入り口論」も絶えない。そこで政府は「妥協」に踏み出している。

たとえば、政府は「非公務員化」に特例を設け、「郵便士制度」を導入し、郵便の一部業務について「公共性と信用性を担保する」という案を示した。しかし、郵政族議員としては、特定郵便局長の既得権が維持されるという保証がなければ、アメに飛び付くわけにはいかない。どのように「保証」するのか、落とし所はどこか?
決定打のない中で、自民党の与謝野政調会長は「郵政民営化は予防医学的な改革だ」と発言した。民営化の党内説得役として小泉に任命された与謝野は、局面打開の流れを作るために「郵政公社ジリ貧」論を強調し始めた。「郵政事業は先細りになるのが分かっているから、民営化の代償として自由に企業活動をやってください。これが私の結論だ」と与謝野は説明する。「条件闘争の方が利口だよ」ということだ。実に露骨な利益誘導ではないか。「利用者のため」は表向きであって、政府による「妥協」は結局、郵政官僚と族議員の既得権益を認めるものである。

党内調整の一方で、なりふり構わぬ世論誘導が行われている。政府は国費を投入して、大々的な民営化キャンペーンに乗り出した。また、竹中担当大臣はテレビ・キャラバンを北海道からスタートし、各地の民放に出演して民営化バラ色論を振りまいた。
政府の姿勢と民意とのズレは明らかである。毎日新聞の最新世論調査(2月12日)によれば、郵政民営化の「今国会成立」は21%にとどまり、「こだわらず」は48%、「民営化は不要」も23%に上った。政府広報室が1月に実施した国民の意識調査では、政府が取り組むべき政策の優先順位(複数回答)で8番目だった。1位は「年金・福祉制度改革」の76%、以下、「景気・雇用」、「治安・防災」と続き、「郵政民営化」は25%の8位だ。小泉メールマガジンで調査を解説した竹中は、このことには触れず、民営化の賛否では「どちらかと言えば」を含めて賛成が55%であったことだけを取り上げている。

「廃案ならば内閣不信任とみなす、継続審議も認めない」と小泉首相は言明している。小泉には「民営化」を断行する以外に政権を維持する道はない。必要なのは「民営化」したということであって中身は二の次だが、そうはいっても譲れない線はある。一方、「妥協」というエサによって、郵政族議員への包囲網は狭められている。不満は充満しているが、反小泉派による倒閣運動に発展する道筋も見えない。郵政を小泉内閣の任期満了の花道にして、党内の亀裂を広げないという判断が自民党の大勢だ。安倍幹事長代理も、「郵政で解散となれば党は終わりだ」と事態収拾を呼びかけた。「落とし所」は通常国会の会期延長だとささやかれている。小泉民営化は民衆不在の利権闘争、権力闘争として強行されようとしている。こんな「郵政国会」を許してはならない。

財務省はすでに郵貯から分け前(266兆円といわれる)を分捕っている。民営会社の役員人事など、民営化に向けた第2幕は別の所で進行している。米国生保など、参入の布石は着々と打たれている。郵政公社は旧来の既得権を引き継ぎ、さらに「経営の自由度」を手に入れるために暗躍している。4分社化のコンピュータ・システムの構築にも着手した。
なによりも、公社内でのリストラ、労働強化が強権的に進められている。非正規雇用への代替も急速に進んでいる。公社は「替わりはどこにでもいる」との態度で、権力を振りかざして文字通りの「不安定雇用」と劣悪きわまる労働条件を強制している。統計では12万人とされる非正規雇用労働者は、実際には16万に達しているともいわれる。公社の労務部代行として、多数労組の官僚機構は弾圧・統制の側にある。そして、大メディアは労働現場の殺人的攻撃には触れず、徹底したリストラが民営化の前提だと繰り返し主張している。「改革派」対「抵抗勢力」という大メディアの論調は、民営化攻撃の本質をそらし、自民党と郵政官僚の茶番を演出している。

郵政職場での反撃と民営化反対のキャンペーンを作り出そう!
「郵政国会」に怒りをぶつけよう!


NTT裁判は延期、4月に!

3月18日(東京地裁)に設定されていた不当配転取消し裁判の証人尋問は、裁判所の都合により延期されました。電通労組首都圏支部はストライキをもって闘い続けています。4月に予定されている裁判への支援を要請します。

◎電通労組がストライキ!「見せしめD評価」、成果主義導入に抗議

首都圏支部の職場(退職強要を拒否したNTT労働者が全国から不当に集められている)では、昨年末の「業績評価」で3割近くの労働者に「D評価=最低評価」が下されました。電通労組組合員も2名が「D評価」とされました。電通労組はこの恣意的な「見せしめD評価」に抗議し、また成果主義賃金の全面的な導入を許さず、ストライキに立ち上がりました。NTTはこの成果主義賃金(「成果・業績重視の処遇体系の見直し」)で、「年収の15%〜20%(の格差)を意識した制度設計」を行うと説明しています。そこには年齢賃金や扶養手当の廃止も含まれています。
さらに、05年度での新たな退職強要もなされようとしており、電通労組は「NTTリストラ=構造改革」と対決する05春闘に立ち上がっています。


<春闘資料の紹介>
●パンフレット
「この怒り!行動で示そう!05春闘に勝利しよう」
発行:全国労働組合連絡協議会/全労協(200円)

●ハンドブック
「非正規雇用 Q&A」−今、何故「非正規」と向き合うのか
発行:全国一般労働組合全国協議会(300円)
<内容>
第1テーマ/「有期雇用」−更新・雇い止め
第2テーマ/「派遣」−派遣元・派遣先
第3テーマ/「委託・請負」−労働者性
第4テーマ/「臨時公務員」−入札−
第5テーマ/「外国人労働者」−入管法−
*非正規労働者問題とジェンダー

■以上