JR東日本の不当労働行為を許すな!
鉄産労の労働委員会闘争に勝利しよう!
<労働委員会の日程>
5月25日(水曜)第3回調査
7月 7日(木曜)
いずれも14時から、宮城県労働委員会にて。
*7月7日の内容は、第3回調査の進展具合によって決まります。
【本号の内容】
★メーデー宮城県集会、JR西日本事故で討論会
★国鉄安全綱領の復権を!
☆資料転載/JR西日本事故に関する声明
鉄道産業労働組合(5月1日)
宮城全労協(4月26日)
★メーデー宮城県集会、JR西日本事故で討論会
宮城全労協は5月1日、メーデー宮城県集会を開催した。集会参加者にとってJR西日本事故が最大の関心事であり、メーデー集会の後半は急きょ、この問題でのフリーディスカッションの場となった。鉄産労と宮城全労協の声明を参照していただきたい。
冒頭、鉄産労本部書記長からの報告と問題提起を受けたのち、さまざまな視点から質問や意見の交換がなされた。郵政合同労組や電通労組の組合員からは、JRだけの問題ではない、民営化思想に基づく攻撃は同質であり、NTTの成果主義や郵政公社に導入されたトヨタ・システムなどに対して共通の闘いが必要だという発言が続いた。
鉄産労の組合員たちはJRの職員管理の実態を具体的に報告した。職員間に監視網が敷かれ、常に見張られ、日常的に行動が通報される。たとえば、運転中に前方に人影を見たと思って急停車させた。問題は何もなかったが、結果として列車が遅れた。運転士はこの遅れの責任をとらされることになる。国鉄安全綱領(資料参照)に基づけば、運転士の行動は安全第一の事故回避行動になる。結果として人はいなかったとしても、同僚たちは「人がいたって?ウソだろう」と運転士に声をかけ、それで終わりだった。いまでは、ヒゲを生やしていた、目深に帽子をかぶっていたということまでが監視や通報の対象となる。責任をとらされ、孤立し、自殺にまで追い込まれる。「営利第一主義」と「職場の団結の破壊」、これが民営化がもたらしたJR職場の本質であると。
鉄産労の仲間たちは議論のなかで、とくにメディアに登場する「有識者」たちの発言を取り上げ、それらのなかに世論誘導につながる無知や誤解や悪意がひそんでおり、結果として運転士にすべてを負わせるような報道姿勢が目立っていると指摘した。また、国土交通省の事故調査委員会がどこまで原因究明を果たせるか、その独立性、権限、陣容からしてはなはだ疑問であることも指摘された。
これまでJR西日本とそれをとりまく腐敗の実態が次々に暴露されている。また、営利第一主義に組み込まれた労働組合の惨状は言うまでもない。国土交通省やJR他社は事故原因を運転士と西日本「労使」に負わせ、安全施策のツジツマあわせを行い、ひたすら時間の過ぎ去ることを待っている。連日のように特集を組んでいるマスコミも「国鉄分割・民営化」の非には決してふれようとはしない。民営化論者は「ダブル・スタンダード」の無責任な主張を繰り返している。彼らはJR西日本を批判することによって、民営化そのものを防衛しようと躍起になっている。そしてメディアは、あたかも腐敗を糾す改革の旗手のように民営化論者を持ち上げている。
「日勤教育」は西日本に特有のものではない。それは営利第一主義と労働者への弾圧というJRの経営の根本に根ざしたものである。仙山線で「オーバーラン」した鉄産労組合員に対するJR東日本の対応は「日勤教育」そのものであった。鉄産労は労働委員会で、JR東日本の対応は、安全教育とは無縁のイジメ、恫喝、パワーハラスメントであり、安全を主張する労働組合や労働者を「非協力的社員」として排除するものであると指摘した。会社側代理人は「それらが不当労働行為にあたることは法律のどこに明記されているのか」と反論した。労働委員会でのJR東日本の不真面目で横暴な態度はつとに有名であるが、鉄産労はこのような態度を糾弾し、地労委闘争を展開中である。
★国鉄安全綱領の復権を!
「安全綱領」はJRの出発に際して、文字通り、捨て去られた。管理者と労使協調・民営化推進の労働組合が、職場に張り出されていた「綱領」を破り捨て、携帯していた「綱領」を捨てるよう命じた。分割・民営化反対の労働組合員が選別排除され、徹底した弾圧にさらされるなかでの国鉄安全綱領の破棄であった。それは、「安全」から「収益」に公然と転換するための象徴的な出来事であり、いわばJRに忠誠を誓って出発する「儀式」でもあった。
☆資料/国鉄安全綱領
「安全の確保に関する規程」(管理規程)昭和39年4月 総裁達第151号
<綱領>
1 安全は、輸送業務の最大の使命である。
2 安全の確保は、規程の遵守及び執務の厳正から始まり、不断の修練によって築きあげられる。
3 確認の励行と連絡の徹底は、安全の確保に最も大切である。
4 安全の確保のためには、職責をこえて一致協力しなければならない。
5 疑わしいときは、手落ちなく考えて、最も安全と認められるみちをとらなければならない。
以上が「綱領」の全文(当時のまま)。
以下、規程の細目が続く。たとえば・・・
第1条「規程の携帯」
列車及び自動車の運転並びに船舶の運航に関係のある従事員のうち、特に定められた従事員は、勤務中常にこの規程と運転取扱基準規程を携帯しなければならない。
第2条「規程の遵守、励行」
従事員は、この規程及び関係規程達示に従い、全力を尽くしてこれを励行しなければならない。
第3条「従業員の修練」
従事員は、この規程及び関係規程達示をよく理解するとともに、作業に熟練するように努めなければならない。特に安全の確保についての修練を怠ってはならない。・・等々。
☆資料
JR福地山線での脱線・転覆事故に対する声明
鉄道産業労働組合(2005年5月1日)
4月25日、JR福地山線において死者107人、負傷者500人にも及ぶ脱線・転覆事故が起きた。我々はこの大惨事の被害者とその家族、親戚、友人知人の人々に対して心からの哀悼とお見舞いの意を表明し、謝罪する。同時に、我々と全国の鉄道労働者や国鉄退職労働者たちの多くが、今回の脱線・転覆事故発生に心を痛め、被害者に弁解の余地もなく申し訳ない気持ちであることを、あわせて表明させていただく。
我々はこれまで、国鉄の分割民営化に反対し、JRの安全無視の経営に異義を唱えて闘ってきた。しかし、JR各社は「安全第一」の公共鉄道輸送業務を実施してこなかった。我々は鉄道労働者としてその責任を痛感している。
もちろん、JR西日本の非は明白である。また、今回の事故がJR西日本一社の問題ではないことも明らかだ。JR各社ならびに国鉄分割・民営化を強行した政府・自民党の根本的な責任が問われている。小泉首相は郵政民営化の正しさの証明として「国鉄分割・民営化」を例にあげてきた。分割・民営化の結末が今回の大惨事であった。小泉首相はその責任をとらねばならない。
かつて日本国有鉄道は安全綱領を持ち、その第一条に「安全は輸送業務の最大の使命である」と明記されていた。国鉄労使の対立の大半は、スト権ストを除いて、安全問題にあった。国鉄労働者は「安全第一」を闘いの柱にすえ、政府・自民党の「営利第一」の民営化に反対して闘い、敗北した。
民営化によって出発したJR各社は「安全綱領」を捨て去った。安全は口先だけのお題目となった。JR各社は増収を社員に強制し、安全の責任を労働者に押しつけ、増発とスピードアップを重ねた。安全第一を主張する社員に対しては、会社方針に反する非協力的社員として差別し、攻撃した。このような強権的、官僚的な職場管理が事故の背景にあることは明白である。
メディアに登場する民営化論者たちは、猪瀬直樹氏を始めとして、あたかも「公共交通の安全性は自明のこと」であるかのように主張している。しかし、安全は無前提的に存在しているのではない。完全確保のためには労使の責任と利用者の信頼に応える職場体制が不可欠である。そのような職場体制は闘いの歴史のなかで築き上げられるものだ。全国各地で発生している事故を他社の問題として扱ったり、運転士などの「自己責任」にすりかえたりしてはならない。まさに国鉄「安全綱領」の精神を復活させ、「職責を越えて」教訓化し、共有化させることが、職場の団結としてなされなければならない。
我々は被害者たちの怒りと悲しみを受けとめ、国鉄OBとともに安全輸送の誇りをかけ、民営化による営利第一主義の経営に断固反対し、今後とも安全第一の鉄道事業を追求していく決意である。(以上)
☆資料<緊急声明>
JR西日本、兵庫県尼崎で脱線事故
分割・民営化がもたらした最悪の結末
2005年4月26日/宮城全労協
恐れていた事態が現実になった。
25日午前、JR西日本・福知山線の快速電車がカーブを曲がり切れずに脱線、マンションに激突した。死者は70人を越え500人近い乗客が負傷する大惨事となった。犠牲者は増え続けており、捜索活動がいまなお続けられている。
事故原因は調査中である。複数の要因が可能性として指摘されている。徹底した原因究明がなされなければならない。JR西日本は自己保身と早期営業回復の思惑を捨て、原因究明に全面的に協力しなければならない。
各種メディアは激しい市場競争、過密ダイヤ、人員削減、車両の強度不足や旧式の安全装置、近畿大都市圏からの収入への依存体質などが事故の背景にあると一斉に報道した。しかし、それらすべては明らかなことだったはずだ。そのようなことがなぜ放置されてきたのか。事態を掌握していたはずの国土交通省もなぜ対応を先送りしてきたのか。われわれはJR西日本ならびに小泉政府、国土交通省を糾弾し明確な責任をとるよう要求する。
とりかえしのつかない事故が起きるのではないか・・不安と予感が全国のJR現場にただよっていた。国鉄退職労働者たちも、顔をあわせるたびにその話題を口にしていた。営利至上主義が安全をおびやかし、労働強化が一触即発の危機を日常化させ、重大事故につながりかねないケースも発生していた。にもかかわらず、危険を指摘する現場の声は無視されてきた。事故は偶然に起きたのではない。JR西日本に特有のものでもない。JRそのものを、そしてこのような事態を許してきた交通政策、経済社会システムそのものを問い直さなければならない。
小泉首相は国鉄を例にあげて郵政民営化の正当性を主張してきた。「国鉄民営化によってサービスが向上し、ストライキもなくなり、利益もあげている」。このような発言を繰り返してきた小泉は、今回の事故の責任をとらねばならない。中曽根元首相は、国鉄労働運動と総評の解体が民営化のもう一つの目的だったと明言してきた。そのツケがこのような形で回ってきた。この大惨事はまさに、国鉄分割・民営化の結末である。中曽根もまた、分割・民営化の責任を明確にしなければならない。
「公共交通の安全性は自明のこと」だと新自由主義者たちは強弁している。しかし、安全を実際に守るのは労働者である。公共鉄道の安全のためには、会社・当局に対しても利用者に対しても、できないことはできないと主張する労働者がいなければならない。そのためには労働者の自発性や労働者民主主義が不可欠だ。民営化攻撃はこのような労働者を排斥して安全性の根幹をつぶしたのだ。JRは強権的で硬直した労務政策で労働者を監視する一方、「お客さまのニーズに応える」を大義名分として安全の危機をごまかしてきたのだ。
JR北海道で事故が多発している。尼崎脱線事故のまさにその日、陸運局はJR北海道本社に異例の立ち入り検査に入っていた。日本航空で重大事故の懸念が強まっている。これらは氷山の一角にすぎない。介護現場で悲劇的な殺人事件が発生している。この半年、全国の主要病院で533件の医療事故があり83名が死亡していたと発表された。原発事故の危険性は増大する一方である。「構造改革」の社会改悪に歯止めをかけねばならない。
大惨事の悲しみと怒りを胸に、国鉄分割・民営化の非をさらに訴え、構造改革攻撃と対決する闘いを作り出していこう!

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