宮城全労協ニュース/第69号(電子版)/2005年7月6日

<本号の内容 >

★郵政民営化法案の衆議院通過を糾弾する!
★NTT、またも東京へ不当配転!
 電通労組、抗議のストライキ(6月30日)
★NTT反リストラ裁判、電通労組・大内委員長が証人に
(7月15日11時〜17時/東京地裁710号法廷)
                                      
           
「郵政民営化法案」の衆議院通過を糾弾する!

衆議院本会議は5日、自民党と公明党の賛成によって「郵政民営化法案」を可決し
た。5票というきわどい差であり、小泉首相は否決された場合には解散・総選挙に踏
み切る決意だったと伝えられている。「郵政民営化」は小泉の権力闘争の手段である
ことが、あらためて明白になっている。反対派もまた、「郵政族の利害」にとどまら
ず、小泉路線への批判を結集軸にすえることによって、ここまでの造反を組織したの
であった。

特別委員会は109時間に及んだ。しかし審議は煮詰まらず、政策論争は発展しな
かった。小泉は独特の話術をもって争点をそらし、ねじまげた。竹中担当大臣と小泉
の発言が食い違っても、竹中の政府広報発注疑惑が持ち上がっても、審議は素通りし
ていった。民主党は対案を出すことができず、最後まで中途半端な論戦にとどまっ
た。

小泉首相は、「郵政民営化は改革の本丸」であると叫び、「抵抗勢力」との対決を演
出しつづけた。自民党執行部は「アメとムチ」によって党内の反対論を封じ込めよう
とした。政府は巨費を投入して「バラ色の民営会社」をキャンペーンした。テレビで
はおなじみの評論家連中が登場し、「改革」を合唱した。大メディアは「抵抗勢力へ
の妥協」や「改革の骨抜き」を批判はしたが、修正案可決に反対することなく、けっ
きょくは「小泉民営化」を支持した。

しかし、「郵政民営化」への大がかりな仕掛けにもかかわらず、世論は「小泉民営
化」を支持しなかった。各種世論調査はすべて、「反対」と「慎重審議」が多数を占
め、「今国会での成立」は少数にとどまった。「どうしていま、民営化なのか」とい
う当然の疑問に、政府・与党は答えることができなかったのだ。

法案成立に向けて激しい権力闘争が展開された。小泉は解散権を振りかざす一方で、
後継総裁争いをめぐって麻生総務大臣らに「改革続行」の踏み絵を強いた。自民党執
行部はしつような恫喝と懐柔を繰り返した。総務会を多数決で押し切って法案を修正
し、参議院にまで党議拘束をかけた。修正はしないと言い続けた小泉は、あっさりと
修正案を受け入れ、「国会の常識」とうそぶいた。自民党は反対派委員を賛成派に入
れ替え、特別委員会の採決を強行した。公明党は採決を東京都議選後に繰り延べさせ
るために、連立離脱までちらつかせた。神崎代表は、反対議員には選挙支援をしない
と脅した。公明党の言動は、与党権力の位置を確保するための「党利党略」そのもの
だった。

政府・与党の暴挙を大メディアが支えた。かたくなに「郵政民営化」を主張してきた
朝日新聞は、次のように弁解じみた表現で「修正」を受け入れた。「本来、修正すべ
きではなかったが、廃案を避けるためにはやむを得ない選択だろう」、「良い民営化
になるかどうか。本当の勝負はこれからだ」(社説、6月30日)。朝日の社説は
「自民党をつぶす」という小泉に乗り、「改革派」対「抵抗勢力」という安易な図式
に依拠し、構造改革推進の旗を振ってきた。彼らはいったい、だれに対して、どのよ
うな勝負をしようというのか。衆院可決にあたっての社説は、「首相はこれ以上の法
案修正を否定するが、当然である。・・その中でどう指導力を取り戻し、民営化にこ
ぎつけるか。背水の陣で臨んでもらいたい」と、民衆の声に背いて、小泉にエールを
送っている(7月6日)。自衛隊派兵や外交路線や憲法について論陣を張っている朝
日の論説陣は、自分たちのネジレについて、真摯に再考すべきときではないか。

衆院可決を糾弾し、郵政民営化=私有化に断固反対する闘いを継続・発展させよう!

◎郵政3事業の解体・私有化反対、郵貯・簡保資金の強奪を許すな!
◎郵政労働者への大リストラと対決しよう!
◎旧全逓官僚の「全特」への謝罪を糾弾する!

◎廃案をめざし、「郵政民営化=私有化反対」の声を大きく組織しよう!
◎反動・右翼路線の小泉政府を倒そう!構造改革攻撃を打ち破ろう!


NTT、またもや不当配転
6月30日、抗議のストライキ!

またもや不当配転攻撃が行われた。4月1日の不当配転からわずか3ヶ月、NTTは
組織再編を強行し、再々度、見せしめの報復配転に踏み切った。電通労組の2名も7
月1日付けで東京に不当配転された。6月30日、電通労組宮城支部は怒りの抗議ス
トライキに立ち上がった。

(*NTT宮城県共闘ニュース・最新号参照)

この3ヶ月の間に、JR西日本で転覆事故の大惨事が発生した。JR西日本は社会的
な批判にさらされた。営利至上主義の鉄道経営と「日勤教育」に象徴される労務対策
が問題とされたが、NTTでも同様だ。採算基準を満たさないという理由で、福祉施
設から公衆電話を撤去する。膨大な投資によって高機能・多機能商品を次々に開発
し、市場にあふれかえっている携帯電話をさらに押しつける。固定電話網の危機が深
刻になる一方で、情報流出などの事件やトラブルは耐えない。そして、50歳退職・
再雇用という違法・脱法行為を繰り返し、成果主義を導入して労働者を弾圧する。事
故が大惨事につながる大量輸送の鉄道や航空とは現われ方は異なるが、事の本質は同
じだと電通労組は主張し、闘ってきた。

今日、企業みずからが「いきすぎたリストラ」や成果主義の見直し論議を余儀なくさ
れている。企業犯罪が相次ぎ、企業モラルが崩壊し、事故が多発しており、企業の社
会的責任が厳しく問われている。「2007年問題」への対応は待ったなしだ。しか
し、NTTはひたすら、営利至上主義の効率化、アウトソーシング化、労働者の使い
捨てに走っている。NTT労組がこのような「NTT構造改革」を支えていることは
言うまでもない。


●不当配転された組合員の挨拶

・・今回の東京への配転は見せしめ、恫喝です。私は、このような姑息な手段に打っ
て出る会社と、腐り切った労働官僚を許しません。労働者の権利を奪い、生活不安を
強要するリストラに、怒りをもって抗議します。

「会社は労働者や社会に責任はない」という態度は、厳しく糾弾されねばなりませ
ん。NTTは社内のセキュリティを強化し、労働者を管理するために、莫大な費用を
かけていますが、これは本末転倒です。このようなNTTの姿勢が認められるはずは
ないし、NTTの今日の体制が長く続くことはできないと確信します。

「構造改革」路線をひた走るNTTの安易で無責任きわまる態度にNO!を突き付
け、私は元気で東京に行ってきます。

支援の皆さん、ありがとう!
(6月30日、電通労組宮城支部ストライキ集会より)


★NTT反リストラ裁判=
電通労組・大内大内委員長が証人へ!

<第2回証人尋問/7月15日11時〜17時/東京地裁710号法廷>

7月15日は、リストラと配転をめぐる総論部分の証人尋問であり、裁判の最大の焦
点です。電通労組・大内委員長が、必然性も正当性もなく違法・脱法のかぎりを尽く
したNTTリストラ(=NTT構造改革)の正体を暴露し、遠隔地・異職種配転は退
職拒否に対する報復であり、無効であることを証言します。

電通労組は、多くの皆さんがこの証人尋問を傍聴されることを呼びかけています。


★裁判傍聴記(電通労組宮城支部)
6月15日/第1回証人尋問/NTT側

6月15日、NTT反リストラ裁判の第1回証人尋問が行われた。
被告NTT側より、構造改革=11万人リストラ、50歳退職・再雇用を企画した鳥
越、土井(元本社担当課長)の2名が証言した。二人とも、1987年(昭和62年
入社)の民営化世代である。

鳥越は「構造改革」案を作成した企画WG(ワーキング・グループ)の責任者だっ
た。彼は、わずか1ケ月半でこの案をまとめたと証言した。これには驚いた。11万
人労働者の人生を左右する計画が、こんなにも簡単に作られたとは。

一方、土井は、原告側代理人の質問をさえぎり、聞いてもいないことまでベラベラ
しゃべりまくり、裁判長から「質問が終ってから短く、簡単に答えて下さい」と注意
を受ける始末だ。50歳退職・再雇用のスキームを担当したという土井は、「97%
の社員が退職・再雇用を選択した、魅力ある制度であった」と豪語した。苦渋の選択
を強いられた退職・再雇用労働者の気持ちを踏みにじる暴言に、思わず傍聴席を飛び
出して「ふざけるな!」と言いたいほどの腹立たしさであった。

「なぜアウトソーシング会社なのか。50歳の年齢根拠はなにか。そんなに経営危機
というなら、なぜ労働条件の不利益行使など他の選択を考えなかったのか」。原告側
代理人の鋭い、矢継ぎばやの尋問に、「検討しなかった。判断する立場になかった。
聞いていません。判りません」と答弁にタジタジ。

さらに、構造改革の実行最高責任者は持ち株会社ではないのかとの確信に触れる質問
には、「そうではない。グループ各社が行ったものである」とこれを否定。責任が持
ち株会社ということになると、当然、グループ連結決算が問題になり、「こんなに儲
かっているのに、なぜリストラか」となってしまうため、必死に隠蔽をはかる。しか
し、隠そうとすればするほど、その本質が明らかになってしまったのである。

いよいよ、次回(7月15日)が楽しみになってきた。

■以上