★WTO香港閣僚会議への現地対抗行動に連帯しよう!
★立川反戦ビラ裁判の逆転反動判決(東京高裁)に抗議しよう!
●自衛隊イラク派兵の期限延長を糾弾する!
小泉政府と連立与党は、14日に期限が切れるイラク派兵の1年延長に踏み切った。延長はアメリカ政府の強い要求であり、政府・与党はその要求に従った。延長は閣議決定で決められた。国民の多数が「延長反対」であるにもかかわらず、国会は審議すら行わなかった。
決定は1年以内の撤退の可能性を認めており、陸上自衛隊は期間内に撤退を開始すると言われている。陸上自衛隊の現地活動には防衛軍が必要であり、その任務にあたっているイギリス軍とオーストラリア軍が現地から早期に撤退の方針であると受けとめられているからだ。一方、航空自衛隊は残して「輸送支援」を継続し、その内容を米国と協議中だという。
「陸自の撤退は9月までに完了」という報道もなされている。小泉首相の任期中に、というわけだ。小泉政府は、ブッシュ政権とイラク「政府」の双方を相手に、ギリギリのタイミングで陸自の撤退のシナリオを探ることになる。しかし、イラクが「安定」に向かうという保証はない。
現地では二つの声が自衛隊に突き付けられている。「とどまって経済支援を拡大せよ」という声がある。しかし、自衛隊はこれに応えることはできない。他方、「占領軍は出ていけ」という声がある。自衛隊に対する抗議、攻撃は強まっており、「幸いにこれまでのところ犠牲者はいない」(日経新聞社説)と言わざるをえないのが実情だ。この二つの声をどうするのか。今回の延長決定は何も答えていない。自衛隊が「有終の美を飾る」ために(日経新聞社説)とか、「感謝されつつ撤退する道を」(毎日新聞社説)というのは、事態がこのまま推移することを前提にしている。小泉政府が策するシナリオ通りに事が運ぶ保証はどこにもない。
どのような判断と見通しを持っているのか、小泉首相は国民に明らかにする義務と責任がある。しかし、小泉首相の説明は、「(延長決定は)国際社会の一員としての責任を果たすことであり、日本の国益にもかなう」というものだった。「国際社会」というあいまいな言葉を都合良く持ち出して、イラク戦争と占領統治への支持・参加を正当化する。相変わらずのパフォーマンスであり、居直りだ。
小泉政府の行動決定は「国際社会の一員」という立場からなされたのではない。日米同盟をどのように表現するか。これが政府与党の共通した最優先課題だったが、その上で日本政府としての選択肢はあった。しかし、小泉首相はブッシュへの支持を真っ先に表明しただけでなく、その証しとして自衛隊を派兵した。それがブッシュ政権への最大の支援になると同時に、そのことが日本国家の、そしてまた小泉政権の利益になる。これが彼の判断であった。彼は世論に逆らい、与党内の異論も封じて派兵を実行した。
イラク派兵はまた、日米安保体制の再編・強化をめざし、日米両軍の合同作戦を基軸とする自衛隊の海外活動に決定的に踏み出すために利用された。このような派兵は憲法に違反し、日米安保さえ逸脱していることは明らかだ。国民の多数は反対し、政府・与党にも強い懸念があった。だから、派兵地域をサマワに選定・限定し、「人道支援」という「制限」をつけて、イラク派兵は強行されたのだ。
小泉首相はまた、「28の国が多国籍軍に参加している」ことを延長決定の理由の一つにあげた。許しがたい「小泉流」だ。ブッシュ政権は威信をかけ、恫喝をもって「多国籍軍」を形成した。にもかかわらず、参加国は40にとどまり、現在では28にまで減少している。しかも、米国との関係に配慮してとどまっている諸国も、もはや公然と撤退の動きを早めている。とどまり続ける大義、正当性や自国の利益を国民に説得することができないからだ。「イラク戦争は間違っていた。あるいは回避すべきであった。そして実際、回避することはできた」。これが「国際社会」の常識であり、小泉首相の無反省と居直りはまさに異例中の異例である。このような態度が「日本の国益」にかなうのか。国連やアジアでの小泉外交の「失敗」と「手詰まり」の連続は、そうではないことを示しているではないか。
イラク戦争を問い直す声は、当のアメリカで拡大している。アメリカ国内は大きく揺れ、ブッシュのイラク政策への支持は低下し続けている。戦争と占領にかかわる重大な疑惑が政権中枢を直撃している。中間選挙をひかえ、与党内部からも米軍撤退の要求が相次いでいる。
批判はブッシュの「対テロ戦争」そのものにも向けられている。米国議会は最近、報告書をまとめ、2001年9月11日以降のブッシュ政権の「対テロ戦争」について、米国が勝利しつつあるのか敗北しているのか、それは「不明」であると結論づけた。米政府は先月末、「イラクでの勝利」と題する戦略文書を発表した。そこでは初めて、来年中にもイラク派遣米軍の削減する見通しが述べられた。ブッシュ政権でさえ、もはや「出口戦略」に触れざるをえない状況にある。
そもそも、「イラクの大量破壊兵器」はアメリカの戦争遂行の口実として作り出されたものだった。政権から追われたパウエル元国務長官は、この点に関してすでに、自らの判断の間違いを認めている。パウエルの政敵たちはいま、国家を揺るがす疑惑の渦中にいる。パウエルを牽制しながら戦争を主導したウォルフォウィッツ元国防副長官(現世界銀行総裁)でさえも、「イラクが大量破壊兵器を使わないと米国を納得させていれば、戦争以外の選択肢もあった」と述べた。責任回避の発言であるとしても、「ネオコン」の戦争首謀者みずからが「反省」を口にしなければならないほどである。
事実にかたくなに背を向け続け、ブッシュとの同盟に浸り切ってきたのは、各国指導者の中で小泉首相ただ一人であると言っても過言ではない。その日本で、構造改革と名付けられた労働者・民衆への攻撃が、小泉とその同調者たちによって遂行されてきたのだ。
アメリカでは、反戦運動は大きく力を取り戻し、全米をおおっている。息子をイラクで失った兵士の母が、「反戦の母」としてデモの先頭に立ち、大きな反響を巻きおこした。ハリケーン被災でのブッシュ政権の対応が糾弾され、「自国民を災害から守れない戦争国家」と「根深い差別社会」が厳しい批判にさらされている。この秋、南米で、韓国で、資本の横暴と戦争に抗議する労働者・民衆運動がブッシュを包囲した。そしてまもなく、韓国・釜山に続き、香港で、国際連帯による労働者民衆の反グローバリズムの行動が展開されようとしている。
小泉政府のイラク戦争と占領への支持・加担を糾弾しよう!
小泉首相の居直りを許さず、派兵延長に反対しよう!

|