<本号の内容>
●中小・零細春闘、非正規の闘いはこれから!
●政府・自民党の高笑いを許すな!
●「民営化」に向かう郵政の現場から
●労働契約法制リーフレットの紹介
●電通労組が統一ストライキ!
●中小・零細、非正規の闘いはこれから!
民間製造大手の集中回答が出た。「賃上げ復活」という報道がされているが、実際は電機をはじめ組合側の予想を下回る厳しい内容だった。造船大手などは賃上げゼロ回答だった。
経営側は「個別企業の事情による対応」を貫き、「業績向上はベアではなく一時金で」という基本姿勢を押し通した。原資総額の増加を要求する「賃金改善」についても、成果主義賃金体系に取り込もうとする経営側の意図は明らかだ。日経新聞社説は、「強気な経営者心理を映した賃上げ回答」と題して、次のように述べた。「経営側優位の労使関係に変化はなく、組合側は一律に賃上げを上げるベアに配慮して、「賃金改善」という言葉を使っている。・・賃金制度も変わり、横並び賃上げという意味での「春闘」が復活する見込みはない」(3月16日)
それでも大手製造業労組には、ばらつきはあっても、5年ぶりの賃上げ回答である。しかし、中小零細の環境はまったく別で、厳しい現実が続いている。非正規雇用労働者の格差縮小の要求も厚い壁に阻まれている。06春闘はこれからが正念場だ。宮城全労協は15日、春闘集会を開催し、4月、5月に向けた春闘の継続と、あわせて「労働契約法制」についての取り組みも確認した。
17日、06けんり春闘の中央総行動が展開された。電通労組はこれに呼応し、統一ストライキに入った。仙台では、東京に不当配転された組合員も参加。ストライキ集会の後、「退職・再雇用制度の廃止」「遠隔地配転者の地元復帰」を求め、NTT宮城支店への抗議・申し入れが行われた(詳細はNTT共闘ニュース次号にて)。
●政府・自民党の高笑いを許すな!
民主党の大失態によって、政府・与党は息を吹き返し、反転攻勢に出ている。しかし、「4点セット」は何も解決していない。誰も責任をとっていないし、これに関連して指摘されてきた疑惑は、依然としてそのまま残されている。防衛庁や警察の情報漏洩など、新たな事件も続発している。麻生外務大臣などの挑発発言も続いている。政府・与党の居直りを許してはならない。
それにしても、民主党の対応はまちがっている。「疑惑メール問題」の責任が執行部にあることは明らかである。「小泉政府と改革競争をやるようなら、前原民主党に労働者民衆の未来はない」と、私たちは主張してきた。そして、現実に、前原代表は自民党に利用されてきた。そうであっても、野党第一党として、民主党はまず労働者民衆に真相を明らかにし、その責任を明らかにすべきなのだ。
民主党の混乱と危機に乗じて、細田・自民党国対委員長は、会期を延長してでも重要法案を通すと宣言した。「教育基本法」、「国民投票法」、「医療制度」、「防衛省」の反動4法案だ。細田はまた、小泉首相の任期中に増税の道をつけるべきだと発言した。
安倍・内閣官房長官は、「戦後60年の教育が金もうけの風潮を育て、国を愛する心を失わせた。だから教育基本法改正だ」と演説した。まるで戦後日本が自民党支配の資本主義体制であったことを忘れたかのようだ。「ホリエモン」たちの「拝金主義」を育てのは「戦後民主主義教育」であり、「日教組」の組合員たちだとでも言うのか。許しがたいスリカエが行われている。
「敵失」によって救われた小泉首相は、再び「政治の小泉劇場化」へ舵を取り、自民党総裁選に流し込もうとしている。小泉政治に終止符を打つ闘いが求められている。
●「民営化」に向かう郵政の現場から
(注)
郵政公社は「職員の配属先の決定」を次のように設定している。
@06年9月1日現在で担当している業務を、民営・分社化後も担当することを基本にして、配属先を決める。
A年内をメドに調整し、07年1月には「全職員」(38万人)の配属先を内定。
B07年3月まで異義申し立てが可能であるが、一方、民営・分社化に向けた職員研修を重ねる。
また、公社は、組織再編に向けて、郵便物の区分と集配業務の集約を進めようとしている。全国4705局のうち、1088局を統括センター、2651局を前送施設とし、966局の集配業務を近隣局に集約。集約される局は圧倒的に北海道、東北、中国に多く、東京支社管内は1局のみという。北海道新聞は新年早々、「大半が過疎地、サービス低下も/集配業務で地域間格差」と大きく報じた(1月3日)。
持ち株会社トップの西川善文(三井住友銀行前頭取)は事業拡大方針を相次いで打ち出し、「民業圧迫」「全国銀行協会時代から180度の転換」などと批判をよんでいる。4分社人事も、窓口会社に公社副総裁(トヨタ出身)をあてて以降、その他は予定より大幅に遅れている。西川のトップ就任は竹中大臣の人事であったが、この間の「対立」は利害関係のこじれではないかと憶測もとんでいる。他方、参議院選挙対策を強める自民党では、特定郵便局長会(「大樹」)との和解や、反乱議員の復党調整が進んでいる。
以下は、「民営化=私有化」に立ち向かう郵政現場からの仲間の報告です。
●郵政の現場から(郵政合同労組)
07年10月に「民営化」がスタートすることが決まって以来、郵政の職場では以前にも増して営業が求められている。郵便分野では「宅配業者との競争」が強調されている。
そのような中で、この間、特に当局が強調し、錦の御旗のごとくに職場を席巻している問題に、CSという名の精神運動のようなものがある。精神運動と言っても、(次面に)決して無形のものではない。様々な形をともなって、現場に現われてきているものだ。いま、私たちは、民営化に向けてこれから様々に起きるであろう問題の一つとして、これに対応していかなければならないと思っている。
CSとは「カスタマーズ・サティスファクション」、「お客様満足度」の事だと当局は言っている。当局のやり方は、郵政の3つの事業を「利用者に、いかに満足して利用してもらえるか」に最重点に置き、そのためならば、あらゆる事を犠牲にする、無視することだと言ってもよい。それは、たとえば、人権に関わる事でもだ。
その一つに、「利用者との接遇の巧拙」に関する認定制度がある。「一つ星」から「三つ星」まで分けられ、星が増えるごとに接遇が良い、上手だと当局が認定するのである。
郵便局の窓口業務や外務員のように、直接、利用者と接する業種の人は、「一つ星」は必須の最低条件であるが、これはほぼ全員に自動的に与えられる程度のものである。それ以上となると試験があり、「三つ星」となると面接や実技が加わるそうである。この「星」はバッヂ型のものだが、仕事中は常時携帯が義務づけられている。つまり、利用者からも常時、見られている事になる。
さらに、「一つ星にまでいっていない」と当局にみなされた労働者は、「星なし」というきわめて差別的な扱いを受ける。当然の事ながら、賃金にもこの違いは反映される。
これに加えて、今年初頭、もう一つの新たな施策が加わった。郵便の外務員に関するものだが、ハガキの裏面に外務員の顔写真と名前を印刷し、余白にいろんなアンケート項目がついている。自分はこの地域の配達を担当している誰それであるが、アンケートの各項目に答えて、投函してほしいと依頼するものだ。たとえば、次のような項目だ。
*ドア・チャイムの仕方はどうだったか。
*ドアを開ける前に、局名、氏名、訪問目的を伝えたか。
*あいさつや言葉づかいはどうだったか、等々。
これらは、外務員の一挙手一投足を住民に監視させる制度にほかならない。明らかに労働者の人権を侵害するものだ。しかし、このような施策はすべて、「CSを向上させる」ためのものであり、正当化されるというのが当局の言い分である。世間では個人情報の保護とかで、住所・氏名の漏洩がニュースになっているが、郵政の職員はその保護の対象外であるかのような現状だ。
「お客様の情報を守るため」と言って、ゴミ箱まで引っくり返して、ただ名前が書いてあるだけのメモ書きのような物を見つけ出して、それを捨てた職員を、まるで鬼の首でも獲ったかのようにして責め立て、始末書の提出を強制する。そんな郵政公社当局は、肝心の職員の個人情報に関してはどうなのか。バイクや車への名札着用を強制し、果てはアンケート用紙によって職員の個人情報を地域に積極的にもらすというありさまではないか。
日本で最初に、名札の着用に異議を唱えて裁判を闘った我々としては、人権やプライバシーについて無関心で過ごす事はできない。様々な問題が職場で、地域で起きていくことが予想される。「小泉構造改革」「郵政民営化」を許さず、反対の声をあげていこう!
郵政合同労働組合(2006年2月28日)
●リーフレット紹介
労働契約法制リーフレット(発行/全労協)
契約法制は必要。でもこんな契約法制はいらない。
(「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会報告」批判)
=内容=
*いま労働現場で起きていること。
*まず、労働基準法を守れ。
*激増する個別労使紛争!労働契約法制の必要性
−「研究会報告」の問題点−
*そもそも前提が間違っている。
@現実を直視していない
A非正規労働者の軽視、請負や業務委託の無視
B任意規定中心を主張、労働法的規制の一層の後退に
*使用者に有利な新制度
@使用者による労働条件の不利益変更
A個別的労働契約変更を強制する雇用継続型契約変更制度
B解雇の金銭解決(処理)制度
C試行有期雇用契約
Dホワイトカラーエグゼンプション(労働時間規制適用除外)
E労使委員会制度
*急増する非正規・有期雇用
*必要なのは安定した雇用と厳しい解雇規制
■以上

|