<本号の内容>
●沖縄平和行進からの報告(宮城合同労組)
●資料/5.15県民大会宣言

<注>
今年の沖縄平和行進は、結団式の当日、稲嶺沖縄県知事が防衛庁長官と基本確認(在沖縄米軍再編に係る基本確認書)を交わすという緊迫した状況のなかで行われた。平和行進と5・15県民大会は、この「確認」を厳しく批判した。
知事はこれまでの県の基本スタンスを堅持する、「政府案を容認したわけではない」と表明したが、政府は事実上このような解釈を否定している。そして実際、政府は30日、沖縄を無視する形で一方的に閣議決定に踏み切った。「沖縄に配慮」するために、普天間移設について地名や期限を削除したとされる。知事は「十分な協議が行われたとはいえず、極めて遺憾」との談話を発表した。このようなやりとりを前に、県民は政府と知事の双方に不信と怒りを強めている。
沖縄県民の多数意見は「県外、無条件変換」である。琉球新報などの世論調査(4月)では、8割が普天間飛行場の「県外、国外、即時無条件」の返還を求めている。名護市の受け入れ、日米政府による最終合意を受けた知事の姿勢の「転換」に対して、「不透明で納得できない」(沖縄タイムス社説/5月14日)など、知事発言を批判し、その真意を質す声が相次いでいる。
知事は3選不出馬の意向を伝えている。6月県議会で正式に態度を明らかにし、後継候補の当選をめざすといわれている。11月県知事選挙が大きな焦点になる。
日米政府による最終合意について、なぜ、どのような再編なのか、その内容についての論議は、経費負担問題を含めて、まったくといっていいほどなされていない。小泉首相の対応も担当部署への丸投げといっていい。首相の関心は日米首脳会談でブッシュ大統領との結盟関係を誇示することにあり、日米関係がどのように再編されるのかには興味がないかのようだ。このままでは日本はどこに行くのか。たとえば宮沢元首相は危機感をあらわにしてこのような首相の態度を批判しているが、小泉首相は意にかいさない素振りだ。
今年の平和行進は初めて、焦点の辺野古の浜から出発した(東コース)。沖縄タイムスは、「有刺鉄線の向こう側」での米兵の訓練、「上空には戦闘攻撃機や戦闘機が轟音をとどろかせている」光景を目のあたりにして、「本当にこのきれいな海を埋め立て基地を造るのか」「この環境をつぶそうとしていることが信じられない」、「ここが日本だとはとても思えない」という参加者の声を紹介し、次のように述べている。
「本土各地からの参加者は3日間で基地の実態を自分の目で確かめたはずだ。『基地の中にあるオキナワ』の状況をしっかり把握し、それを多くの人々に伝えてもらいたい」(5月15日/社説)
宮城合同労組は継続して平和行進に参加してきたが、今回南コースの行進に参加した組合員からの報告と県民大会宣言を掲載する。
●29回目の沖縄平和行進に参加して
(宮城合同労組・T)

5月11日、仙台を発ち、沖縄へ向かいました。イラクへの自衛隊派兵、日米軍事再編、憲法改悪の動きなど、小泉政権の最後の年に沖縄を訪れることはとても意義深いと思い、組合の皆さんの支援によって平和行進に参加することができました。
結団式の会場は、ちょうどその日に行われた知事と防衛庁長官の確認への怒り、糾弾の声に満ちていました。挨拶のなかでも、「これは沖縄県民に対する裏切りだ」という強い批判が相次ぎました。そういう状況で、参加者たちからは、翌日からの行進をがんばるぞという声が上がりました。
12日から行進が始まりました。東、西、南コースに宮古、八重山の5コースです。私は南コースに参加しました。スタート地点の那覇市役所には350人ほどが集まり、出発式を行いました。「平和な島を取り戻すために、沖縄の大地を踏みしめて行進してほしい」という挨拶が印象的でした。主なコースは、白梅の塔、ひめゆりの塔など、初日は21キロの行程でした。
行進2日目は摩文仁の平和記念公園を出発し、アブラチマガマなど沖縄戦史跡をめぐりました。最終日は米国総領事館や普天間基地前を通り、英語での抗議シュプレヒコール。3日間、約50キロを歩き通し、全国一般全国協議会の仲間たちなどとの交流も深めることができました。
14日午後3時、宜野湾公園での県民大会に合流。前段に地元バンドによるロックライブ、主催者や平和団体、政党などの挨拶、各コースの報告などが行われ、大会宣言を採択。最後はインターナショナルの大合唱で終わりました。県民大会には3500人が参加、平和行進には延べ7千人が参加したとのことでした。
●資料/憲法改悪・教育基本法改悪反対!
米軍再編・普天間基地の辺野古沿岸移設反対!
5.15平和とくらしを守る県民大会
<スローガン>
○米軍再編日米最終合意糾弾!
○普天間基地の辺野古沿岸移設反対!
○北部への基地の集中化反対!
○稲嶺知事の公約反故糾弾!
○政府によるさらなる差別施策の押し付け反対!
○全国の米軍基地の拡大・機能強化反対!
○米軍と自衛隊の一体化反対!
○憲法・教育基本法改悪反対!
○共謀罪をはじめとする戦争法案の制定反対!
<大会宣言>
復帰から34年。29回目を数える今年の5.15平和行進は、米軍再編でゆれる緊迫した状況の中での出発となった。
奇しくも、本土代表団1500人余の結団式が行われた5月11日、額賀防衛庁長官との会談に臨んだ稲嶺知事は「政府案を基本に」「建設計画を継続協議」していくとの基本確認書に合意した。米軍再編最大の当事者であった稲嶺沖縄県知事が政府に屈し、政府がいよいよアクセルを全開に踏み出す節目での5.15の出発となった。
「沿岸案反対」の選挙公約を反故にした島袋名護市長、「従来案以外なら県外へ」との県政公約を降ろした稲嶺知事。2人の公約違反は重大であり、許し難い県民への背信として後世にその名を刻むであろう。そして何より名護市政と稲嶺県政に圧力と懐柔を繰り返し、市民意思をずたずたにし県民の誇りを地に落とした政府の蛮行を私たちは許さない。
苦難と汚辱に満ちた今この時。私たちは政府への怒りを新たに3日間に及ぶ平和行進を歩み続けた。すでに真夏のような灼熱が照りつけ、時として豪雨に見舞われるなか力強い行進を続けこの大会場へと結集した。米軍再編反対、普天間基地の辺野古沿岸移設反対を訴え、そして小泉内閣によって進められる戦争策動、憲法改悪、教育基本法改悪、共謀罪制定反対を訴えて行進した。長丁場の苦しい行進を終えてたどり着いたこの大会場は、今ともに闘う連帯と熱気で包まれている。
今こそ、戦前戦後を通じて一貫して沖縄を食い物にし、また新たな差別施策を強要する日本政府を満身の怒りで糾弾しよう。そして、世界の単独覇権を目論み孤立化を深める米国ブッシュ政権に追随し再びわが国を戦争の業火に導かんとする小泉内閣の無謀を厳しく弾劾しよう。『反戦平和』『命ど宝』を地獄の沖縄戦から教訓として学んだ県民意思に根を張って、次なる県民総ぐるみの闘いを創りだして政府の無謀に抗していこう。
そして同時に沖縄と同様、米軍再編による新たな基地負担を強要され、大きな反対運動が沸上がっている東京横田、神奈川座間・厚木・横須賀、山口県岩国をはじめとする全国の仲間と連帯して全国規模の一大闘争を創りだしていこう。広範囲な国民の団結。政府が一番恐れるのはまさにそのことであり、またそのことによって政府の暴走を止めることができる。
それゆえに私たちは、今平和行進と県民大会の成功をともに確認して、全県各地そして全国から結集した仲間たちの総意で次のことを全国に呼びかける。
全国の仲間のみなさん、交流を深め団結しよう。
その力で、米軍再編による日米軍事同盟の一層の強化を阻止しよう。
憲法改悪、教育基本法改悪、共謀罪等ありとあらゆる戦争動員法案の成立を阻止しよう。
戦争国家へ仕立て上げようとする政府権力者の意図を挫こう。
(2006年5月14日)
■以上

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