<本号の内容>
◎4月に続いて、またも不当配転!
◎パンフレット紹介(NTT反リストラ裁判の焦点)
●NTT反リストラ裁判に勝利しよう!
6月のNTT側証人尋問に続き、いよいよ原告側が証人に立ち、リストラの正体を明
らかにします。宮城からも東京地裁にかけつけよう!
7月15日(11時、東京地裁710号法廷)
証人:電通労組・大内委員長
●またもや東京への不当配転(7月1日付)
電通労組宮城支部、抗議のストライキ!
NTT組織再編によって、電通労組の2名の仲間に対して、東京への広域異職種の不
当配転攻撃がかけられた。4月に続く見せしめ配転に対して、電通労組宮城支部は6
月30日、抗議のストライキで闘った。
NTTは一連の「構造改革」が矛盾をきたしてきたことにより、「ステップU」と称
する組織再編に踏み切った。各県のサービス系、設備系、共通系の3つの地域会社を
統合し、「ワンストップ・ショッピング」をうたい文句とした「総合会社」などを新
設したのであった。今回の不当配転はこの組織再編にともなう攻撃である。
この組織再編によって、これまでの法人営業係や企画業務など、支店業務のほとんど
がアウトソーシングされ、人員も大幅に縮小された。これは、ライフラインであるユ
ニバーサル業務、災害対策業務をはじめ、従来の支店業務と人員を取り上げ、まるご
と新会社へアウトソーシングするものである。ユニバーサル業務や安全対策部門の丸
投げといってよい。しかし、こうして新たに誕生した会社は、本社官僚機構と直結し
たわずかの部門をのぞいて、かつてのNTT宮城支店と同じものである。違うのは労
働条件のみだ。
電通労組は、このような組織いじりは「構造改革の破綻の結果」であると批判してき
た。「3つの地域会社を統合するのであれば、NTTと統合せよ」、「労働条件は元
の(NTT東日本の)条件に戻せ」と主張し、労働者にこれ以上の犠牲を押しつける
なと要求、交渉を重ねてきた。しかし、NTTはこれらの要求を拒否、ふたたび選択
を突きつけ、みせしめ・報復の不当配転に踏み切った。
不当配転を糾弾しよう!
電通労組首都圏支部と団結して、
NTT構造改革=リストラ攻撃をはねかえそう!
●資料/NTT反リストラ裁判パンフレットより
原告団の作成したパンフレットです。
原告9名のアピールや弁護団からの「本件訴訟の重要性」などが掲載されています。
ここでは、<裁判の争点>を抜粋します。
<NTT反リストラ裁判の争点>
1.「経営危機」は100%のデッチ上げ!金満企業の「黒字リストラ」!
2.「労働契約継承方法」を脱法!脅かしによる「本人同意」!
3.なぜ就業規則に書けないのか?「60歳以上定年法」脱法と中高年差別!
4.「見せしめ配転」とNTT版『人活センター』!
5.東亜ペイント最高裁判決の抜本的見直しを!
6.企業の「家庭生活配慮義務」の確立を!
1.リストラの必然性・・・
「経営危機」は100%のデッチ上げ!金満企業の「黒字リストラ」!
NTTは、固定電話をめぐる他事業者との競争、携帯電話への移行などにより、固
定電話収入が減少してきたことをリストラの必然性の根拠としています。直接的に
は、NTT東日本の14年度決算(03年3月)で、リストラ=退職・再雇用をやら
なければ、大幅赤字に転落するという「経営危機」が存在したとしています。
しかし、02年度が905億円のマイナス(NTTグループ連結税引前利益)に
なっているのは、海外投資の失敗(1兆4千億)とリストラ費用(6千7百億)の合
計2兆円の特別損失があったためで、これは100%経営者の責任です。とくに、収
入が固定電話から携帯電話へ移行したのは、従前からのNTTの経営方針であり、単
なるグループ内の利益の移動です。
会社は、グループ連結決算は「関係ない」とし、NTT東日本単独決算だけが問題
だと言います。しかし、東日本単独決算をもってしても、リストラの必然性は証明さ
れません。なぜなら、リストラ計画段階での会社の資産は、人件費削減予定(350
億)、計上利益予定(440億、14年度)であり、リストラをやらなくても90億
の経常利益が見込まれていたことになるからです。実際、14年度の実績でも経常利
益は633億であり、リストラをやらなくても283億の黒字だったことになりま
す。
さらに、東日本だけでも1兆4千億もの資本準備金が取り崩し可能であり、実際、
リストラ費用として1867億円が取り崩されています。このように、会社自身の数
字をもってしても、「経営危機」はどこからも証明されません。リストラは何らの必
然性もなく、リストラのためのリストラ、「黒字リストラ」であることが明白です。
NTTは、年々ウナギ上りに業績を増やし、トヨタを1、2位を争う金満企業とな
りました。世界でもキャッシュフローで03年は第2位、04年は第1位です。
2.リストラ手法の合理性・・・
「労働契約継承方法」を脱法!脅かしによる「本人同意」!
01年4月1日から、会社分割法と労働契約承継法(会社分割に伴う労働契約の承
継等に関する法律)が施行されました。そこでは、「会社の分割を理由とする一方的
な労働条件の不利益変更ができないこと」(00年5月参院付帯決議)、「承継され
た労働条件は、分割会社から設立会社等に包括的に承継されるため、その内容である
労働条件は、そのまま維持されるものであること」(承継法8条に基づく指針)と、
会社分割を理由とする労働条件の切り下げができないことを明確にしています。
あらゆる企業分割には、この法律が適用されるわけですが、NTTはこれらを知り
ながら、「法の網をかいくぐり」、15〜30%の賃下げを内容とするリストラ=
「構造改革」を、これに「応じなければ全国どこでも配転するぞ」と脅かすことに
よって、「本人同意」を「強制」し、リストラを進めてきました。これは、日本を代
表する巨大企業によってなされた、典型的な「脱法」行為です。
3.「50歳定年制」・・・
なぜ就業規則に書けないのか?「60歳以上定年法」脱法と中高年差別!
「60歳以上定年法」が制定され、「65歳」への移行が進められています。この
法律では、60歳未満の定年制を「無効」としています。NTTは、就業規則を書き
換えることなく、毎年出す「社長達」で50歳退職・再雇用を進めてきました。な
ぜ、堂々と就業規則を書き換えないのでしょうか。50歳退職・再雇用を就業規則に
明記した途端、「明白な違法行為」となるからです。ここでも「脱法」です。
4.首都圏配転の必然性・・・
「見せしめ配転」とNTT版『人活センター』!
原告ら、退職・再雇用を拒否した労働者は、拒否者ばかりの職場で、非効率極まり
ない飛び込み営業などをさせられています。会社は、「余人をもって代えがたい」人
材として全国から抜擢したのだと主張しています。しかし、職歴も専門も異なる「寄
せ集め集団」であり、営業など現在の職種に関してはまったくの「素人」です。業務
上の必要性などカケラほどもありません。これらの職場が、「報復・見せしめ」の目
的で作られたことは、NTTで働く人々の間ではいまや「常識」となっています。
会社は、「見せしめ配転」を正当化するのに必死です。「従前に従事していた業務
を継続したいのであれば、当該業務がアウトソーシングされる新会社に再雇用される
との選択肢をなぜ取らなかったのか、あまりに不可解であり、かつ矛盾している」な
どと会社は言っています。しかし、誰が「好んで」、賃下げを選択するでしょうか。
会社の主張は、居直り強盗の論理であり、盗人猛々しいというほかありません。
5.東亜ペイント最高裁判決の抜本的見直しを!
会社が唯一の拠り所としているのは、86年の「東亜ペイント最高裁判決」です。
この判決は、配転命令権濫用の基準を、@業務上の必要が存しない場合、A業務上の
必要が存しても「特段の事情」が存する場合、としています。「特段の事情」とは、
(a)不当な動機・目的をもってなされる場合、(b)労働者に対し「通常甘受すべ
き程度を著しく超える不利益」をあげています。判決は、母、妻、長女と別居・単身
赴任の不利益は、「転勤に伴い通常甘受すべき程度のもの」として、労働者の請求を
退けています。
NTTリストラ配転の場合、東亜ペイント事件との違いは、以下の点ではっきりし
ています。
(1)「業務上の必要性」はまったく存在しなかった。
(2)「報復・みせしめ」配転であり、「不当な動機・目的(a)」そのものであ
る。
(3)東亜ペイント判決は、大学卒営業社員の「ローテーション人事」に関するもの
であり、単身赴任による不利益の一方で、転勤にともなう「昇進・昇格」という利益
を受けることが前提となっている。NTTリストラ配転において、退職まで何年もな
い私たちは、「昇進・昇格」などまったく無縁であり、ただただ一方的に不利益のみ
を受けている。
さらに私たちはこの裁判で、「東亜ペイント最高裁判決」の抜本的見直しを求めて
います。なぜなら、東亜ぺイント判決は、<家庭生活を私事とし職業のためには犠牲
にしても当然とする企業優先の論理ないし思考>が前提になっているが、<しかし、
このような家庭生活に対する責任を私事として犠牲にすることを当然とする認識は、
現在では完全に内外において否定され>ているからです(<>は原告準備書面)。
国際人権規約A規約(79年)、女子差別撤廃条約(79年)、こども権利条約
(94年)、ILO156号条約(95年)、同165号勧告、さらに03年7月の
「育児介護休業法」では、その目的に「職業生活と家庭生活の両立」をかかげ、事業
主の「配慮義務」をうたっています。<単身赴任の実態は悲惨であり、すでに個人的
責任で解消すべきものではなく、公共の関心事項であり、回避すべき異常事態として
国家レベルでもその対応策を講じる必要が認められているのであって、こうした社会
的事実を無視した配転法理はもはや社会的価値規範とも合致せず、労働基準法1条の
「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすものでなけれ
ばならない」との原則にも反する>ものです。
6.企業の「家庭生活配慮義務」の確立を!
私たちは、「企業の家庭生活配慮義務」とも言うべきものを、今の時代の当然の権
利として、確立しなければならないと考えます。単身赴任や長距離通勤に泣いている
多くの労働者が「人たるに値する生活」を取り戻すために、この裁判に何としても勝
たねばならないと考えます。ネスレ・ジャパン、メレスグリオ、トナミ運輸、NTT
奥村過労死裁判など多くの裁判が、報復人事、配転による健康破壊、そして「企業の
家庭生活配慮義務」を認める判決を下しています。
この裁判の主役は、ひとり原告だけではありません。住まいは離れていても、原告
と気持ちを一つにして頑張っている家族がいます。『幸せは、家族とともに』、原告
と家族が、明るい笑顔を取り戻すその日のために闘っていく決意であります。
■以上。

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