NTT宮城県共闘ニュース/第22号(電子版)/2007年8月31日

小泉構造改革NO! NTTリストラに反対する宮城県共闘
仙台市青葉区北目町2-40-301宮城全労協気付
▼電通労組
http://WWW.dentu-rouso.or.jp/
▼宮城全労協
http://www.ne.jp/asahi/miyagi/zenroukyou/

<本号の内容>
●原告団長の報告と決意
●NTT東日本への申し入れ
●判決傍聴記(郵政合同労組)


7・25不当判決を糾弾する!

7月25日、東京地裁(民事第11部・佐村浩之裁判長)は不当判決を出しました。判決は、「NTT構造改革」を時代が要請する変化として積極的に評価しました。そのうえで、首都圏への配転を「柔軟かつ効率」的なものだと肯定し、しかも「合意の成立を前提とした転籍」だと強弁しています。さらに、その判断においては被告が主張していないことにまで踏み込んでNTTリストラを擁護するという反動判決でした。

原告団ならびに電通労組は、「この判決は労働者として絶対認めることはできない」と怒りを表明し、さらなる闘いを宣言しました。原告団は控訴審を準備中であり、その詳細は次号以降にて紹介していきます。

以下は横沢原告団長の報告と決意、判決直後のNTT東日本への申し入れ書です。また、判決には宮城全労協もかけつけましたが、その中から郵政合同労組の仲間の傍聴記を掲載します。


●不当判決を弾劾する!

NTT反リストラ裁判原告団長 横澤仁志

<この怒り、この悔しさを控訴審での闘いへ!>


07年7月25日、判決が出された。

判決主文
1.原告らの請求をいずれも棄却する。
2.訴訟費用は原告らの負担とする。

原告全面敗訴の判決であった。私たちは03年10月提訴以来、3年9か月にわたり、法廷でNTTの嘘とゴマカシを余すところなく徹底的に暴露してきた。今や、「NTT構造改革」=50歳退職・再雇用を拒否した私たちに対する広域配転を、「見せしめ配転」だと疑わないものは誰一人としていない。「見せしめ配転」は今日当たり前の「事実」としてあるにもかかわらず、東京地裁民事第11部・佐村浩之裁判長は、この「事実」に目をつぶり、NTTの嘘とゴマカシに加担したのである。

公正中立の法衣を纏った権威は、巨大企業の番犬に過ぎなかったのである。偽善者は断罪されなければならない。私たちは、この悪質極まる不当判決を満腔の怒りをもって弾劾するとともに、断固として控訴審闘争に立ちあがることを宣言する。


判決は言う。「被告就業規則60条のような配置換えに関する定めは、・・・我が国の経済の進展及び産業構造の変化等に即して、社員の配置を柔軟かつ効率的に行うことを想定したものと解される」などと。事実を検証する以前から『配転は当然』との考えを前提として判決を書いているのである。

退職・再雇用による15〜30%の賃下げについても「労働者の合意を媒介とする個別的な労働条件の変更であるから」労働条件の一方的不利益変更ではないとする。労働契約継承法や高齢者雇用安定法などに対する潜脱(*註)であるとする原告主張についても、「合意の成立を前提とした転籍」であるから「採用できない」とした。すべて「合意」があったからよしとする。だが、脅しで強要されたものが果たして「合意」と呼べるのか。「合意」を強制したものが「配転の脅し」であり、まさに原告らへの「見せしめ配転」に他ならなかったことを意図的に欠落させているのである。黒を白を言いくるめるやり方である。(*法的に禁止されている手段以外の手段によって、法の規制を免れること)

「企業の家庭生活配慮義務」をうたったILO第156号条約も「本件命令の効力を左右するものではない」と否定する。国際的な趨勢にも背を向けて、判決はただただ偏狭な企業第一主義のイデオロギーに固執するのである。


佐村裁判長は、証人尋問中、不謹慎にも居眠りを繰り返した。原告らの必死の証言に誠実に耳を傾けなかった。原告らの切実な訴えを寝ぼけ眼でろくに聞いてもいなかったくせに、原告らの配転によって受けた不利益について「通常甘受すべき程度を超えるものではない」などと、いけしゃあしゃあと書いているのである。そのような不誠実極まる態度で書かれたものは、当然のことながら重大な事実誤認が数多く存在する。

リストラの必要性についての記述の核心では、「平成13年度(東日本単独決算)・・・当期損益も1867億円の損失を計上するなど、その財務状況は急激に悪化した」(p33)などともっともらしくリストラの正当化を演出している。だが、その真相は、特別損失に計上された「事業構造改革費用」2849億円、すなわち『リストラ費用』に他ならないのである。つまり、『リストラ費用』の支出をもってリストラの必然性を証明しようという支離滅裂な論法なのである。リストラの開始された03年度決算で633億円の経常利益を上げたこと、リストラによる人件費削減額は会社側証言によっても350億円、差し引き283億円の黒字であり、そもそもリストラはまったく必要なかったことについては意図的に触れられていない。

判決は、上記をもって「事実の認定」などとしているが、証人尋問で展開された争点のすり替えであり、まさに虚構の捏造である。会社側鳥越証言等で明らかになったことは、リストラ=「構造改革」の企画者はNTT持株会社であり、西日本も含めたグループ全体のリストラであったこと、東日本はその下請けに過ぎないことであった。問題とすべきNTTグループの連結決算では、世界で1、2を争う金満企業の「黒字リストラ」に他ならなかった。


家族との別離を強要された単身赴任の仲間たちは、歯を食いしばり耐えている。不当配転への怒りはこれまでを倍する勢いで燃え盛っている。判決後、原告と傍聴者はNTT東日本へ、不当判決などものともせず、断固たる申し入れ行動を展開した。ここに新たな闘いが始まったのである。

この怒り、この悔しさを控訴審へ!


●東日本電信電話株式会社への申し入れ書
(2007年7月25日)


NTTリストラ反対!不当配転の取消しを求める裁判原告団
電気通信産業労働組合首都圏支部

本日、東京地方裁判所民事11部は、不当にも貴社が2003年4月に行った「構造改革」による配転を是認する判決を下した。本日の判決は断じて認められるものではない。私たちは全面勝利を目指してより一層の闘いを作り上げていく覚悟である。

貴社が2002年5月から行っている「構造改革」は、大幅な賃金と労働条件の切り下げを前提として、50歳でNTTからの退職を強要し、新たに急造した地域子会社への再雇用を促すものであった。2003年4月からの広域・異職種配転は、業務上の必要性などまったくなく、退職に応じなかった労働者に対する「報復」であり、「見せしめ」を意図したものであった。不当配転により労働者とその家族は「ともに暮らす権利」を奪われ、慣れない仕事や長距離通勤で日々ストレスを強いられ、単身生活の長期化により労働者の健康がおびやかされてきている。

 本日の判決は「構造改革」によるこうした事実に目をつむり、会社主張のみを認定する不法、不当なものである。私たちはこの判決に屈することなく、全面解決まで闘う。

 あらためて貴社に下記の項目について要求する。7月31日までに文書をもって回答されたい。


1.全国に不当配転した労働者全員を直ちに地元に戻すこと
2.50歳退職・再雇用制度を撤廃すること
3.「構造改革」=NTT11万人リストラを中止すること

(以上)


●判決を傍聴して/怒りと連帯を共有した一日

郵政合同労組 石巻支部(S)


7月25日、仙台から電通労組や鉄産労の仲間たちと新幹線に乗った。東京に着いて、みんなで東京地裁710号法廷へ向かった。午後1時15分、判決公判が始まった。

開廷を告げる声とともに、裁判長が判決文を読み上げた。退廷するまで10秒もあっただろうか。あっという間のことであり、そして、その内容は「原告の訴えを棄却する」という不当なものだった。あまりにも短い判決だっただけに、原告も支援者も「不当判決だ!」と声をあげるタイミングを失してしまうほどだった。

<NTT社員として、従来通り働きつづける>。そのように応じただけで、職場と現住所から引き離され、首都圏で今までした事もないような仕事をさせられるという仕打ちを、裁判所はどのように判断するのか。原告の主張に少しでも耳を傾けてくれる判決が出るのかと、いくばくかの期待をもって法廷に入った。しかし、この裁判長は、真っ向から対決し、原告主張を全面的に否定したのだった。怒りがこみあげた。

法廷から日比谷公園に場を移して、原告団と支援の仲間たちは決意や感想を語りあった。原告たちは口々に「不当判決に屈することなく闘い続ける」と述べ、支援の仲間たちも「ともに闘おう」と応じた。一同はNTT東日本の本社に向かった。

NTT東日本には5人の代表団を送り込み、11万人リストラの中止と撤回など3つの要求を会社側に突きつけた。代表団の申し入れに呼応して、本社前ではアピール行動を展開した。

その後、交流会が開催されたが、おおいに盛り上がったことは言うまでもない。怒りと連帯の共有を強く感じる一日だった。

■以上