| 以下の文章は全国一般全国協の2001年春闘討論資料素案として執筆したものである。 宮城合同 遠藤一郎 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| T 2001年春闘を取りまく情勢 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1. 新自由主義の矛盾の拡大 @ 社会的規制力の解体 世界規模の企業再編寡占化 規制緩和、民営化、競争こそ活力、強いものが生き残る、強者が正義という新自由主義路線は イ国際諸機関 (国連、 IMF、 世界銀行、 WTOなど) の露骨な強者の代弁者化 ロ資本に対する最大の規制力=労働組合の弱体化 ハ労働者保護規制、 労働法制・ILO諸条約の無力化 ニ独禁法改悪、 持ち株会社解禁、 産業再生法、 民事再生法、 会社分割法制定等の企業行動規制の撤廃 という社会的規制力の解体を進行させてきた。 そして石油、 自動車、 情報通信、 電気、 金融をはじめとする、 国境を超えた企業の再編・統合、 寡占化が急速に進行し、 金融資本の最大利潤追求行動が世界を飛び回っている。 A 格差の急激な拡大 その結果 「世界化が最も進んだ90年代の世界が、 より一層豊かになった少数の国家とより一層貧しくなった多数の国家に分けられただけでなく、 豊かになった少数の国家の中においても、 よりいっそう豊かになった少数の特権階級とより一層貧しくなった多数の労働者、 民衆に両極化している」 (1999年、 2000年国連開発計画、 人間開発報告書) という状況を作り出してきた。 B ますます深刻化するカジノ経済 成長から誰が利益を得るのか−利益を得る者が社会の真ん中より下に行けば、 比較的低所得層の人々は現金の大部分を消費に使うため、 需要は上向く。 逆に利益を得る者が社会的階層の上の方に行けば、 その人々は多大な金額を財やサービスより金融市場に注ぎ込む。 (ルガノ秘密報告、 グローバル市場経済生き残り戦略) このような事態がより一層急激なカジノ経済化をすすめている。 C 軍事的支配の強化 より一層の貧困に追いやられる多数の国々、 労働者民衆の反攻と対抗し、 資本の利害防衛のための軍事的支配配強化路線が必要となる。 それは、 朝鮮半島の緊張緩和にもかかわらず強化される日米安保、 新ガイドライン、 沖縄基地の再編強化・永久化に示され、 日の丸君が代の国旗国家法、 盗聴法など国家管理体制の強化として進められている。 2. 史上最大の国債残高−浮揚しない日本経済 @ 再び景気動向指数が50%割れ 「後世、 最も借金した大蔵大臣と言われるだろう」 (宮沢大蔵大臣発言) などと開き直って政府は赤字国債を発行しつづけている。 公共事業による景気回復は有効でないことがはっきりしながら、 経済社会の根本的建て直しを構想できない政府は、 財政破綻の道を突き進んでいる。 2000年半ばに景気回復を宣言したが、 2000年末には、 ふたたび景気動向指数が50%割れし、 先行き不安が拡大している。 A 2001年初頭から円安、 株価下落 2001年年明けそうそう急速な円安が進行し、 株価は下落がつづき、 バブル崩壊後最安値を記録するまでにいたっている。 政府は、 自社株買いを認めたり、 年金や保険などの政府資金での直接株式投資運用を行うなどなりふりかまわぬ株価下支えをこころみようとしているが、 効果は上がらないだろう。 日経連は株価下落を賃上げ抑制の理由に使おうとしている。 3. 倒産、 失業、 止まないリストラ攻撃 @ 史上最悪を更新する倒産 99年に減少したかにみえた倒産は、 2000年で19,071件、 負債総額24兆円を超え、 再び増加し、 負債額は史上最悪を記録した。 A 320万人の失業者、 常態化 失業も2000年3月の4.9%をピークに4.6%まで減少していたが、 11月には再び増加し4.7%を記録した。 失業期間の長期化もめだっている。 「失業のない世界でまれな日本資本主義」 といわれ2%台の失業率で推移していたのは、 夢の話しで、 今や320万〜350万の失業者が常態化する社会になっている。 B 悪用される民事再生法 リストラ攻撃 破産を安易に認める裁判所 本来中小企業の企業再建を迅速に進めるために制定された民事再生法は、 2000年4月に施行されて以降すでに4000件を超える申請があり、 そごうなど大手もこれを悪用、 不採算部門の切り捨て、 リストラに使われている。 さらに、 企業の破産手続について、 申請されたあくる日に宣告が裁判所から出るという、 労働者、 労働組合が異議申立てを行う機会を奪ってしまうような動きが増えている。 4. 悪化する労働条件 @ 年収ダウンに歯止めかからず 格差拡大 ベア凍結、 定昇削減、 一時金大幅ダウンがつづき、 労働者の年収は前年比0.2%減と3年連続下がっている。 A 医療保険改悪、 介護保険負担 老人医療費負担増の社会保険改悪が強行された。 低所得者にとって負担のある介護サービスは求められないため、 従来よりサービスの質が低下していながら、 保険料負担 がのしかかっている。 年金改悪と定年者の失業給付の切り下げは、 中小企業高齢者の生活を直撃している。 社会保険、 厚生年金からの違法な脱退企業が相次ぎ社会の底辺から、 セーフティネットが崩壊し始めている。 5. 解雇自由判決などの司法反動化 さらなる労働分野の規制緩和攻撃 @ 整理解雇4要件、 解雇権濫用制限の法理の放棄 東京地裁が先頭になり 「解雇は原則自由」 とか 「整理解雇4要件は必ずしも全部満たさなくてもよい」 との従来の判例法理をなしくずしにする判決が相次いでいる。 A 派遣法、 基準法のさらなる規制撤廃 製造業への派遣の導入、 すべての派遣の期限3年化、 有期雇用上限3年を5年に、 などさらなる労働分野の規制緩和攻撃が出されている。 B 個別労資紛争処理システムの制度化 個別労資紛争を行政的に処理する制度を厚生労働省は今国会でつくろうとしている。 地域合同労組を中心にした相談活動や、 個人争議をこの制度化の中に位置付けさせることが必要だ。 この動きの中で企業の壁をこえた合同労組の実質的交渉権制限などがはじまり、 労組法改悪へとつながる危険があるので充分警戒が必要だ。 6. 連合要求自粛、 日経連ベア否定、 成果主義を主張 @ 1%要求、 2年連続史上最低の要求 連合は1月10日拡大戦術会議を開催、 ベア1%要求を決めた。 これは、 2年連続春闘史上最低要求だ。 景気低迷のなか、 唯一好調な情報通信産業のトップでありながらNTTグループの労組はベア要求をせず、 能力成果賃金を組合から提案したり、 会社提案のリストラ、 希望退職者募集定員をさらに増やすよう要求するなど、 労働組合の役割を放棄している。 中心的組合の闘争放棄を厳しく批判していかなければならない。 A ベア否定、 横並びで決める時代は20世紀で終わり? 日経連は、 1月12日、 臨時総会を開催、 労働問題研究委員会報告を発表した。 「一律賃上げ交渉は意味がない」 「賃金はすでに世界のトップにある」 「これ以上の賃金引き上げは困難」 「横並びで決める時代は20世紀で終わり」 と主張。 ベア否定の方針を打ち出そうとしている。 さらに、 株価下落、 円安動向を理由に、 先行き危機を強調している。 B 個別労働者を成果で処遇、 トラブル処理を労使協議で 賃金制度をより一層仕事の成果 (結果) で評価、 労働者個別に決定する方向をより一層推し進めようとしている。 その際起きる労使トラブルを防止することが労使協議の役割として、 労働組合との一括労働条件交渉を否定する意向を示している。 7. 公務員労働者の大リストラを準備する労働三権の付与 政府自民党は、 公務員にスト権など労働三権を付与、 その代わりに従来の身分保障の廃止を検討する意向を打ち出した。 これは、 公務員労働者の大リストラを準備するものであり、 重大な注意をはらわなければならない。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| U 闘いの柱と具体的取り組み | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1. 生活防衛の賃上げ、 仕事の分かちあいで雇用拡大、 男女共通の時間外規制を! @ 生活防衛の大幅賃上げ (イ)賃上げは中小労働者にとって最大の要求 ここ数年の賃金抑制、 ベアゼロ攻撃、 一時金大幅切り下げで、 中小労働者の年収減が続いている。 それでも雇用が保障されればとがまんしてきたが、 それも限界にきて、 今年のアンケートでも明らかなとおり、 再び賃上げ要求が最大の課題になってきている。 (ロ)拡大する格差、 中小・下請け・非正規労働者の労働条件底上げを闘おう 春闘の社会的波及力が失われる中で、 中小・下請け・非正規雇用労働者の労働条件は急速に悪化し、 下層の大きくふくれた砂時計型労働者構成が進んでいる。 中小・下請け・非正規雇用労働者の要求を大胆にかかげ、 底上げを闘いとろう。 (ハ)どこでも、 だれでも2万円の賃上げを! 全国一般全国協は、 今年の統一要求基準を 「どこでも、 だれでも2万円の賃上げを」 とすることとした。 パートでも、 派遣でも、 下請けでも格差是正分と税や公的負担で取られた分と取り戻すために最低でもこれだけは要求していきたい、 という基準として提起する。 これをもとに職場で組合員の本音を引き出し、
(ニ)能力主義、 成果主義評価との闘い 能力主義から成果 (結果) 評価へとすすみ、 年俸制とリンクした賃金制度の改悪が、 中小労働者にもおそいかかりはじめている。 労働者を競争に追い込み分断し、 団結を破壊していくこれらの攻撃との対決が必要となっている。 (別項で賃金闘争の我々の視点を提起している。 この問題提起を職場で討論し、 方針化していこう) (ホ)未組織労働者・下請け労働者・非正規雇用労働者と連帯して闘える賃金要求を! 連合はパート時給10円アップをすべての組合で要求することを提起している。 NTTや電機など企業一体となった組合で、 この要求が生かされるとは考えられない。 しかし、 われわれ自身連帯春闘で提起してきたように、 職場・地域で未組織・下請け・非正規労働者とともに闘える春闘にしなければならない。 A サービス残業、 時間外をやめ時短で雇用拡大を! 5%時短で215万人雇用増という社会経済生産性本部の計算が発表された。
こんなおかしい状況に切りこみ、 サービス残業や残業をやめ、 仕事を分かちあい、 人間らしい働き方を実現しよう。 B 男女共通の時間外規制を! リストラが進む一方で、 所定内労働時間も増え、 時間外労働時間も増えはじめている。 男女雇用機会均等法にともなう労基法改定で、 女性労働者に対する時間外、 休日、 深夜労働の規制が取り払われた。 激変緩和措置が当面あるが、 男女共通の時間外労働規制強化に取り組んでいかなければならない。 2. 反失業・反リストラ・非正規雇用労働者の権利確立を闘いとろう! @ 労働分野の規制緩和、 企業法制の改悪の4年間、 その全体像をつかみ反撃を! (イ)「人間と社会が破壊される」 状況に総反撃を! (a)雇用の流動化、 時間管理の柔軟化を目指した労働分野の規制緩和=労働法制の改悪、(b) リストラ促進・企業再編のための企業法制の整備、 新設、 (c)社会保障、 年金、 雇用保険の改悪による福祉の切り捨て、 が97年から2000年の4年間で急速に進められ、 ワンサイクル完了したかに見える。 しかし、 その結果は、 @日本経済の引き続く停滞と大企業のみ急速な収益回復 A大失業時代、 雇用の不安定化 B貧富の差の拡大 格差拡大 労働条件の切り下げ C安全と健康そして命の軽視 D社会的連帯の崩壊 福祉切り捨て などであり、 一言で言えば 「人間と社会が破壊される」 状況を作り出したに過ぎない。 この4年間を総括し、 政府・資本の攻撃を再度つかみ直し、 反撃の全体像を作り上げることが必要だ。 この間の敵の攻撃に対し、 これに抵抗・反撃する多くの闘いが始められている。 この闘いの経験を一同に会し、 突合せ、 共同の反撃=労働者の立ち向かう方向を掴み取る事が必要になっている。 (ロ)4つの領域から反撃を! (a)リストラ―労働条件引き下げとの闘い 労働法改悪に引き続く企業法制の改悪により、 整理解雇の4要件の形骸化、 就業規則不利益変更の横行など、 雇用と労 働条件をめぐる経営の一方的攻撃が加速している。 倒産の増加による首切り、 生活・権利破壊の深刻化が進んでいる。 賃上げ・労働条件改善の闘いと一体になった、 職場からの反リストラの闘いを作り出そう。 (b)労働時間規制の闘い 労基法の改悪は労働時間規制の基盤を崩壊させるものだった。 裁量労働制の緩和は直接にその形態を取らない場合でも、 賃金の成果・業績給の一挙的拡大や年俸制有期契約の導入など労働者の間に格差と分断をもたらしている。 サービス残業追放、 時間外規制の闘いに取り組み、 労働時間を基礎とする賃金要求を追求していこう。 (c)失業と雇用確保の闘い 雇用創出の新産業分野への転換に失敗し、 失業の慢性的高水準が続いている。 雇用保険の改悪による中高年失業者への生活破壊は深刻だ。 失業への社会的セーフテイーネットの強化と共に雇用創出の闘いに取り組む。 (d)「非正規」 雇用労働者の権利確立の闘い 「非正規」 雇用労働者が増大し、 未組織労働者無権利状態が拡大している。 労働保険、 社会保険未加入・脱退企業の増大など最低限のセーフテイーネットさえ無視されている。 「非正規」 雇用労働者の権利について、 均等待遇と雇用確保を焦点に取り組む。 (ハ) 全国シンポジウムの取り組み 闘いの経験を一堂に会し、 21世紀に立ち向かう陣形作りのため、 従来の組織、 共闘機関にとらわれず、 大きく呼びかけ、 シンポジウムを開催する。 A 反失業、 反リストラ、 非正規雇用労働者の権利確立を 2001年全国キャンペーン (イ) 全国シンポジュームの成果を生かしながら、 共同の要求・政策課題を絞り込み、 それを掲げ全国キャンペーンに取り組む (ロ)要求・政策課題の方向性 <対政府、 厚生労働省> イ. 解雇制限法制定要求 ロ. 雇用保険改正要求 ハ. 労働・社会保険の完全加入、 脱退企業への指導要求 ニ. 個別労資紛争処理システムへの地域合同労組、 ユニオン関与要求 <対労基署・労働局> イ. 労働時間管理の徹底申し入れ <各級議会要請> イ. ILO158号、 175号条約等批准決議の請願 <共同キャンペーン> イ. 「非正規」 雇用労働者組織化共同キャンペーン ロ. 新たな仕事よこせ運動、 仕事起し運動キャンペーン ハ. 各争議勝利相互支援 共同署名、 申し入れ、 檄布交換 (ハ)全国キャンペーンと中央統一行動 4月上旬に反失業・反リストラ・非正規雇用労働者の権利確立を中心課題に全国キャンペーンを取り組む。 東海道リレー行動を成功させ、 4月12日中央集会、 国会請願行動に取り組む。 3. すべての争議に勝利しよう! @ 組合つぶしを許さない闘いに勝利しよう 介護大手のコムスンで結成された全国一般全国協コムスン労働組合は、 御用組合による組合切り崩し、 不当解雇, 配転、、 暴力事件のデッチ上げという会社の組合つぶし攻撃と敢然と闘っている。 由倉工業労組では、 組合差別、 団交拒否、 年休不承認よる賃金カット攻撃と闘い、 中労委・地労委で闘いぬいている。 組合書記次長への不当な襲撃にも負けず、 若い労働者が中心に、 労働者の基本的権利を勝ち取るべく闘い抜いている全統一光輪モータース分会の闘いを始め多くの争議が闘われている。 闘い無くして勝利なしの立場で2001年春闘の中心に争議勝利を位置づけ闘いぬこう。 A 「非正規」 雇用労働者の雇用継続を求める闘いに勝利しよう! 実質的期限の定めのない雇用を 「有期」 雇用と偽装し 「雇い止め」や 「労働条件の大幅切り下げによる更新」 などによって首を切る攻撃に対し、 東京外語、 カンタス航空の組合が闘っている。 この闘いに勝利することが「非正規」雇用労働者の雇用保障を確立していく第一歩と位置づけ、 裁判と現場での闘いを組み合わせ全力で取り組もう。 B 国家的不当労働行為を許さず、 国鉄闘争に勝利を! 1047名の不当な首切りを許さない闘いはすでに13年にわたって闘われている。 分割民営化に名を借りた国労つぶしの国家的不当労働行為であったことはすでに明白である。 闘争団を先頭とするこの間の闘いの成果を基礎に、 国とJRの責任で全面一括解決を闘いとっていこう。 4. 組織化に全力を! @ 春闘期間中こそ組織化のチャンス プラス面での関心のみならず、 大企業を中心とした労働者への反発というマイナスの関心も含めてだが、 未組織労働者も春闘の動向に関心を持つ。 この労働組合への関心は組織化のチャンスだ。 大胆に未組織労働者に働きかけ、 組織化に取り組もう。 A 全国一斉労働相談に取り組もう 多くの中小労働組合、 全労協と協力し、 組織化のチャンスを生かすとために、 全国一斉労働相談に取り組む。 B 非正規雇用労働者の全国組織化キャンペーンに取り組む 反失業・反リストラ・非正規雇用労働者の権利確立全国キャンペーン運動の柱の一つに、 「非正規」雇用労働者の組織化キャンペーンをすえて、 のぼり旗やチラシなど宣伝資材を作成して取り組む。 5. 日韓投資協定反対! アジア労働者・全世界の労働者と連帯して闘う @ 日韓投資協定締結を韓国民衆と共に阻止しよう! 日韓両政府の間でいま日韓投資協定の締結が準備されている. その内容は、 98年世界の広範な民衆の反対で頓挫した多国間投資協定 (MAI) =多国籍企業のための権利憲章=と酷似しているだけでなく、 それに加えて 「労働問題の解決には真摯に対応する」 とする条項が日本政府案として提案されており、 韓国労働運動に対するあからさまな弾圧を準備するものとなっている。 韓国民主労総が中心になって 「投資協定・WTO反対国民行動」 を結成、 全力をあげて締結阻止を闘い取ろうとしている。 日本では、 我々も参加し、 「日韓投資協定NO!緊急キャンペーン」 を結成, 学習会から始めて、 取り組みを積み上げてきた。 日韓労働者連帯の力で、 締結阻止を闘い取ろう。 A 新自由主義路線、 グローバリズムと対決する闘いに取り組もう 昨年、 沖縄サミット時に開催されたジュビリー2000沖縄国際会議に中小労組政策ネットワーク代表団を派遣、 国際的に進められている反グローバリズムの闘いの一端に触れた。 超債務極貧国への債務帳消しを求める運動、 国際為替取引きに課税しそれを低開発国支援に振り向ける運動を始め、 反WTO諸運動勢力、 IMFの経済調整プログラム強制に反対する運動など様々な闘いが全世界で始まっている。 日韓連帯共同行動を入り口に、 これらの反グローバリズムの闘いと結合して国際的連帯を追及していく。 6. 中小労働者の声を政治の場に! 憲法改悪NO! 参院選勝利を! @ 自公保政権の戦争策動を許すな! 現代は、 戦争と反動、 重税の時代である。 世界の資本主義国では、 過剰生産が続き、 長期不況に見舞われている。 この中で、 欧米・日本など各国の資本は、 国際競争の勝ち組になる事と、 侵略戦争で生き延びようというのだ。 この4, 5年、 自自公・自公保政権は戦争への道を邁進してきた。 新ガイドライン関連法や日の丸・君が代法案など、 実態的な戦争体制作りが進んでいる。 日本軍−自衛隊は世界有数の軍隊となり、 海外派兵は常態化し、 後方支援という形で戦争参加の道が開かれた。 あとは 「集団的自衛権」 =日米同盟軍作りと前線への日本軍派遣、 国家総動員体制と法整備である。 それが、 改憲策動であり有事立法の国会上程である。 有事立法は自衛隊に関するものと、 米軍に関するものの2つがある。 憲法調査会では、 9条改憲が前提で論議が進められている。 仕上げは徴兵制である。 その第一歩が、 強制的な奉仕活動 (小中は2週間、 高校は1カ月、 青年は1年が目処) を含む教育改革関連法案に他ならない。 A 社会福祉の改悪、 生活破壊を許さないぞ! 自公保政権は、 名護ヘリ基地建設において使用期限問題を不問に付し、 軍民共用空港を打ち上げている。 自衛隊の装備も転換している。 冷戦時の装備から朝鮮ー中国侵略の為の装備への転換である。 「おおすみ」 など4隻の揚陸艦の建設、 空中給油機の設置、 山間部を移動する小型戦車の開発などがその表れだ。 また、 JCO事故で原発政策が破綻したにもかかわらず、 核武装を狙っている。 核爆弾の材料であるプルトニウムを確保する為に、 原発特措法を制定し六カ所村に再処理工場を受け入れさせた。 更に、 もんじゅ再開の決定も行った。 戦後補償では、 鹿島花岡事件で和解が勝ち取られた。 しかし、 その内容は、 国家と企業の戦争責任は不問にして、 民間企業に金を出させるというものである。 戦後補償裁判 (軍隊慰安婦など) でも棄却判決が相次いだ。 あくまで、 国家の戦争責任の明確化と戦後補償は拒否しているのだ。 社会福祉の改悪と、 自己負担の増加も進められた。 定額制から1割の定率制負担へ変わった老人医療、 2割負担という健康保険、 介護保健の導入等である。 更に、 消費税を全て内税に変えた上で、 10%へのアップを狙っている。 重税で軍事予算を確保しようというのだ。 少年法改悪や、 交通事故の罰則強化は、 労働者の闘いを押しつぶすための刑法−刑事訴訟法改悪の布石にほかならない。 B 有事立法−改憲−教育基本法改悪に反対しよう! 欧米や第三世界で、 グローバリゼーションに反対する闘いが行われている。 数万人の労働者、 学生が、 世界銀行−IMFの構造調整、 閉鎖や解雇、 雇用の流動化、 賃金低下に反対してデモを行っている。 しかし、 日本では労働者の大衆闘争が広がっているわけではない。 昨秋、 大阪では、 戦争と規制緩和に反対する闘争が行われたが、 東京では、 大きな反戦平和闘争は行われなかった。 官公労の労組も、 行革−民営化、 労働条件悪化の中でなかなか外に出れない。 しかし、 沖縄では、 基地の県内移設に反対する闘いが続き、 各地の市民運動も活発である。 国立の教職員と市民は、 一緒になって日の丸・君が代反対闘争を行っている。 9月3日、 銀座に攻撃ヘリを飛ばし、 装甲車を繰り出した石原都知事に対し、 日比谷など各地の公園、 駅のホームで反対闘争が行われた。 戦後補償では、 軍隊慰安婦や米軍捕虜などが、 時効を理由にしないアメリカで裁判を起こしている。 今や自民党単独では支配しえない。 国会は総保守化して久しい。 保守化した野党を条件にして、 臨時国会では臨時船舶検査法、 健康保険改悪などが進められた。 自由党も改憲論議・草案作りを行い、 民主党も、 緊急事態法、 PKO時の武器使用の緩和、 集団的自衛権を認める憲法改悪を打ち出し、 戦争と反動の先鋒を努める始末だ。 共産党も階級政党から国民政党へ転換を掲げ、 自衛隊の活用を認めた。 今や自公保政権も野党も、 どちらがより反動的に戦争を行えるか競っている様である。 だからこそ、 「有権者」 はどの政党も同じ穴のムジナだと言うことに気づきつつある。 長野知事選や東京の区議選では、 既成政党全体に反対する無党派候補が当選した。 自民党の内紛では、 加藤のホームページに100万通のアクセスがあったと言われている。 労働者個々人は、 自公保政権に不満を持っている。 森政権の支持率は、 10%台だ。 失業と倒産、 社会福祉の削減、 増税に対する不満は渦巻いている。 長期不況と生活破壊に対する不安と不満は、 侵略戦争と排外主義に組織されてしまうのか、 それとも国際連帯と労働者の社会を目指す闘争の広がりとなるのか。 その岐路に立っている時、 心となるべき組織された労働者の闘いが遅れているのである。 C 大衆的な反戦平和闘争をつくり出そう! 規制緩和、 グローバリゼーションに反対する闘いだけでなく、 反戦平和闘争でも中小労働運動が先頭に立つことが要求されている。 取り分け、 今年は、 有事立法−改憲−教育基本法改悪に反対せねばならない。 私達全国協に結集する仲間は、 第1に、 各地の拠点となり、 ナショナルセンターを越えて民間・官公労の仲間や、 地区労・市民団体の仲間に呼びかけ、 反戦平和共闘を作りだそう。 第2に、 今春闘では、 規制緩和と闘い、 倒産・失業と闘う全国キャラバンと、 反戦平和闘争を結合して闘おう。 全国キャラバンの集会−デモでは、 有事立法−改憲−教育基本法反対のスローガンも掲げよう。 第3に、 5月から6月、 更に秋には、 東京や大阪を中心に全国各地で大きな反戦平和集会−デモを組織しよう。 取り分け、 反戦平和闘争を国際連帯で闘おう。 アジア共同行動など、アジアの労働者と連帯して、日米の侵略戦争準備に反対する闘争に立ち上がろう。 第4に、 海上ヘリ基地に反対する沖縄の闘い、 国家の戦争責任を明確化し戦後補償を実施させる闘い、 社会福祉の改悪と自己負担の増加に反対し公的福祉を要求する闘い、 全ての原発の廃止を求める闘いなど、 各地の労組・市民団体と共に戦争と生活破壊に反対する闘争に立ち上がろう。 第5に、 積極的に若者の参加を勝ち取ろう。 若者が、 戦争への道か、 労働者の社会を目指す道か、 どちらに付くかで未来は決まる。 失業と将来への不安、 社会への不満に溢れる若者を侵略戦争の道から解き放ち、 労働運動の側に組織していこう。 D 「都議選−地方選, 参議院選挙を闘おう」 今年は、 都議選−地方選、 取り分け参議院選挙の年である。 昨年、 自公保政権は、 参議院選挙の方法を改悪してきた。 立候補者個人の名前による投票でも、 政党への投票に組み入れるというものだ。 地に落ちた森政権、 自公保の名前に自信がないのだ。 それでも参議院で多数派を維持しようとしている。 狙いは明白である。 グローバリゼーションの中で、 労働者を犠牲にして資本が生き延びる法律を採択したい、 有事立法−憲法改悪−教育基本法関連法案を採択したい、 これである。 私達全国協の仲間は、 第1に、 中小労働運動の総力を挙げた2001年春闘、 全国キャラバンの中で、 労働法制−労組法−商法改悪に反対し中小労働者の利益を守る議員との共闘を創りだそう。 第2に、 各地の仲間、 護憲派議員と共に、 有事立法−改憲−教育基本法反対の署名活動を行い、 また地方議会決議を採択するよう働きかけよう。 議会に対する陳情活動、 申し入れ活動を行おう。 第3に、 それらの力をもって、 都議選ー地方選、 参議院選挙では、 中小労働者の利益を守る議員、 戦争に反対する護憲派議員を支援し、 一人でも多くの当選を勝ち取ろう。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 問題提起 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 【問題提起@】 分断と競争を煽る賃金制度の改悪に反対し、 賃金闘争の再構築を勝ち取ろう いま、 労働者の生活と労働を結ぶ賃金制度が大きく変化している。 日本型企業社会はすでに国際競争の激化に対応できず、 「年功賃金」 「終身雇用」 「企業別労働組合」 に支えられた日本的労使関係は、 全方面での激変に直面している。 その背景には、 多国籍企業の生産拠点のグローバル化によって労働者の賃金の国際相場化がすすみ、 日本は 「賃金高コスト化」 したという資本経営の危機感がある。 その核心には、 従来の長期雇用を前提にした賃金抑制攻撃と質的に異なり、 一方で進行する情報技術革新による労働と職場の変化を基盤に労働者の分断と競争を拡大する成果主義型賃金制度があり、 賃金コストをより柔軟に低額に押しつけようとする攻撃となっている。 1. 拡大する成果主義賃金 すでに民間大企業の多くに導入され一般化しようとしている成果・業績主義賃金は、 多くの中小企業でも急速に拡大しており、 本年の日経連春闘対策を示す労問研報告のポイントも成果主義賃金の積極的な導入にある。 昨年発表された労働省・賃金労働時間総合調査では、 過去3年間に賃金制度改定をおこなった企業は53%と半数を越えており、 定期昇給廃止、 業績成果に対応する賃金導入は全体の40%を占めている。 今後3年間に改定を予定する企業も40%を越えており、 その内容はほとんどが成果主義賃金の導入となっている。 「総額人件費抑制」 というベースアップ・ゼロ攻撃にとどまらない今後の賃金システムの質的転換を狙った攻撃であり、 労働組合の賃金闘争に根本的な再構築することを迫っている。 2. 雇用非正規化と連動する賃金システムの転換 提案・導入されている成果主義賃金の形態は様々であるが、 その主要な骨格は、 職務分析・職務評価による職務等級設定をおこない、 個別の 「目標管理制度」 によって結果・成果を評価し、 また担当する仕事に係わる知識、 技能、 態度の能力向上を評価 (コンピテンシィ評価) するというものである。 企業内での能力開発を前提にして潜在能力・可能性を含めて評価する能力主義評価と異なり、 結果がすべてという徹底したものである。 また、 情報技術革新の進展による労働の分断・個別化やパート・派遣・専門職種有期雇用など労働者の短期的頻繁な入れ替えに対応した賃金制度である。 その結果、 賃金そのものが市場化 (需要と供給に直接左右される) し、 労働者間の競争が激化し、 かつ企業内外を貫いた大規模な市場競争にさらされることになる。 本来、 責任や権限が大きな職務や専門職務では、 個人的な成果主義が適用される可能性はある。 しかし、 裁量権の狭い一般労働者に成果主義が導入されても、 やみくもな業績向上競争と無限の労働強化、 働きすぎに駆り立てられることになり、 労働者の疲弊と職場の混乱が助長されるだけである。 職場の共同性は破壊され、 労働組合の集団的協同的団結の基盤は解体される。 そしてできるものとできないものとの格差が拡大し、 エリート・エグゼクティブとノンエリートの格差が固定化する。 3. 過渡期の課題 現在の闘いを賃金闘争の歴史的過渡期の闘いと位置づけ、 当面する課題と中長期的視野に立った課題を明確にしてすすめる必要がある。 従来、 企業内賃金決定の限界を越えられず企業規模格差、 官民格差、 雇用身分差別を放置してきた春闘・日本労働運動の結果、 賃金の社会的基準確立や企業横断的な協約規制は皆無に等しい。 こうした状況で賃金の市場化が進めば、 賃金破壊・過重労働・人間破壊に直結するのであり、 したがって短期的な需給関係に生活の基本である賃金が直接左右されることは許されない。 従来の生活を維持発展させる賃金引き上げ闘争の徹底した取り組みとともに、 労働市場を規制する賃金闘争の取り組みを今春闘の一個二重の任務とすることが求められている。 まず第1に、 この数年来年収ダウンとなっている賃金を、 年齢・家族構成を含め社会生活維持の観点にたって引き上げる闘いを強めることである。 経営側の一方的な 「年功」 賃金否定は、 現実の仕事、 労働のあり方、 職場の協働関係に反するものであり安易に受け入れることはできない。 将来にわたって各自の賃金が低下しない歯止めをかけ、 かつ企業内賃金の最低基準づくりに取り組む必要といえる。 第2に、 人事考課の賃金への反映が避けられない場合には、 a. 考課に伴う情報の公開 b. 査定幅、 等級幅の圧縮と規制 c. 基準の公平性の確保 d. 同意・異議申し立て権の確立 など労使協議・協定をめざすことが必要である。 第3には、 労働時間規制の闘いの再構築である。 成果主義などのやみくもな競争の拡大は、 無制限な過重労働を招く。 賃金闘争と一体になった労働時間規制が不可欠である。 サービス残業の駆逐、 要員確保の闘いの再構築が必要だ。 第4に、 企業を越えた労働力市場を社会的に規制する運動である。 非正規雇用労働者の組織化をすすめ、 業種・職種に基づく賃金水準の確立をめざすこと、 同一価値労働同一賃金・均等待遇の原則を社会的に確立していこう。 【問題提起A】 安価な外国人労働者導入策を許すな! 研修生・実習生に日本人と同じ労働条件と権利を! 1. 安価で無権利の外国人労働者を求める資本 @ 研修生、 実習生大量導入の動き エコノミックアニマルとして、 世界中の自然を破壊し、 貧困を輸出している日本資本は、 一方、 外国人労働者が日本で働くことの権利に対して、 「鎖国」 のように扉を閉ざしている。 それどころか、 「不法就労が外国人犯罪の温床」 などの、 差別をあおる危険な排外主義キャンペーンすら行っている。 ところが、 「少子化による労働者不足を、 大量の外国人労働者によって補なわないと、 日本経済は失速する」 との国連報告に、 日本政府は深刻なショックを受けた。 もとより財界は、 より低賃金の労働者の 「活用」 =特に 「日本人が嫌がる3K労働」 への導入には、 積極的である。 そこで今後、 「外国人労働者の矛盾に満ちたワク拡大」 に、 大きくステップを踏み出すこととなった。 だが、 資本家たちが欲しがっているのは、 「無権利の労働者」 なのである。 そこで、 「正規の労働ビザ」 は、 99年に更新期限を3年毎に延長したのみの 「有期雇用」 で据え置き、 今後悪名高い【研修生・実習生】を、 飛躍的に増やすこととなった。 お隣の韓国や台湾へもこれらの制度が、 「輸出」 され、 日本はここでも国際的なヒンシュクをかっている。 A 労働者ではない研修生 技能の研修をタテマエとして、 1年間に限って滞日が許される制度。 招請した企業が申請する研修計画で、 語学などの座学・技術研修・現場実習が、 それぞれ3分の1ずつと定められているが、 その通りしている会社は、 まずありえない。 このことは、 入管をはじめあらゆる行政は知っているが、 黙認している。 「研修生は労働者ではない」 として、 一切の労働法は適用されず、 研修手当が出るだけである。 しかもそれは、 「賃金でないアカシとして、 月額何万円を越えてはならない」 という法務省通達すら存在する。 現実には、 約5〜7万円ほどの研修手当のみで、 現場労働が深夜まで連日強制されているが、 これを告発しても 「労働者でないから」 と、 労働基準監督署などは追い返し、 入管にいたっては、 これらの事実をまるで外国人労働者の責任のようにして、 「申請通りの研修をしていなかった」 と、 本人のビザを取りあげてきた。 経営者も自らの入管法違反をタナに上げ、 「これをバラスと、 本国へ強制送還だ」 と、 脅迫さえしてきた。 B 最賃スレスレ 中間搾取される実習生 「こんなおいしい制度をもっと長期に」 という財界の期待に応えて、スタートしたのが実習生制度であり、 研修?終了後の形式的なテストで、 ほぼ全員が実習生に合格する。 当初は1年間であったが、 現在は2年間となっており、 研修期間と通算すると就労期間は3年間となる。 その後、日本の労働ビザで延長されることはなく、 「母国での技術活用を」 となっている。 これらを通してみても実際は、 技術は習得できず、逆に 「日本で不足している安価な単純肉体労働力」 として重宝がられているだけ、 といえる。 実習生は、 日本の労働法が適用されることになっているので、 ほとんど最低賃金法スレスレの、 月10万円程度の賃金がある。 しかし現実には、 労基法で禁止されている、 派遣ブローカーの管理費・不当に高い寮費と光熱費などが本人に無断で控除されており、 手元には数万円しか残らない例も多い。 そしてそれも、 「本人の逃亡防止のため」 に、 強制貯金され、 パスポートとともに、 経営者の管理下に置かれるというトラブルが絶えない。 2. 政府は、 日本人と同じ労働条件の就労を保障し、 制限を撤廃せよ。 現在研修・実習生を招請できるのは、 繊維産業などの指定業種のみであるが、 政府は、 介護業などを含め、 一挙に拡大しようとしている。 各経営者が, 「当社にもぜひ」 と、 労組に提案してくるかもしれない。 しかし、 まともな待遇をせず、 超不安定な形で人権侵害になる制度では、 決して了解する訳にはいかない。 同一価値労働・同一賃金の就労こそ拡大すべきである。 もし研修・実習生という形での滞日であっても、 泣き寝入りする必要は無い。 どんどん支援ネットや、 労組にも結集してもらい、 労災・未払賃金・残業手当、 そして、 未払時間外研修手当などを、 各社に要求していこう。 労働基準監督署などの行政への申告や民事裁判さえ、 日本全国でまきおこっているのだ。 3. 現代の福井県での女工哀史 野麦峠を越えた中国人女性たちの大争議 中国の江蘇・遼寧省から、 武生市にある協同組合加盟の20社の紡績工場に約100名の女性が働きに来ていた。 山間の工場の屋根裏などの寮で寝起きし、 パスポートも取りあげられ、 買物の店も1軒に指定された。 休みも無くミシンを踏み続けたが、 月給は、 研修生は1万円。 実習生は1万5千円、 という驚くべきもので、 中国での約束とはまったく違っていた。 不満を訴えた仲間は、 無理やり神戸港や関西空港へ連行され、 強制帰国された。 しかし彼女たちは禁を犯して連絡を取り合い、 「99年10月14日一斉蜂起」 が準備された。 バス代さえない彼女たちは、 5時間もかけて山道を歩き、市内の協同組合理事長の会社前にたどり着き、 50名が玄関に座り込んだ。 だが各社の社長は 「中国人はこうして扱うんだ」 と叫びながら、 彼女たちに襲いかかった。 そこは修羅場となり、 次々と倒れいった パトカーは何もせず帰って行き、 武生署は被害届さえ黙殺した。 しかしこの事件を契機に彼女たちは、 日本社会、 そして中国大使館にむけ、堂々と告発を始めた。 関西の多文化共生センター・RINK、 そして我が全国一般のゼネラルユニオンに、 その叫びは届いた。 激励と抗議が、 冬の北陸に交錯した。 県や市、 そして労働基準局の官僚どもは震え上がった。 2000年春闘は、 福井総行動がメインとなった。 経営者たちは言った。 「貴方たちの給与は、 失うといけないので預かっていただけだ」 と。 そして、 今作ったばかりの通帳を配った。 彼女達の闘いの成果でパスポートも戻り、賃金も5〜8万円となってきた。 しかし理事長らは、 暴行を謝罪せず、 また過去のピンハネ分の支払いは、 認めなかった。 中国側行政とブローカーと既に山分け済だったのだ。 そのため遼寧省メンバーは、 福井地裁に提訴。 江蘇省メンバーは、 解雇係争中の失業保険をも受けながら、 日本に留まった。 送り出し側の中国江陰市の役人の、 「日本で労組に入ったら、 帰国後たいへんだぞ」 との恫喝にも負けなかった。 ゼネラルユニオン福井支部が結成され、 山原委員長と青木理事長の交渉により、 ついに9月30日大阪の丹羽雅雄弁護士事務所で、 協同組合の全面謝罪の協定がかわされた。 未払賃金と慰謝料は、 一人当たり100万円にものぼり、 その中には日本で初めて研修生当時の未払残業手当も含まれていた。 深々と頭を下げる理事長に対して、 彼女たちは言った。 「今後他の中国人労働者に二度とこんな目にあわすな」 と。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||