●<12・5全国集会が成功!>
「許すな過労死促進法!人らしく生きるための労働時間・契約法制を!」をスローガンとする12・5日比谷集会に1500名が参加した(主催:実行委員会)。直後の8日には厚労省が労働政策審議会労働条件分科会への最終報告案を提出することになっており、労働法制の全面改悪反対のスタートとなった。
集会では日本労働弁護団の棗弁護士が主催者発言を行い、連合選出の小山労政審委員が分科会の現状を報告した。全労連、全労協、さらに社民党、共産党が連帯挨拶をおこなった。
「東京過労死を考える家族の会」から遺族としての訴えがなされた。「夫はまさに<ホワイトカラー・エグゼンプション>による過労死労働によって殺された」という発言はすべての参加者の胸を打ち、また日本経団連など推進派を厳しく断罪するものであった。
●なお、「全国過労死を考える家族の会」は12月11日、厚生労働省に対して申し入れを行った。家族たちは「企業がこの法律を守っていれば息子は死ななくてよかっただろう。新制度を入れたら、どんなに働いても自己責任にされ、労災認定も難しくなる」(二男を心筋梗塞で亡くして初めて労基法を読み、40時間の労働時間規制を知った母親)、「管理職とは言っても自分で仕事の量や内容は決められない。自分の身に置き換えたとき、明日はわが身と思う人が多いのではないか。労働現場の実態をよく見てほしい」(大手電機メーカーの課長だった夫が過労死)と批判した(河北新報12月12日)。
労政審で使用者側委員は「(労働時間規制の撤廃による)過労死なんてナンセンスな話だ」と発言したという。こんな暴言を許してはならない。
●<12月21日、厚労省包囲行動!>
厚労省は12月8日に続き、次回の分科会(12月21日)で最終報告案をまとめようとしている。全労協は当日、厚労省包囲行動を呼びかけている。なお、分科会の予備日として12月27日も設定されている。
関連する当面の主な動きは次のとおり。
◆12月19日 日本経団連「経営労働政策委員会報告」
◆12月21日 厚労省労政審分科会(27日も?)
◆年末に規制改革・民間開放推進会議の答申
◆1月1日 日本経団連「御手洗ビジョン」
(「希望の国、日本」)発表
◆1月11、12日 日本経団連労使フォーラム
(春季労使交渉の諸課題)
●<再チャレンジ=労働ビッグバンを許すな!>
経済界とその同調者たちは安倍政権の「再チャレンジ政策」の柱に「労働ビッグバン」を位置付けることを要求している。経済財政試問会議の八代尚宏議員(国際基督教大学教授)たちは「労働市場の改革も再チャレンジの柱だ」、「雇用契約の弾力化や派遣労働の改革は再チャレンジを可能にする規制改革だ」などと主張している。彼らは安倍政権の「再チャレンジ」を利用して、労働市場のいっそうの自由化、非正規雇用の拡大・固定、使い捨て自由の法整備をねらっている。
以下はこの間の動きから。末尾に全労協の「団体署名要請書」を転載する。
■厚生労働省は12月8日、労働政策審議会の分科会(労働条件分科会)に対して、労働時間と労働契約の最終報告案を示した。「ホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間規制の適用除外)」(=残業代不払いの合法化)、「解雇の金銭解決」(=金銭を支払えば不当解雇も制度的に可能)、労働条件変更の規制緩和(=労働者の反対があっても就業規則を変更すれば労働条件変更は可能)など経済界の意向に沿った内容であるが、懸案は残されたままになっている。
厚生労働省は来年通常国会に労働基準法改悪法案を上程すべく、次回分科会(12月21日)で内容をとりまとめようとしている(21日に間に合わなければ、27日が分科会の予備日として設定されている)。厚労省による「最終調整」について、日経新聞は16日、次のように報じている。
「厚生労働省は(ホワイトカラー・エグゼンプションの)対象者の年収の下限を800万−900万円程度とする方向で最終調整に入る。経済界は年収400万円以上への導入を主張していたが、対象者を絞り込んで働き過ぎや健康管理に対する監視を徹底する。一方、解雇紛争の金銭解決制度は労使合意のメドが立たず、導入の見送りを決めた」(日経ネット)。
■<米国資本の労働時間規制除外の要求>
労働市場の規制緩和・自由化を一貫して要求してきた在日米国商工会議所は、労政審のこのような動きにあわせるように、12月6日、厚生労働省に労働時間規制の除外を求めた。在日米国商工会議所は米国のホワイトカラーエグゼンプション制度を参考にした労働時間制度の導入を求めている。
■<経済財政試問会議で労働ビッグバン推進>
安倍政権と経済界による「労働ビッグバン」の動きも急になってきた。11月30日の経済財政試問会議で日本経団連の御手洗会長ら「民間議員」は、「労働ビッグバンと再チャレンジ支援」に関する文書を提出し、現行の労働者派遣法の見直しなどを求めた。現行派遣法では契約期間は原則3年であり、それ以降は派遣先が直接雇用を申し入れる義務がある。この義務を撤廃させ、正社員化をまぬがれようとしている。
キャノンの会長でもある御手洗は派遣法見直しを強く要求してきた。キャノンでも「偽装請負」問題が発覚したが、御手洗は「請負法制に無理がありすぎる」と法制度を批判し違法状態を正当化している。
「キャノングループで働く派遣労働者は約7500人、請負労働者も約1万5千人。そんな中、実態は派遣なのに請負と偽る「偽装請負」が横行した。厚労省は各地のキャノン工場で偽装請負を指摘。キャノンも8月、是正を公約した。当事者でもある御手洗会長は、「規則の方をかえるべきだ」との本音を隠さない」(朝日新聞12月1日/時々刻々)
日経新聞は「偽装請負なくす雇用改革急げ」と題して次のように主張している。
「(派遣法の)こうした規制はもともと労働者保護が目的だったが、雇用形態の多様化に対応できていない。業務請負については法改正も含めた見直しが必要だろう」(社説10月24日)
これでは、法律を変えて違法状態を合法にせよということに等しい。
■<規制改革会議、年末に答申>
また規制改革会議(規制改革・民間開放推進会議/議長・草刈隆郎日本郵船会長)は最終答申を年末までにまとめるが、そこでも労働分野が重要テーマとして取り上げられる。原案として報道されている内容によれば、○派遣規制の抜本的見直し・07年度中の実施(直接雇用申し込み義務の撤廃)、○少数労働組合の団交権否定(組織率が一定割合以上の組合に限る)が盛り込まれている。
■資料(なお、この署名の要請日は10月27日です)
<労働契約法、労働時間法に関する要請書>
厚生労働大臣 柳沢伯夫殿
労働政策審議会労働条件分科会 文科会長 西村健一郎殿
厚生労働省とその下に設置されている労働政策審議会労働条件分科会は、新しく「労働契約法」の制定と、労働時間規制の新たな適用除外制度を作るために、労働基準法改訂を目指して、作業を進めています。
私たちは、「人らしく生きるための労働契約法、労働時間法」を求めて、この間運動を進めてきました。しかし、現在進められている審議の方向は、労働現場で起こっている一方的な労働条件の切り下げや、不当な出向、配転、首切り、長時間労働、不払い残業、過労死・過労自殺の増大などの実情を無視し、日本経団連の要望や「規制改革・民間開放推進会議」の意向に添った方向ですすめられています。
立法化は、就業規則を労働契約と見なすことを中心とする労働契約法制定、過労死を促進し、労働時間規制を骨抜きにする「新たな適用除外制度=日本版エグゼンプション」の導入に絞られていくと伝えられています。
私たちは、このような、最初に結論ありきの立法化の動きには断固反対です。
貴職に、以下のことを要請いたします。
(記)
1.人らしく生きるための労働契約法制、労働時間法制を実現すること。
2.終業規則による一方的労働条件決定制度、解雇の金銭解決制度などを中心とする労働契約法制定を行わないこと。
3.解雇制限=解雇権濫用法理、整理解雇4要件の立法化、有期雇用の入り口規制=合理的理由のない有期雇用は無効=を明確に法で定めること。
4.過労死を促進し、8時間労働制の骨抜きにつながる日本版エグゼンプションを導入しないこと。
5.長時間、不払い残業等を規制する労働時間法制を強化すること。
6.請負、業務委託、非正規など労働者全体を対象とする労働契約法制を制定すること。
■以上
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