NTTの国民保護業務計画に反対する
=電通労組の主張=

<注>
NTTグループは06年3月20日、「国民保護法」に基づく業務計画を公表した。この法律は、「指定公共機関」として「独立行政法人、日本銀行、日本赤十字社、日本放送協会その他の公共的機関及び電気、ガス、輸送、通信その他の公益的事業を含む法人」を指定し、国民生活の「公共的」な分野を有事=戦争体制に組み込もうとするものだ。

小泉政府は「官から民へ」と繰り返し、「公共」を解体する強引な「民営化=私有化」政策を進めてきた。しかし一方、「有事」に向けては「民間」を「公共機関」として逆指定し、国民生活の広範な部分に網をかけ、国家の下に統制しようというのだ。

国民保護法ならびに基本指針によって、行政機関や地方自治体は「国民保護計画」を、指定公共機関は「国民保護業務計画」の作成を義務づけられた。「平成17年度中の作成が目標」とされた。各都道府県や「指定公共機関」は「今年度中目標」に従い、相次いでそれらの計画を公表した。つづいて、「平成18年度を目途」に、市町村と「指定地方公共機関」の計画作成が進んでいる。

地方自治体では、宮城県も「宮城県国民保護計画」の原案を昨秋に公表した。3月31日、宮城県を含めた24都道府県の計画が閣議決定され、島根県など先行グループとあわせて全都道府県の計画作成が終了した。宮城県に関しては、「東北地方の中枢地区・仙台を抱えるほか、原子力発電所も立地」しているという「地域特性」が指摘されていた。

電通労組は、NTTグループの計画に反対し、「戦時体制準備の法律や計画はいらない!」という声をあげていこうと表明した。以下、組合の主張を掲載する。
なお、NTTグループの「国民保護業務計画」は各社のホームページで公表されているので参照されたい。


<電通労組の主張>

●NTTが国民保護業務計画を制定し、公表
●国民を統制し、戦争に駆り出す国民保護法・業務計画はいらない!


NTTグループは、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」、いわゆる「国民保護法」に基づき、「国民保護業務計画」を制定し公表、2006年3月14日から実施するとしている。

ホントに国民を保護する法律なの?

「国民保護法」は、本当に国民を保護する法律なのでしょうか?
2004年6月に成立したこの法律は、外国による武力攻撃やテロに備えて作成された有事関連法の一つで、政府が「武力攻撃が予測されるに至った事態」と判断したとき、それは「戦時」になり、都道府県や指定公共機関は、この法律に基づいて作成された「国民保護業務計画」に沿って措置を講ずることになっています。

この法律は「戦時下」だけを考えて作成されたものではなく、「平時」から「戦時」のために計画をつくり、「戦時」に向けて組織を整備し訓練も行うというもので、「戦争のできる社会」に作り変えていくものなのです。「戦時」に「備える」ことを国民に理解してもらうために「啓発」することも謳っていますし、基本的人権の制約、財産権の侵害等をもって国民に「協力」を強制し、妨げたものに対しては最大1年以下の懲役、50万円以下の罰金の刑罰も明記されています。保護といっているものの、一番それを必要としている高齢者、障害者、外国人に対する措置が一切明記されていません。

労働者の安全確保、保護はない?

NTT作成の「国民保護業務計画」でも、『(戦時において)「国民保護対策本部」を本社、支店に設置、「対策本部員」を動員し「国民保護業務計画」の円滑かつ適切な遂行』をするとし、「必要な措置をとる」と曖昧な言い回しになっています。またそのためにも「平時」における情報伝達訓練や災害復旧の訓練を実施し「備える」としています。都道府県対策本部からの社員の派遣要請については「努める」としていますが、そのなかで、労働者の安全確保、避難、保護、業務非協力等の拒否権など一言も触れられていません。

戦時への備えではなく、回避努力だ!

私達は、戦争の危機をあおり、戦争の出来る国づくりの「国民保護法・国民保護業務計画」に反対します。身勝手な歴史認識のもと「靖国参拝」や「拉致問題」で近隣諸国を挑発し、相手にされないと危機を煽って内を固める小泉流政治が「国民保護法」をはじめとした有事関連法のベースにあります。ここには、「戦時への備え」はあるものの、「戦時の回避努力」が完全に抜け落ちています。それが「外交」であり、話し合いであり、憲法の定める「平和主義」の思想ではないでしょうか。

この3月末まで、全国の都道府県や、指定公共機関の「国民保護業務計画」が策定され、4月1日から実施されようとしていますし、市町村は来年実施が決まっています。このような「戦時体制準備」の法律や計画はいらない!という声を上げていこう!

■以上