2009年の2月から3月は、大変な生産縮小に追い込まれた時期であった。輸出に関わる生産工場の典型的な例として、私の勤めていた半導体工場でも、4直3交代による全週連続フル操業から、3日稼動、4日休日という超短縮操業へと追い込まれた。400人近くいた労働者は請負を中心として100名くらいが削減され、残った300人の労働者も、週休2日・休業2日の体制となり、休業補償は6割しかでないので、トータルで約三日分の賃金を失うという事態になった。そもそも低賃金の請負企業労働者の生活を直撃していると同時に、多くがローンを抱える正規労働者も同様の有様になっている。
思えば、政府が空前の景気拡大期と宣伝したこの5、6年、もっとも利益を荒稼ぎしたのは、輸出企業に労働者を派遣する請負派遣業界ではなかったのか。今の世の中では、直接賃金を搾取したり、請負代をピンハネしたりするよりも、もっと大規模に儲けることができる。雑誌を通じて知ることだけでも、請負派遣業界の最大手の「クリスタルグループ」から「グッドウィル」の折口社長に株式が売却されるにあたって、数百億円の取引があったと言われている。ライブドアの堀江社長も株式で空前の利益を上げたが、「クリスタル」の社長も同様だ。「グッドウィル」はおそらく「貧乏くじ」を引いたのだろうが、それでも「不労所得」の存在は許せるものではない。
さて、またハローワークに通うことになったが、ハローワーク職員の許容力をはるかに超える失業者が職業安定所に押し寄せている。先日のことだが、新たに厚生労働省令が出て、「今後求人情報を単に検索することだけでは求職活動と認めない」という宣言が職員によってなされた。雇用保険財政がこのままでは破綻してしまうと思った役人の猛々しい省令だと思うと腹立たしい。なんの資格もない労働者が応募できる求職案件が、そしてしっかりと生活できる案件が、今の世の中、どのくらいあると思っているのだと怒るこの頃だ。

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