世界経済フォーラム(WEF)東アジア会議の韓国ソウルでの開催に反対する共同行動の呼びかけに応え、電通労組は「六月ソウル行動電通労組派遣団」を組織しソウルへと出発した。「賢者の会議」と呼ばれるWEFは、資本家と政治家たちが多国籍資本の利益の拡大のための会議であり、いうなれば「民衆からの搾取のための会議」でしかない。メキシコ カンクンでのWTO合意失敗以降、世界各地で二国間自由貿易協定締結にむけた動きが表面化しており、「東アジアにおける日本資本の利益の最大化」を求める日本企業と政府の動きは活発化している。昨年一二月から始まった日韓自由貿易協定(FTA)締結に向けた動きは既に四回の会合を終えている。
日本資本の目論見は「日韓FTA共同研究報告書」のなかで明らかになっている。
日本側は韓国側への要請として、
「韓国労働委員会が労働争議に関する裁定を行なう際に更なる努力をすること。」
「「NO-WORK NO-PAY原則」を徹底すること。」
「退職金計算の際に柔軟性をみとめること」
「違法な労働行為に対し厳正かつ迅速な措置をとること」を上げている。
共同研究報告はその狙いを明確にしている。韓国労働者の闘いの解体と、闘いとってきた労働条件の剥奪などをとうして日本資本の利益の最大化を図ることにある。
朝鮮半島の平和的統一を願う韓国民衆!
米軍装甲車によって轢殺された二人の女子中学生ミョスンさん、ミソンさんの二周年。電通労組派遣団は「追悼集会」へ参加した。「イラク派兵反対および朝鮮半島に平和を求める全国集会」が開催され片側車線いっぱいに民衆が座り込み、旗が翻り、入りきれない人は歩道よりのスペースに座り込む。歩道も往来が滞るくらいに続々と人々が集まる。その周りを幾重にも盾を持った機動隊が取り囲み、待機するなか集会は大合唱で始まり、二人の女子中学生、闘いの半ばで亡くなった仲間に対する黙祷が行なわれた。そこには、ブッシュのイラク戦争開戦・占領政策に反対する労働者・民衆の熱い思いが溢れ、オーケストラの演奏あり、若者のラップあり、闘いの踊りあり熱気に満ち溢れていた。キャンドルライトが灯されるなかで米軍によって命を奪われた二人の女子中学生に全員が黙祷。この瞬間にも、イラクで、パレスチナで、アフガンで命の灯火が戦争によって消されている現実を感じざるを得なかった。
「朝鮮半島の平和的統一」を
韓国の若者たちのパフォーマンスはものの見事に表現した。
ブッシュと米軍という「妖怪」に立ち向かう「仮面ライダー(的な)」三人が負けそうになると協力して「団結光線」を発射・・そして「南と北の力を合わせて」と横断幕が下がる。ヤンヤの喝采のなかで南と北の平和的統一を願う韓国民衆の想いをあらためて感じた!
深夜一〇時、東国大での「グローバリゼーション、戦争及びアメリカに反対し、朝鮮半島に平和を求める文化イベント」。この集会場からは真っ暗な闇の中にWEFの開催場所「新羅ホテル」が眺望でき、明日はWEF反対行動だ!と気合が入る。三〇〇〇人もの人が結集する中、日本からの参加者はそれぞれの旗を持ちステージに登場すると歓迎の大拍手で迎えられた。日本参加者の寸劇は「千と千尋」のテーマ音楽の中で開幕。ブッシュが登場し資本家が「もっと働け!」と威圧する中、千尋が叫ぶ「WEF反対!」会場が大きな声で応える。日韓民衆と東アジアの民衆の声が一つになった瞬間だ!
六・一三WEF反対行動!一万五千人新羅ホテルへ進撃!
韓日FTA阻止!韓日民衆共同決意集会で始まったWEF粉砕闘争。「WTO反対国民行動」代表のイ・ジョンフェさんは、自由貿易協定の地域ブロック化と世界的な軍事緊張の関連性を明らかにし反グローバリズム運動の強化が訴えられた。WEF反対六月ソウル行動に参加した一〇〇名余の日本参加者を代表し「脱WTO草の根キャンペーン実行委員会の」の田中徹二さんは、FTAはWTOをはるかに超えた自由化措置をもたらし、二国間交渉はアジアの労働運動の破壊と日本の多国籍資本の利害に服する結果をもたらすと提起し、続いて日本における闘いの現状と展望をのべた。民主労働党の集会や路上では民主労総の前段集会と、会場のマロニエ公園全体が闘いの熱気に溢れている。
「世界経済フォーラム東アジア会議反対大集会」が始まった。七車線いっぱいに一万人以上の労働者・民衆が座り込み次々と闘う決意を表明・全労協の遠藤氏も日本の労働者を代表し力強く連帯アピール。労働歌が流れ、パフォーマンスがあり「イラク戦争反対!新自由主義によるFTA阻止!脱WTO!反グローバリズムの運動を!」の熱気がむんむんと伝わる。
いよいよWEF会場新羅ホテルに向けて進撃!先頭は、東アジア各地から参加した各団体の代表が韓国民主労総の仲間と共に横断幕を掲げ、その後ろに東アジアからの参加者がそれぞれの闘いの旗を掲げ続く。途中で屋台労働者組合の4〇〇〇人のデモ隊との感激的合流の中で一万五千人に膨れ上がったデモ隊は一路新羅ホテルへ!機動隊の阻止線を挟み対峙集会、機動隊の弾圧下、韓総連、全国学生連帯会議は何度も突破を試み多くの負傷者にもめげずこの日の闘いを貫徹した。今回のWEFに対しては、官製の韓国労総も反対を表明したが大衆行動への動員は行わなかったと言う。しかし、そうした状況の中にあっても「自主的動員」をもって行動に参加した労組があることを知った時に労働者・民衆の怒りと闘いが地下水脈でつながり巨大化しているという想いを感ぜずにはおられない。
「新自由主義と対抗する東アジア労農民衆の闘いを!」
日韓FTA交渉を粉砕しよう!
中国とASEANとのFTA交渉合意は日本資本主義に冷水を浴びせかけた。日本多国籍企業の危機感は東アジアにおけるFTA交渉の促進を要求し、東アジア地域における日本企業の利益の最大化を促すべく各国との協議を進めている。
非農産品に高関税をかけてきた東アジアの国々・地域に自由貿易協定の締結を迫ることは、日本の多国籍企業にとって「利益の最大化」を生み出す一方、経済力で劣る東アジア各国の経済の崩壊を作りだす。また、第一次産品関税の撤廃は日本農業・漁業に対する壊滅的状況を作りださざるを得ない。労働現場でも「雇用の柔軟性」の名の下に非正規雇用労働者が増大し労働者の階層化が進み、労働者性を否定した「請負労働」までも形成されている。資本の「働かせる自由」の無際限の拡大は無権利と低賃金労働、不安定雇用をさらに加速させ希望を奪っているのが現実に起きている問題ではないのか。
利益の分配のための全地球的な新自由主義グローバリゼーションによる再編は、富の集中を加速させ貧困を拡大させる。世界的な再編と戦争はまさしくメダルの裏・表の関係を明らかにし、米軍の再配置は米国多国籍資本の利益の防衛のために行われている。イラク戦争は、戦争それ自体が何の正当性も持っていないどころか、明らかになったことは侵略戦争を通じイラク民衆の主権、文化、そのものを破壊し経済・社会の全面的再編を行い石油権益を一手に握るという意図だった。
六月ソウル行動でのワークショップは、こうした様々な課題をひきつけアジア規模での労働者民衆の共同の闘いを目指すために真剣な論議がなされた。
新自由主義的グローバリゼーションは農業破壊、環境破壊、労働の破壊、権利の破壊、そして生命まで破壊する。
これが、目に見えないFTA、WTOの実態であり、新自由主義的グローバリゼーションは、自国のみならず相手国の労働者、農民、民衆のあらゆるものを奪う。
アジア社会・民衆運動総会全体会のなかで、主催団体として挨拶にたったチョ氏は、「WEFに出席している連中は、自分達のためにはなんでもやる」「経済だけでなく、文化も破壊される」「世界は売り物ではない」「だからこそ、民衆は連帯して闘わなければならない」と反グローバリゼーションの闘いを簡潔に言い切った。その通りだ!だからこそ労働者、労働組合が取り組むべき課題なのだ!
新自由主義的グローバリゼーションは、労働現場をはじめ、農業、食料、水、環境、戦争、差別、貧困等あらゆる問題の根源である。これと対峙し、「もう一つのアジアを」目指すにはどの様なつながりと運動が必要なのか。アジア社会・民衆運動総会は、そのオルタナティブを打ち出し東アジア民衆の共同行動を確認するための初めての試みであった。大会アピールは「アジアの民衆は、他の世界の民衆と同じように軍国主義とグローバルな資本主義の影響により苦しんでいる。・・・新自由主義的世界と軍国主義はコインの両面だ。我々は、イラクに対する米軍の占領と世界貿易機構/自由貿易協定が闘争の鍵となる対象となるものである事を認識し、またこれらが「武装した世界化」の二面性を象徴するものである事を認識する。・・」
そして、「希望を地球化しよう!闘争を地球化しよう!」と宣言した。
六月ソウル行動電通労組派遣団は韓国通信労働者との交流や、東アジア各国からの参加者の訴えを通じ熱い想いを受け止めてきた。あまりにも大きな課題であるが東アジアの労働者・民衆の団結と闘いが必ずや勝利することを、勝利しなければならないことを深く心に刻みつけながら・・・!

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