■アイドリングの不調

2005年3月28日。走行約9万キロで、アイドリングが不安定になるトラブルが
発生しました。具体的には、ATのシフト位置に関わらず時々アイドリング回転数が
低下し、コントロールモジュールの補正機能が働いてストール前にアイドリング回転数が
回復する症状です。
ストールしかかって1秒程度で復旧する感じです。

症状からして、アウディのウィークポイントであるコイルかコードが怪しいと判断。
とりあえずコンピュータ診断ツールのVAG−COM(バグコム)を接続してエラーの
記録がないか否か調べてみることにしました。

VAG-COMは、診断ソフトがインストールされたPCと
車のハンドル下にあるOBDUコネクタを専用のインターフェイス
内臓のケーブルで接続して使用します。

A6のみならず、1996年式以降のAudiにこの機能が
備えられています。
VAG-COMでは故障診断をはじめ、センサーの値をリアルタイムで
表示させたり、エンジン回転数の調整などの設定変更ができます。

インターフェイスとソフトは米のRossTech社で購入できます。

はじめに、メニュー画面から調べるモジュールを
選択します。
今回はエンジン関係なので、Enginをクリックします。

次の画面では、「Fault codes」をクリックします。
エンジン関係のデータをリアルタイムで表示させ
たい場合は、「Measuring Blocks」(メジャリング
ブロックス)をクリックします。

すると、自動的にエンジン関係の故障コードが
検索され、結果がウィンドウに表示されます。
今回は、故障コードがひとつだけ検索されました。
それは、「イモビライザーが動作してエンジンのスタートが
ブロックされた」
という内容のコードです。

結局、アイドリングの不調に関する故障コードは検索されませんでした。引き続き、故障原因の特定を行います。

VAG-COMは、Ross-TechのHPで、機能のデモ体験をすることができます。
実際と同じように、各ボタンをクリックして進みます。


■緊急モード体験

3月30日。ついに恐れていたトラブルに発展しました。高速道路を走行中に、アクセルを踏んでも2000回転以上
回らなくなり。ティプトロモードにも入らなくなりました。
直感的に「緊急モード」に入ったとわかりました。
「緊急モード」とは、センサー等に深刻なトラブルが発生した場合に、センサーからの値を無視してCPUに
プリセットされたデータによってエンジンを動かすモードです。
話しには聞いていましたが、体験したのははじめてです。
結局、近くのSAまで走行してディーラーに救援を仰ぐことにしました。
ディーラーでVAGを使って診断したところ、エアマスセンサーの信号異常で緊急モードに入ったことが判明。
エアマスセンサーの交換と相成りました。
エアマスセンサーは空気の流入量を測っているセンサーで、トラブルが比較的多い部品です。
部品が入荷するまで、エアマスセンサーのコネクタをはずしておくことになりました。
エアマスセンサーの信号が遮断されると、スロットル開度によってコントロールモジュールが自動計算して
燃調します。エンジンが冷えている間は調子が悪いものの走行には支障ありません。
結局、アイドリングの不調は、エアマスセンサーからの異常信号が原因だったと判明しました。

帰宅後に再度VAG-COMでフォルトコードを検索
してみました。
当たり前ですが、エアマスのコネクターを外して
あるので、「Mass Air Flow Sensar Signal Low」の
メッセージが表示されています。
アイドリング不調の段階で、なぜこのメッセージが
出なかったのか不可解ですが、信号異常の範囲が
規定値からそれほど外れていなかったためと推測
しています。

左の写真中央がエアマスセンサー。
エアークリーナーとスロットルボディーの間にあります。
ここがだめになって走行不調になった場合は、
写真のようにコネクタをはずしてしまえば、走行できる
ようになります。


■修理完了

エアマスセンサー(エアフロメーター)交換して修理完了しました。
部品代は3万4200円。工賃3000円。その他、レッカー代が1万8千円でした。
下が取り外したエアマスセンサーです。エアダクトの中間に接続されています。
手前側がエアークリーナー側、奥がスロットルボディ側です。
IN側からOUT側を見た右の写真では、中央に突き出したセンサー部分が見えます。