森林の効用
森林に行くと多くの人が「よい匂い」、「よい香り」を感じます。また「懐かしい香り」と感じる人もいます。それによって「気持ちよさ」とか「落ち着き」とか「癒し」をもたらしてくれます。
こうした感じを持つのは植物から発せられる香りの物質「フィトンチッド」といわれるものによります。フィトンチッドは森の香りの中心になっている成分ですが植物が光合成を行うときにつくられます。このフィトンチッドはよい香りを発するだけでなく、抗菌・防虫効果、消臭・脱臭効果、リフレッシュ効果などがあります。
「森林浴」という言葉がありますが、これは主にこのフィトンチッドを浴びて健康増進を図ろうとするものです。
森林の健康増進効果はフィトンチッドによるものだけなのでしょうか?森の中に入るとよい香りのほかに、木漏れ日や、緑の葉、水の流れ、鳥のさえずり、ふかふかした落ち葉を踏みしめたときの感触、花などいくつもの五感(五官で感じる)に心地よい刺激を体験します。
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森林の中のさまざまな刺激により五感の要素が複合されて私たちにはたらきかけ「からだ全体」で森林の心地良さ(効果)を感じとっているのです。森の中に入ったときは五感をはたらかせ、自然を感じ楽しむことによって健康になることができます。
厚生労働省は、職場におけるメンタルヘルス対策を推進していくために2006年3月に「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を策定しました。ここでは、「事業場において事業者が講ずるように努めるべき労働者の心の健康の保持増進のための措置(メンタルヘルスケア)が適切かつ有効に実施」されるよう、原則的な実施方法が定められています。事業者は各事業場の実態に即した形でメンタルヘルスケアの実施に積極的に取り組むことが望ましいとされています。
この対策に対処するために森林セラピーを中心とした、森での活動は有効であると考えられます。実際に森林セラピを利用している企業もあります。
ヨーロッパ(特にドイツに多いのですが)には「森の幼稚園(キンダーガルテン)」というのがあります。
これは森そのものが幼稚園、森が教室で、ほとんど一日森の中で遊びます。ここの園児たちは「言葉の発達が早い」といわれています。森で遊ぶと予期せぬことがたくさん起こるため、協力しあわないと遊べないためだそうです。協力しあうには言葉を使ってコミュニケーションをうまくとる必要があるのでしょう。小さいころから協力すること、コミュニケーションをうまくとることを実践するのです。日本でもこのような幼稚園が増えつつあります。
森林遊楽
自然の中で遊び楽しみながら健康にそしてリラックスし心を開放すること、それを「森林遊楽(しんりんゆうがく)」と名づけました。
辞書では「遊楽」とは「音楽を奏して遊び興じること」、「猿楽の能のこと」となっていますが、私のいう森林遊楽とは、森林の中でさまざまなことをして遊んで楽しみ、心身ともに健康になり、おまけとして学ぶということです。遊びの中で何かを知る、学ぶということもあるでしょう。「楽」は「学」にも通じるかもしれません。
主な活動は次のとおりです。
- 森林セラピー
- 森林セラニック
- 登山
- 自然観察