オリジナルロッキングチェア木工房むく庵

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ロッキングチェアの作り方
弧台

 ロッキングチェアにとって弧台は最も重要な部分と考えられます。
今では様々な機構がありますが、古典的であり誰もが思い浮かべる姿で脚部に弓状の台を持つ椅子です。
ロッキングチェアを作る場合この部分に重きを置くことは当然ともいえますが、
かなり厄介な部分でもあります。弧台の部分を中心に前後に揺れますが、この揺れ具合によってはリラックスするどころか疲れてしまいます。
その設定についてはロッキングチェアの作り方Uで少し書きましたが、それ以外にも幾つか大事なことがあります。基本的には弧台の形状につきますがその要素は幾つかに分かれ、円弧か曲線か・半径・傾斜(転び)などが考えられます。
始めに決めるのが円弧か曲線かと言うことですが、それぞれ性格がありどちらが良いとは決められませんし、半径や傾斜(転び)とも密接に関わり、まずはデザインからと言うことになります。ウインザータイプ

 例としてウィンザーチェアとシェーカー家具を見てみます。
ウィンザーのロッキングチェアの多くは丸棒の形状に削り出した物を組み合わせています。
その脚の形は左右に開き更に後方に向かって狭まっていることが判ります。
ではシェーカー家具のロッキングチェアはどうでしょう?
同じく丸棒を使用していることが多いのですが、前脚は弧台から肘掛けの下まで続き、後脚は背もたれ上部までつながっています。シェーカータイプ
ウィンザーのロッキングチェアの場合脚部は独立し、シェーカーのロッキングチェアは一体化しています。単純にはいえませんが弧台の形状の自由度を条件に考えると、ウィンザーのタイプはデザインの自由度が高く、シェーカーのタイプはかなり制限が大きいと言えるでしょう。
 さて、円弧か曲線かということですが実際快適な軌道を作ることが大事で、先に書いた円弧か曲線か・半径・傾斜(転び)をどのように組み合わせるかでいろいろ変化します。
単純な円弧を使用した場合ウィンザーのロッキングチェアのように傾斜をつけることによって、側面から見ると曲線になります。これは座面の前から後に貫く中心面に対し投影した時軌道が変わるからで各傾斜による軌道の変化す。同様にシェーカーの場合はこの傾斜を自由につけることが難しい為、曲線を使用しその軌道を作ることもあります。
 
  ロッキングチェアに初めて座った時(後に倒れるのではないか?)という不安感を感じることがあります。これは安定位置を越え何処で止まるかわからない、或いは後方に倒れた場合、体を支える方法がないという不安感でしょう。円で考えれば中心より離れた位置に重心がある為、元の位置に戻ろうとする力が働くため弧台の後方に充分な長さがあれば普通は倒れません。(もっとも勢いをつけ倒そうとしたり、座らない状態(加重が加わらない)ではこの限りではありませんが)
 気をつけて倒れ方を感じてみると、だんだんと抵抗感が強くなってくるのがわかります。
抵抗の強度は角度によって変化しますがその揺れ幅は円弧や曲線の大きさにより、 円弧で言えば半径が大きければ姿勢の変化はゆったりとなり、小さければ忙しなくなります。
倒れ方の限界
更に抵抗感は半径が大きい場合、座る位置の高さが一定だとすると円弧の中心から離れてきますから倒れ難くなり抵抗感も強く 半径が小さければ倒れ易く抵抗感が小さくなります。実際後方に倒れる位置を探ると弧台の内ではなく、後端を中心にその重心がその上を通り過ぎた時倒れます。よほど足が長くなければ別ですが、後端が床に触れるころには足は大きく離れる事になり大きく勢いをつけない限り倒れません。
 仮定として設定した重心位置を実測してみると
やや後にありました。座りながら後ろに倒し続け頂点と思われる位置を測ると図のようになります。これを言い換えると頂点と弧台の後端を結ぶ線のどこかに重心があると思われます。もはやこの時点では床から足はかなり離れてしまいます。

ロッキングチェアは倒れる?     
                      (別窓で開きます)

 まず、ロッキングチェアが倒れるのはどんな時かと考えて見ます。
一般的な椅子の場合床に接する脚の4点若しくは3点を直線で結ぶと、四角形や三角形が出来ます。上からみて重心がその形の外側に出なければ倒れません。
 

ロッキングチェアのバランスを見てみます。
円弧状の台の上に乗るロッキングチェアは床に接する点は2点ですが転がることによって接点は移動します。この事から際限なく転がりそうですが、重心点が弧台の円弧の中心に無ければ抵抗力が起こり転がりにくくなります。図を見ますと重心点から直下に下ろした線は弧台の前端・後端を結ぶ円弧の中に有り安定しています。





弧台の後端から弧台の中心点までを床と垂直にした位置にしても重心点から直下の線は弧台の外側には出ていません。








同じく弧台の前端と中心点を結び床と垂直にした場合も重心点からの直下の線は弧台の外側には出ません。










前に倒れた場合は、上の図ように使い勝手を除けば特に危険はありません。では倒れが後端に達した場合、後端を中心に回りはじめ、重心点が後端の直上を越えると倒れます。




 弧台の後端の位置にもよりますが、足は床からかなり離れていますので、後ろに倒すつもりで余程勢いをつけない限り倒れることは無いでしょう。
ただ重心点も姿勢によって多少変わりますから、図の重心点は仮の点なので実際は限界位置はずれると思います。




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