ダイオードの特性


◇ダイオードの説明

 ダイオードはP形とN形という二つの半導体を接合したPN接合と呼ばれる構造になっています。P形はプラスの電荷を持った正孔が、N形はマイナスの電荷を持った電子が存在します。P形半導体からの端子をアノード、N形半導体からの端子をカソードといい、アノードからカソードの流れる電流のみを通して、その逆はほとんど通さないという働きがあります。




P形半導体とN型半導体が接合されています


回路図記号です。



P形にプラス、N形にマイナスをつないだものを「順方向」といい、この状態に電圧をかけると電流が流れやすくなります。反対にP形にマイナス、N形にプラスをつないだものを「逆方向」といい、電圧をくわえても電流はほとんど流れません。

順方向電圧をかけたところ

逆方向電圧をかけたところ



◇もう少し詳しい説明

 順方向電圧がかかる場合、N領域の電子はP領域に引き寄せられ、またN領域のホールは同じようにN領域に引き寄せられます。その結果、PN接合面は電子やホールの流れを阻止することなく、電流はスムーズに流れます。これに対して、逆方向電圧がかかると、P領域のホールは(-)電極(アノード)に集まり、同様にN領域の電子も(+)電極(カソード)に引き寄せらます。このためPN接合面に電子もホールもほとんど存在しなくなり、電流は流れなくなります。

順方向電圧がかかる場合


逆方向電圧がかかる場合





上記のような理論は良く目にしますが、ここでは簡単な回路でダイオードの特性がどうなるか、確認してみました。

ダイオードの測定回路
                ダイオードに直列に抵抗を接続し、その両端に電圧を加えます。

抵抗にかかる電圧ダイオードにかかる電圧をデジタルテスタで測定しました。
そして、計算から流れる電流やダイオードの抵抗値を求めました。

*ダイオードのメーカ名、型番は不明です。
(パーツボックスに入っていたものを使いました。)


抵抗値 1000 Ω
電源電圧
[V]
抵抗の両端
の電圧[V]
ダイオードの
両端の電圧[V]
電流値[mA]
(計算値)
ダイオードの
抵抗値[Ω]
(計算値)
0 0.00 0.00 0.00
1 0.45 0.56 0.45 1242
2 1.40 0.61 1.40 435
3 2.37 0.63 2.37 267
4 3.37 0.65 3.37 193
5 4.36 0.66 4.36 152
6 5.35 0.67 5.35 126
7 6.34 0.68 6.34 108
8 7.35 0.69 7.35 94
9 8.34 0.70 8.34 84
10 9.34 0.70 9.34 75


グラフ化して特性を確認すると

抵抗の電圧−電流特性は比例関係にあり抵抗値が変わらないことがわかります。

ダイオードの電圧−電流特性は加える電圧や流れる電流の大きさによってダイオードの等価抵抗が変化します。

グラフ化すると本などで見かけるダイオードの特性の曲線になります。


抵抗の電圧−電流特性




ダイオードの電圧−電流特性