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お米くんの家族

  2003年1月7日、小学4年生の3学期の始業式の日に、9歳と9ヶ月のお米くんは1型糖尿病と診断され入院しました。入院した当初は1日4回強いられるインスリンの自己注射や血糖測定の練習の明け暮れに、毎日泣いてばかりいたお米くんでした。

  3つ下の妹、小学1年生のおちび米ちゃんは、学校が終わると毎日お母さんに連れられお米くんが入院している大学病院にお見舞いに行きました。でも大学病院の小児科病棟は健康な子供が自由に出入りする事を禁じていたので、おちび米ちゃんはいつも面会時間が終わる夜の8時まで、毎日小児病棟の扉の前にあるロビーのソファーで、一人で遊びながらお母さんを待ち続ける日々が続きました。

  その頃のお母さんは、自分たちが過去に何か悪い事をしその罰があたったのだとお父さんに訴え泣いてばかりいました。お父さんはそんなお母さんを慰める事が出来ず、そんなことよりも肝心のお米くんを元気付ける方法はないかとそればかりを考えていました。その頃きっと家族の心はバラバラだったんじゃないかと思います。

  そんなある日、お父さんはお母さんに、お米くんが病気になる前からずっと欲しがっていた仔犬を買ってあげないかと相談しました。初めは少しだけ反対したお母さんですが、家族が少しでも明るくなり、お米くんとおちび米ちゃんが喜ぶならとすぐ犬を買うことに賛成しました。翌日さっそくお米くんにその事を話すとお米くんもたいそう喜び、その日から家族中でどんな仔犬を買うかを話し合いました。家族にやっと笑顔が戻ったので、お父さんは少しほっとしました。お米くんが退院する日を見計らってその仔犬は家に届きました。仔犬はカムイと名付けられ、お米くんの家はその日から5人家族になりました。

家族とパソコン

  次にお父さんが考えたのは家族みんなで病気と向き合うという事でした。お医者さんに話しを聞くだけでなく、自分たちで1型糖尿病を調べ、そしてもし全国にお米くんと同じ病気で苦労をしながらもがんばっている人達がいるなら、そんな人達と知り合いになれればいろんな話しが聞けると考えました。なのでお米くんが自分で自分の病気と闘う情報を得られるような環境を作るためにパソコンを買わないかと、またお母さんに相談してみました。今度はお母さんは本気で反対しました。パソコンにというよりお父さんがむやみにお金を使う事に反対したのです。お米くんの将来の医療費のことを考え、少しでも貯蓄するべきだというのがお母さんの考えでした。今度はお父さんはお母さんを説得する事をあきらめ、無断で買うことにしました。それでパソコンに詳しい友人に事情を打ち明け、あまり高額でなく性能の良いパソコンはないかと相談し、その友人と一緒にパソコンを買いに行きました。お米くんが退院して3ヶ月程経った初夏の頃でした。

  パソコンが家にきてから、さっそくお父さんは家族にメールの打ち方とインターネットの使い方を教えました。お父さんの友人も何度か家に来てくれて、メールや、インターネットの使い方、更にはフォトショップの使い方まで教えてくれた他、パソコンの色々な便利さを家族に説明してくれました。お母さんもその頃にはお父さんの気持ちを理解してくれていたので、その日から家族全員がパソコンの練習をし、なかでもお米くんとおちび米ちゃんはあっという間にいろんな事が出来るようになり、お母さんに説明できる事も多くなりました。

『糖尿病ネットワーク 談話室』

  そんなある日の事、お父さんは『糖尿病ネットワーク 談話室』というホームページを見つけました。そのサイトの掲示板に書かれてある内容こそお父さんが探していたものでした。さっそくお米くんに見せ、参加させる事にしました。ハンドルネームはお米くんのアイデアで【カムらん】という名前にしました。お米くんは仔犬のカムイの事が好きで好きでたまらないのです。最初は試しにお父さんが、自分の娘がIDDM(1型糖尿病)を発病した事、次からはお米くん本人が投稿し自分の意思で相談をする事などを簡単に投稿しましたが、誰からも返事は来ませんでした。返事が来ない事に少し心配になりながらも翌日お米くんはまず「血糖値の事について」の質問を投稿してみました。

  すると返事はすぐに来ました。すみれさんというハンドルネームのお姉さんでした。その返事にはお米くんの質問に対してとても親切な心のこもった解答が書かれてありました。お米くんはもちろん家族中がその事に少なからず興奮しました。さっそくお米くんはすみれお姉さんにお礼の返事を書きました。でもお米くんにはまだまだ知りたいこと、悩んでいる事がたくさんありましたからサマーキャンプの事、痛い注射の事、血糖測定器の事などを順を追って談話室に投稿しました。するとその度に色々な人達から返事が戻ってきました。誰もが1型糖尿病と長年闘っている優しく頼もしい人達で、お米くんもお米くんの家族も、なにか言いようのない感謝の気持ちでいっぱいになりました。この場をお借りして言えば、ゆた子さん、ジョイスさん、ワイさん、バンドマンさん、さゆさん、キムジュンさん、そしてWINKERさんのアドバイスはお米くんの痩せた心に栄養を与え、新しい世界の始まりを感じさせてくれました。

このサイトは、お米くん(10歳)が運営します

  発病後7ヶ月が過ぎた夏休みも終わりのある日、お米くんは、自分の身に起こった出来事をマンガにする事を思いつきました。大学ノートに描き始めたそのマンガは「お米くんの1型糖尿病日記」と名付けられていました。それはあらゆることを他人に強いられる生活の中で、誰に教わる事もなく彼女が見つけた唯一の自己表現と言えます。そのマンガを見せられた時、お父さんは、娘と同じIDDMを発病した子供達にそれを読んでもらいたいと思いました。そしてお父さんと同じ立場の親御さん達には、困難な運命も否定してはいけない人生であり、逆境の日々の中にも笑いや家族との団欒があり、案外世の中には見知らぬ人々の善意も数多く満ち溢れていることを誰かに伝えたいと考えました。

  このサイトは、お米くん(10歳)が運営します。それを友人のウェブデザイナー(パソコンを選んでくれた・・・)と、父親の私、そしてお米くんが敬愛するすみれお姉さんの3人でサポートしてゆきます。

  子供が運営するこのサイトでは、残念ながらIDDMに関する専門的な知識を皆様にお伝えする事が叶いません。お伝え出来るのは、「1型糖尿病の少女・お米くん」の日常と、お米くんを愛する人々の物語だけです。





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