先日,伝統の議論「卵が先か鶏が先か」について,ついに決着(?)がついたらしいです.「卵が先」らしいです.私は「卵が先」派ですので,それが肯定されて良かったです.
とはいえ,この議論では何をもって「卵」「鶏」と定義するのかが重要です.
- DNA(精子および卵子内の遺伝情報)の状態 = どちらでもない
材料の段階です.まだ卵でも鶏でもありません.
- 受精卵(ただし受精直後)の状態 = 卵?
この時点で「命」もとい「生物」なんですかね?
受精「卵」ということは,「卵」です.
しかし,一般で言う「卵」とは少々異なる可能性があります.
- DNA(受精卵内の遺伝情報)の状態 = 鶏?
遺伝情報だけで「鶏」と定義できるならですが….
これも,一般で言う「鶏」とは少々異なる可能性があります.
- 胚の状態 = 受精卵の状態 = 卵
卵と鶏の状態が同居しています.外見は卵,中身は鶏.
しかし定義として強いのは,上位概念である「卵」でしょう.
- 雛 = 鶏
これ以降は鶏です.
私の考えでは,3の時点で鶏と定義するなら,2の時点で卵と定義されます.というわけで,私は「卵が先」を支持しています.
しかし,実はもう1つ問題があります.哲学的定義です.「鶏の」と「鶏とは別種の鳥の」では,どちらが適切に「卵」を修飾するのか.つまりは「卵」が帰属するのは「産まれる側」と「産む側」のどちらであるのか.
- 前者であれば,「『鶏の卵』であるため,鶏が先に定義される事が必要」と言われかねません.
- 後者であれば,「中身に帰属していないため,『卵が先』の定義は無効」と言われかねません.
どうしたものやら….何と説明しても屁理屈で返されそうです.まぁ,屁理屈も立派な理屈だと思うので,むやみに黙殺できません.むむむ….それでは奥の手を出しましょう….鶏の誕生以前にも卵は存在しました.他の鳥類,爬虫類,両生類,魚類,昆虫類.もうOKですかね?
結論.「卵が先」です.
written on 2006.06.03
|