イタリア奮闘記
〜感涙必至?ノンフィクション 第2弾〜



まえがき
第1日目 〜ハプニング開始〜
第2日目 〜行き止まり過多〜
第3日目 〜ノルマとカルマ〜
第4日目 〜束の間の休息?〜
第5日目 〜イタリア満喫行〜
第6日目 〜自と他の美意識〜
第7日目 〜敵は傍らにこそ〜
あとがき




まえがき

初の海外,アメリカ旅行から半年が経ちまして,今度はイタリアのフィレンツェに行ってきました.6泊8日の旅です.

二回目ともなれば慣れたもの…って,そんなわけないです.やっぱり色々と奮闘してきました.

帰国から1ヶ月ほど経ってからの公開となってしまいました;.いや,色々あったんで….ま,それはいいとして.それでは長くなりますが,書かせて頂きます.


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第1日目 〜ハプニング開始〜

第1日目というか前日ですが,今回は少々早めに荷造りを開始していました.しかし,結局遅くまでかかってしまいましたw.まぁ,致し方ありません.イタリアで合流するボス3より頼まれた,小型のHUBと下痢止めを忘れずに.もちろん,それ以外にも様々必要ですがw.やるだけやって,とりあえず就寝.

睡眠時間は4時間程.10時発なので,ほぼ始発の電車に乗らねばなりません.うかうかしていたら,電車を一本遅らせる破目になりました;.次の電車だと,乗り継ぐのが特別車なので,有料です.まぁ,ケチっても仕方ないか….列車内で特別車両券を購入したので,席の指定がありません=寝る事ができません.案の定,私が座っていた席には予約者がいたので,席を返します.

空港に着きました.一本遅れたといっても,十分余裕を持ってきているので,チェックインの前に,両替や旅行保険など,色々済ませておきます.…と,表示を見たら,既にチェックインが始まっていました.コードシェア便だったので,始めは気付きませんでした.危ない危ない….さて,すんごい行列です.なんだかなぁ….と,ここで,依然姿を見せないボス1に電話を.朝一だからと集合時刻を遅めにしておいたのが災いしたのか,もうしばらくかかるそうなので,とりあえず自分だけチェックインを済ませる事に.チェックインはやけにモタつきました.並んでた理由が分かります.ボス1を待ちつつ,発表原稿を読みますが,眠い頭に入るはずもなし….ボス1が到着しましたが,どうやらチェックイン時にトラブルがあったらしく,先に出国審査を受け,ロビーへ.後から聞いた話ですが,少し前にシステムダウンがあったらしく,手動で搭乗券を発行されてた人もいたとか.

搭乗が始まり,また長蛇の列が形成されました.ボス1を発見できなかったため,とりあえず並ぶ事に.と,ゲート付近にいらっしゃいましたが,いまさら列から出るのもなんなので,遠くから挨拶だけして先に乗ります.…通路側ですが,隣の人がいません.アナウンスがあり,程なくしてやって来ます.出発が十何分か遅れてしまいました….と,ここで,初めて見るものがありました!個別テレビ!うっひょー!とまぁ,そんなには喜びません.が,何かいきなり表示が変わります???…隣の人が,リモコンを間違えていたようです.おいおい….

JALはいいです.機内食が豪華というか,ちゃんとしてます.金属製のナイフとフォークもあります.…危ないし重いのでは?食事を終えてしばらくして,寝ようかと思います.…ガキンチョがうるさい.前後に狭いので,就寝ポーズが決まらない.ナイーブな私の神経は,この環境下で睡眠をとらせてくれないようです.仕方が無いので,発表原稿でも読むとします.…眠い頭に入るはずもなし….ウダウダしてたら,機内食の時間になりました.寿司があります.流石はJALだね!

パリに着きました.乗り換えです.というか,やっとこさボス1と合流です.しかし疲れました….ボス1は体調が悪いらしく,機内で熱が出たとか.友達と席が離れてしまった韓国の女子と席を替わり,替わった先の隣の男のコロンがきつかったとの事w.実際には,このところ研究室の空調が故障していたのが原因かもしれません.パリ空港の売店では絵葉書を売っていたので,わざわざ変なのを選んで購入します.乗り継ぎ便が30分ほど遅れて搭乗可能に.ゲートをくぐると,階段を下りてバスに乗せられます.で,タラップを上って小さい飛行機に乗り込みます.もちろん機内食が出ます.パンとかハムとかテキトーに.「ほら,食えや」な感じです.しかも,少々脂ぎっています.

フィレンツェに到着し,タクシーでホテルに向かいます.駅のまん前なので,説明が楽でした.さて,そのホテルですが…これ,ホントに三ツ星か?まぁいいか.とりあえずチェックインを済ませます.遅れてくるボス3の名前で取ってしまったので,面倒な事になるかと思いきや,意外とすんなりできました.が,「書類を書くから」とパスポートを一晩取られました;.部屋は,天井が高いです.…それだけです.LANがありません.おかしい….インターネットの設備があるところを選んだはずなのに….どうやら,ホテルで共用の備え付けPCでのみ可能であり,要申請&課金との事.…疲れたので寝ます….


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第2日目 〜行き止まり過多〜

早めに起床しましたが,そこそこ平和な睡眠が取れました.教会の鐘が鳴っています.フィレンツェには,たくさん教会がありますからねぇ….ボス1と朝食をとります.クロワッサンやハムなどをセルフで取って食べます.日本人の客がいたので,ちょっとだけ世間話をしました.朝食後にシャワーを浴びます.今回はシャワーヘッドを自由に動かせるので,よかったです.

今日は街を散策する事に.まずは会場へ…の途中にある駅へ.ビックリな事に,改札がありません.ホームに停まっている電車をバックに記念撮影.駅を横切って,会場に到着します.レジストレーションは18時半からとの事なので,会場を見回るだけにして出直す事に.私の発表であるポスターセッションの会場は,メイン会場をぐるりと囲う通路上でした.なんだかなぁ….

ボス1曰く「生ハムが欲しい」という事で,中央市場へ向かいます.…残念な事に,月曜休みでした.市場を後にし,街のシンボルでもあるドゥオモへ向かいます.ヨーロッパの町並みは,いいですねぇ.不便そうですが,見る分にはいいです.途中,露店が沢山あります.お土産はまだかわなくてもいいよなぁ.高級サングラスショップがあったので,入って試着します.鼻の下駄がロクに無いものがそこそこあるのは,やはりイタリアだからですかねぇ.気に入ったサングラスもありましたが,値段も厳しい上に,こういうものを勝手に買うと,「センスが悪い」と怒ってくる人がいるので,やめにします.

ドゥオモに到着します.彫刻が凄い….「こんなんよーやるなぁ」が率直な感想でした.彫刻に感心していたら,紙コップを持ったお姉さんがやってきました.小銭を入れろとの事.1.5ユーロ巻き上げられてしまいました;.それはいいとして(?),周辺には似顔絵師が多かったです.行き過ぎるぐらいのディフォルメが面白かったですが,線の入れ方が気持ちのいいオッサンの絵には感心しました.さらに移動してヴェッキオ宮殿(フィレンツェ市庁舎)前へ.ここにも彫刻がいっぱいです.不自然に股間が隠された裸像には笑えます.となりにウフィツィ美術館がありましたが,月曜休みでした….

少々ガックリしつつ,ヴェッキオ橋へ.金細工などの店が多かったです.もちろん,手が出せませんでしたw.橋を渡ってピッティ宮殿へ.こっちの博物館も,軒並み月曜休みでした(泣).戻りがてら,もうひとつの市場へ.残念ながら食品は扱っていませんでした.やはり革製品…というか,鞄ばっかりですねぇ.お昼もだいぶ回っていたので,適当なレストランで食事を取る事に.ムール貝のパスタはおいしかったです.ボス1は体調が優れなかったので,リゾットを.

どうしてもお酒と生ハムが欲しいボス1に連れられて酒屋巡りをする事に.肉屋も含めて色々回り,ワイン1本グラッパ2本と生ハムと塩1キロを購入し,ホテルに戻りました.狙い通り,ホテルに戻ってしばらくすると,ボス3が到着しました.もちろん,生ハムとワインで歓迎w.さて,学会のウェルカムカクテルの時間です.レジストレーションを済ませ,野外での立食パーティ.杏子系の味がするワインとテキトーな料理を食しつつ,共同研究者のY先生とその弟子のI先輩と談笑します.お二人が帰った後,食べ足りないので昼と同じレストランに.ボス1は途中で気分が悪くなってしまったので,ボス3と食事をしました.カレーソースのフレッシュヌードルは,微妙な味わいでした.

ホテルに戻ると,ボス1は半分オヤスミモード.お疲れ様です.早く元気になって下さい.その後,論文の直しを何とか済ませます.が,TEXコンパイルが通りません.どうやら環境の導入に失敗している模様.ホテルではネットに繋げられないので,ダウンロードとインストールは翌日に会場で行う事にしました.発表原稿等を考えていてもキリがないので,床に就く事にしました.機内に耳栓を忘れてきた事が,心配です….


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第3日目 〜ノルマとカルマ〜

予想通り,ナイーブな神経と怪獣的いびきの影響で,睡眠時間はほぼ0かと思われる朝を迎えました.とりあえず,朝食を取ります.…コーヒーメーカーと格闘しているお姉さんが….どうやら,壊れているようです.ま,私はジュース派ですから,どうでもいいですがね….朝食を済ませて,シャワーを浴びます.今日は発表があるのでスーツに着替えます.気温がそこそこあるので,上着とネクタイは要らないでしょう.そもそも,スーツでなければいけない理由も無いですからね.発表は午後からなので,ポスターもホテルに置いたまま,会場に向かいます.

さて,やるべき事をやらねばなりません.が…無線LANが使えません!どうやら回線が混雑している模様.そりゃ〜コレだけの人が使ってればねぇ….場所を大きく移動すると,回線に反応が.しかしコンセントがありません.バッテリーが心配…の前に,ネットに繋がりません.どうやら申請が必要との事.あわてて申請し,ネットに繋げます.と,ここで,先日に研究室が停電していたとの報告が.その影響で,私のマシンも止まってしまっていました.Webメールを使って,後輩に電源ONを要請しておきます.さて,TEXの再インストールをせねば.必要ファイルのダウンロードが終わったところで,昼食を取りに行く事になりました.

ボス1,ボス3,Y先生,I先輩(以下,この4人+私を「基本セット」と),外部の先生を交えて,レストランへ.先生方はビール,学生は水で乾杯を.というか,発表前なんでお酒は勘弁して下さい;.パスタやピザやサラダをいくつか注文し,みんなでそれぞれを少しずつ食べます.付け合せのパンが以外においしい事が判明.

食事が終わると…!!私の発表するセッションの開始まであと15分!!急いでホテルに戻り,荷物を引っ掴んで会場まで走ります.何とか開始数分前に到着し,汗だくになりながらポスターを貼り終えると,休む間もなくお客さん(日本人)が!早速説明を開始…と思ったところ,ポスター中の数式の線が何本か消えてます!うぉぉおい!配布用資料の方には,ちゃんと印刷されてるんですが….あわててボールペンで線を描きました.きったない数式だぁ….説明とかディスカッションとかを何とかこなしました,相手が日本人でよかった….

安心してはいられません.国際会議なので,もちろん外人も見に来ます.何を喋っているのか….リスニング能力は,まだまだです…が,もっとアレなのは,スピーキング能力のようですね.向こうが指差すところを何とか説明するのですが,要領を得なかったのか「あとは予稿集を読むよ」と去っていきました.ショックです….その後も,パラパラと人が来ましたが,何とか発表をこなしました.ちゃんと理解してくれた人もいたので,よかったです.

長い長い100+α分間を終えて,ほっと一息…ついてる暇はありません.インストールの続きをせねば.と,なにやらボス達が困っています.研究室のサーバマシンなどが動いていないらしいです.終了処理無しの停電だったため,復旧は大変です.日本時間では夜でしたが,運のいい事に後輩が研究室にいたので,みんなで後輩をリモート操作し,復旧作業をしました.通話時間はのべ1時間.ボス3の携帯電話の請求書が怖いです.そんなこんなしてる間に,私の方はインストールが終了.しかし,なぜかコンパイルが通らない….研究室の自分のマシンにリモートで入ってやろう….

お疲れ様という事で,基本セット+Y先生の奥さんと一緒に中華料理屋に.イタリアまで来て中華!?だがしかし,おいしいと評判との事.店に着き,コースで注文.来たものを皆でわけあって食べます.スープと薬味のキツくない餃子&春巻がおいしいかったです.さて,気になる(?)話題ですが,私が相当弄られました.発表の事ではありません.恋愛…もとい,男と女についてです….「お前はダメだ」的な事を,ボス3とI先輩に散々言われました….Y先生とその奥さんのフォローがあったりなかったり….あ,奥さん,それ,フォローじゃないです.トドメです….

いつもの事とはいえ,被弾しすぎて意気消沈気味にホテルへ戻ります.今日はシャワーを浴びてから寝るとします.発表を済ませたので,ゆっくり眠れます….


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第4日目 〜束の間の休息?〜

睡眠時間は3,4時間って所でしょうか?…まぁ,思ったより寝ましたかね….朝食後,しばらくしてから会場へ向かい,ポスターなり何なりを一通り見て回ります.さてさて,論文を投稿せねばなりません.今回の論文の投稿システムは,TEX形式の本文と,図などのファイルを一つ一つキャプションを指定してアップロードする必要があります.しかも,私の論文の図は計50枚ほど.しかもファイルサイズもなかなかのもの….異常なまでに手間がかかります….

そうこうしているうちに,お昼ご飯の時間に.基本セット+外部の先生といっしょに,ピザを食べに行きます.さすがに,本場のピザはうまい.チーズの量も焼き加減もGOOD!さて,午後一のポスターセッションでは,I先輩が発表します.しかしその前に,仕事ができました.明日,基本セット+Y先生の奥さんと一緒に,ピサ観光をする事になったので,チケットの手配等をする事になったのです.ピサまでのアクセス方法などを調べていたら,いつの間にかセッション終了間際に.片づけを始めようとしていたI先輩に発表してもらいました;.

さて,先生方の確認を取り,明日の列車のチケットを購入しに行きます.ここフィレンツェは観光地.英語は通じるでしょう.となれば,窓口へ特攻です!…相手の声がくぐもっていて,聞き取り辛いです….やり取りに苦戦していると,その姿をを見かねたI先輩が要所要所で通訳してくれました.聞き取り能力の差か…と思ったら,先輩には少しだけアドバンテージが.先輩のすぐそばにスピーカーが….あぁ…そういう仕組みだったのね….いっぱいいっぱいだったせいか,気付きませんでした….そんなこんなで,無事に切符を買うことができました.

夜は私の提案でトスカーナ料理を食べに行く事に.ガイドブックには「要予約」とありましたが,別段必要ありませんでした.しかし,やはりそれだけの店ではあります.店の雰囲気は上々,料理はうまいしワインも飲みやすい.ステーキっぽいのはややレアでしたが,レアが苦手な私でもそれほど気にはなりませんでした.店員さんが面白かったですね.飲みたがらないI先輩には少ししか注がなかったりw.セクシーボイスな店員もいました.いい店でした.デザートはチョコケーキ.チョコの練りこみってのはあんまり好きではないですが,ほどよくビターでいい感じでした.

店を後にし,Y先生の宿泊先へ…と,宿泊者以外の連れ込みは禁止との事.I先輩を残し,我々のホテルへ移動し,ビールとワインと生ハムを手にして談笑します.非常に眠かったのですが,話を聞いていたかったので頑張りました.Y先生夫妻がお帰りになったところで,就寝….


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第5日目 〜イタリア満喫行〜

さて,今日はピサ観光です.早起きをして,出かける準備をします.朝食後,私は昨日買った切符を片手に単身駅窓口へ.乗る列車に特別料金が必要だったかどうか,不安だったもので;.特に必要ありませんでした.よかったよかった.集合時刻になり,切符を持って皆でホームへ移動します.イタリアの駅は,改札はありませんが,切符に時刻を刻印する必要があります.専用の機械に切符を突っ込みます…が,文字のある部分へ刻印されてしまいました;.これでいいのか?…迷った挙句,逆側にも刻印します.…もしかして,逆にダメかも?バスの切符らしきものに刻印しようとしているおばちゃんがいました.…大丈夫なのか?

列車に乗ります.二等車なので,なんともまぁ庶民的な内装です.冷房がついているようですが,効いていません.ま,キニシナイ.発車予定時刻になっても,列車はなかなか動きません.ま,イタリアだし.数分遅れて発車します.さて,先ほどの刻印の件もあり,検札が心配です;.20分ほどして,ガタイのいい車掌っぽい人が,切符を見せろといってきます.果たして……別段,問題はありませんでした.ふぅ….イタリアの電車では,アナウンスが無いそうです.実際,ありませんでした.乗り過ごさないように気をつける必要があったので,ずっと起きてました.視界に広がるのどかな田園風景,統一感のある伝統的な町並み.きれいですねぇ….途中,ボス3&I先輩より「窓から飛び降りろ!」との指令が.自分らでやって下さいよ….

1時間強でピサに到着.案内板によると,かの有名な斜塔は,駅から北へずーっと行ったところらしいですね.町並みを堪能する目的もあり,歩いていく事にします.ツアー客がいたので,その流れに乗っていたところ…バスに乗ってますね;.我々はそのまま歩いて移動します.シティマップとあったので「地図をくれ」といったら,コピーみたいなのを渡されて2ユーロとられました.その間も皆さん歩いていってしまってますし,現在力の道筋をマーキングしてくれた事もあるので,文句を飲み込んで去ります.今回の学会を運営する大学であるピサ大学がありました.門を見る限り,大学には見えませんでした….

斜塔のある教会に着きました.意外にでかい&想像以上に傾いている気がします.同じ敷地内にある洗礼堂も,少し傾いていますねぇ.何枚か写真を撮って,斜塔に入るためのチケットを買いに行きます.6人分で90ユーロです.手持ちは…何とかあります.ま,カードでもOKらしいんですがね.斜塔の見学にはミニツアーが組まれていますが,それまでには2時間ほど余裕があります.先に墓地と洗礼堂を見る事になり,結局みんなでチケットを買いに行きました.個人的には礼拝堂も見たかったんですが,時間が無いでしょうねぇ.

公衆トイレがありました.30セント必要との事でした.まずは墓地に入ります.そこここに石の棺が飾られています.あいかわらず,彫刻が凄いです.お約束どおり,「入れ」と言われました;.足元には名前やら何やらが彫られた長方形が,ずーっと並んでいます.…これもお墓なんですかね?多分そうでしょうが….磨り減るほどみんなに踏みつけられてるんですが,いいのでしょうかねぇ….壁画を修復しています.まぁ頑張って下さい.巨大な彩色済みレリーフがあります.ルネサンス前の宗教画なので,遠近感がありません.どうも違和感があります….回廊っぽく一回りできるかと思いきや,修復中なのか何なのか,Uターンする事に.回廊って事は,中庭があります.…何を言われても,走ったりしませんよ!

洗礼堂を見学します.ん〜,暗いですねぇ.しかしまぁ,音がよく響きます.階段があったので,昇る事に.上から見下ろすと,なかなかの眺めです.一通り堪能した後,降ります.すると,職員のお兄さんが中央の壇上に立ちました.「みんな静かに」と.…残響が凄いです.反響が凄いです.お兄さんが,単純に「ハー」とか「ホー」とかを,音程を変えて発声しているだけです.でも,凄いです.来てよかった….お兄さんの仕事が終わって,近くにいたお姉さんが発声しました.彼女は怒られましたw.外へ出て,芝生に寝っ転がります.天気がいい日の日陰で,いい具合に風が吹いて,気持ちがいい….

時間になりました.荷物を預けて,いざ斜塔へ!…ひたすらぐるぐる昇ります.斜めの塔を螺旋階段で昇るってのは,もう変な感じです.平衡感覚が狂いそうな中,要所で壁に手をつきつつ,黙々と昇ります.中間地点で外に.ここで,現在上にいる組と入れ違うわけですね.ここからだけでも眺めがいいです.ただし,傾いているのがちょっと怖いですねw.続いて,最上階部分へ行きます.かなり眺めがいいですねぇ.その分怖いですがw.屋上へ.階段に奥行きがなく,回転半径も小さいため,冷や冷やモノです;.さらに上の部分へ!さっきよりも厳しい階段を昇ります.何気に外より怖いです….さすがに,眺めは凄いですねぇ.統一感のある町並みは,「魔女の宅急便」を連想させます.人がゴミのようだ!お約束ですねw.飛べ!言われるのも,お約束ですがね….時間になったので,降ります.…昇りより怖かったです….

さて,お疲れ様という事で,ちょっと遅めのお昼ご飯に.近くのBARで,適当に注文します.話題はと言いますと…いつもの事ながら,言われ放題でした….お土産をいくつか買って,集合時刻の16時になりました.…いやいや皆さん,今から買わないで下さい….余裕がなくなったので,駅までとにかく黙々と歩きます.…間に合うのか心配にもなりましたが,何とかなりました.ただし,刻印が凄く薄い….まぁいいでしょう.眠くなったので,帰りの列車内で軽く寝ます.いつ検札が来てもいいように,スタンバイモードで,ですが.無事,フィレンツェに到着し,ホテルに戻ります.そろそろ夕飯の時間ですね.

ボス1とボス3は,学会のバンケットに出席です.70ユーロのイタ飯を食べるためにジャケットを着て出陣しました.私はというと,Y先生達とラーメンを食べに.イタリアまで来て…ですが,Y先生達は別の学会のため,あと9日ほど滞在予定らしいので,日本食を食べるのもいいでしょう.…ラーメンが日本食?というか,店が日本です.日本語で接客されましたw.客も日本人ばっかりでしたねw.付け合せのチャーシュー丼は,おいしいかったですが,ちょっとクドかったです.帰りがてら,ジェラートをご馳走になりました.久々に食べるアイスはうまかったです.

Y先生達と別れ,ホテルに戻ってシャワーを浴び,一人の時間を過ごします.…少しホッとしました….


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第6日目 〜自と他の美意識〜

…疲れのせいか慣れのせいか,そこそこ寝られました.朝食を済ませます.クロワッサンとバターとハムとヨーグルトとジュース.毎朝同じメニューですが,もとより朝食なんてそんなもの.大して気にはなりません.さてさてどうやら,今日の午前中はドゥオモorその隣のジョットの鐘楼に上るらしいです.…大丈夫ですかねぇ….とりあえずドゥオモへ向かいます.はて,人気の場所だというのに,誰一人として並んでいません.ん?張り紙がしてあります.「イベントがあるため,10時から16時以外は空いていません」との事.現在9時です.仕方がないので,初日に入れなかったウフィツィ美術館へ行きます.

こちらはそこそこ並んでいます.…と思いきや,この列はどうやら予約客.反対側へ伸びる長蛇の列があります.どうやらそっちが予約なしの客の列です.もちろん予約をしていない我々は,長蛇の列の最後尾へ回ります.ボス達のタバコタイムを挟みつつ,目玉は何か,どう見て回るか,などを話し合います.1時間ほど経ったでしょうか,やっとこさ入場です.空港並みに厳重なチェックをされます.お土産用のワインか何かを手にしたお姉さんが,注意されていました.この美術館は,以前,テロの被害に遭ったそうです.中に入ると,いきなり階段を昇ることに.どうやら3階から回るらしいです.ルートはほぼ固定ですね.

はてさて,中世ヨーロッパの建物は,天井が高いです.=昇のに費やす労力は大きいです.…もう既に疲れました….この調子じゃ,ドゥオモも鐘楼も,昇れなかったのでは?廊下には彫像がわらわらと置いてあります.一人ぐらい大道芸人が交じっていたかもしれませんねぇw.実際,初日に来たときには,外に彫像っぽい人がいまして,動き出したその人を見て,子供が泣き叫んでいましたw.それにしても,皆さん裸がお好きで….衣類を纏わせたものって,彫るのが難しいのでしょうか?

ここウフィツィ美術館では,年代およびテーマごとに,それぞれ部屋が割り当てられています.奥に行くほど,時代が新しいとの事.まずは宗教画のオンパレードです.…無表情ですねぇ.でもって,のっぺりしてるし.構図にも遠近感が感じられません….仏教の曼荼羅は,はっきり言って図形ですから,そのあたりは問題には感じられないのですが,こちらは何というか….中途半端にリアルですからねぇ.なんともヘンテコです….まぁ,ルネッサンス期のものあたりから,面白いのもちらほらありました.

テラスに出ます.非常に景色がいいですねぇ.町並みがきれいです.ハトがのんきに歩いています.どこの国でも一緒ですね.平和です.普通に撮っても面白くないので,大きなガラスを使って記念撮影しました.テラスをあとにして,階段を下ります.と,ダヴィンチ展がやっていました.…ダヴィンチに対しては,天才だと言うしかありませんねぇ.流石です.入館料が値上がりしても,仕方ありませんねぇ.さて,お土産になりそうなものを色々と物色した後,昼食を求めて移動します.ボス3が「もう一度あの餃子を食べたい」というので,例の中華料理屋へ.スープと餃子と,後は適当に.ショウロンポウを追加注文しましたが,基本的に餃子と同じ味でした.ボリュームと調理法の違いだけなんですかねぇ?

店をあとにし,ホテルに戻ります.しばらくして,学会の会場へ,ネットをやるために向かいます.…数分間だけつながった後,一方的に切れてしまいました.どうやら,学会がお開きになり,無線LAN使用のリミットを迎えたらしいです.時間は17時.私は,どうしても買っておきたいものを求めて,出かけました.ついでなので,小洒落たデパートへ立ち寄ります.…なんだか場違いな気分ですねぇ….時間も限られているので,デパートをあとにし,とりあえず目的の店へと向かいます.…いつもながら,あれもこれも買いたくなりますねぇ.散々悩んで,いくつか購入.

18時過ぎにホテルに到着.今日は広場で夕食との事.さっそく向かいます.2つの店が,我々を取り合います.こう言っては何ですが,面白かったです.入ってからは,のんびりな我々を捌けさせようとしているのか,店員の態度がよろしくなかったのが残念です.食後は,飲み足りない基本セットで二次会に向かいます.駅に程近い五ツ星のホテルのバーで飲むことに.ジントニックを注文しましたが,やっぱり素直にカシスソーダにすればよかったか….テラスに出て,さらに上れるところまで上ります.…なんというか…すばらしく景色がいいですねぇ.皆さん,この場に女性がいないことが不満のようです.せっかくのいい気分に,水を差さないで頂きたいですねぇ….フィレンツェにもう一度来る機会があれば,またここで飲もうと思います.


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第7日目 〜敵は傍らにこそ〜

本日でイタリアとお別れしなければなりません.名残惜しい…というか,色々と不完全燃焼な部分もあったので,ちょっと残念ですね.ボス3は早朝の別便で帰国との事.ボス1と私には,まだ時間的余裕があります.と,いうわけで,朝食を済ませ,チェックアウトをします.…何気に,ボス3のネット代を踏み倒しましたw.フロントに荷物を預け,お土産を物色するために街へ繰り出します.

私の目的は,グラッパ&ワイン.グラッパとは,ブドウの搾りかすから造る,アルコール40%程度の蒸留酒です.蒸留酒が好きなんでw.また,フィレンツェの属するトスカーナ地方は,ワインの産地でもあります.これらを買って帰らないという選択肢はありません!とりあえず,初日にボス1がワインを買った店に行きます.…正直,お酒に詳しくない私には,どれを買えばいいのか分かりません….こうなったら,ボトルの形状で決めます.シンプルでスマートで,でも少しオシャレなボトルを手に取り…高い….まぁでも,気に入ったので買います.ワインもテキトーに選んで買いました.料理が得意なボス1は,パスタを買いました.

その後はぶらぶら歩きます.やっぱりカバン屋がちらほら.ボス1はカバンを物色し,購入.さて,そろそろ空港へ移動する時間ですね.ホテルに戻って荷物を受け取り,重い手荷物からスーツケースにお土産を移し変えます.バスターミナルがすぐそこにあるので,楽ですねぇ.しかしスーツケースがやたら重い….重量オーバーは確実ですねぇ….しばらく待って,バスに乗ります.シャトルバスなので,空港までノンストップです.

空港着.チェックインはまだ始まっていません.フィレンツェのペトローラ空港は小さな空港で,特に何にもありません.おとなしく待っていると,ようやくチェックインが始まり,列に並びます.さて,我々の順番が回ってきました.ボス1の荷物を台に載せます.…10kgオーバー….お疲れ様です.私のを載せます.…12kgオーバー!?ボス1のワインを1本,ボス3の小型プリンタを一台を収納しています.これだけで6kgくらいになりますからねぇ….重量オーバーって事は,エクストラチャージを取られるって事です.別窓口へ支払いに行きます.果たしていくらか….1kgあたり36ユーロ,=432ユーロ!!日本円にして,約6万5千円です!!!んなぁぁああ!!!ホテル代を頭割りしたものより多いです….泣く泣くクレジットカードを手渡します….もの凄くガッカリしながら,チェックインを済ませます….

ロビーでしばらく待って,ゲート→バス→飛行機.機内食は,やっぱりテキトーな….このままじゃ,負のオーラが漂い始めますよ;.パリに到着し,最後のお土産ターイム!配布用のチョコレートなど数点を買いました.ヤケにはなっていませんw.乗り継ぎの飛行機は,行きと同じ,JALとのコードシェア便です.やったね!しかし窓際です.トイレに行くには,2人またいで行かねばなりません.うむむ….嘆いても仕方ありません.オンラインチェックインによる座席指定って,重要ですねぇ….

行きと違って,心に余裕があります.長いフライトです.暇です.文庫本は,あろうことか,荷物と一緒に荷物入れに入れてしまいました;.仕方がない,映画でも見るか.個別ディスプレイ万歳!まずは「ダ・ヴィンチ・コード」.小説版は既に読破していたので,あらすじも何も,ほとんどわかっています.が,やっぱり映像化されたものってのも,見たいですよねw.…様々端折ってありますが,あらかた小説版と同じでした.続いて「X−MEN・ファイナルディシジョン」.三部作の完結編ですが,実は私,第一部も第二部も見ていません.まぁ,X−MENの主要メンバーについては設定を知っているので,どうって事ないですがね.見応えはありました.アクションがもう少しスピーディだと,もっとよかったかもです.

前回同様,少しくらいはウトウトできたフライトでしたかね.さて,わが祖国,日本に到着しました.お疲れ〜.荷物を待っていると,なにやら私の名前を呼ぶ声が….JALの職員さんですね.ハイハイ,何でしょう?………ハァ!?私の荷物が届いていない!?…コレが世に言う,恐怖のロストバゲージか!!手続きのため,書類を色々書きます.うぅ….何とも面倒な荷物のヤロウです….まぁ,あの荷物を家まで持って帰る手間が省けたってことにしますか….駅から徒歩2分の私にとって,さほどのメリットではありませんが….

家に着きました.さてさて家族の反応は….「あれ?あんたが帰ってくるの,明日じゃなかったっけ?」…そうか,お土産いらないのか.といっても,手元にはほとんど無いんですがね….というわけで,スーツケースが無いことの顛末を説明し,大いに笑われます.まぁ,こんな我が家ですが,やっぱり気楽にいられるのは,この場所ですねぇ.


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あとがき

え〜,アホみたいに当たり前のことですが,英語力がモノを言いますね.もう,必死でした.前回よりかはマシでしたが,まだまだでしたねぇ….

イタリアの感想ですが,なんというか,やっぱり大雑把ですね.細やかなサービスというのは,期待できませんねぇ.特に,生活空間としての側面からホテルを見た場合,日本には敵いませんね.ただ,それがイタリアのいい面でもあります.のんびりゆったりですから.

イタリアの食は,普通においしかったです.基本的に,小麦粉とハムとチーズとトマトとオリーブオイルで構成されてるんですが,ちゃんと変わり映えしてますし.ただ,食というより食事に問題が.ほぼ毎回,恋愛…というか,男と女についての会議(講義?)が開催されました….いや,まぁ,私に女っ気が無さ過ぎなので仕方が無いのかもしれないんですが,勘弁して下さい….自分の心を歪めてまで,恋愛したくないです….

スーツケースは,当然ですが,後日郵送されてきました.…傷がついています.ベルトが紛失しています.はぁ….修理に出すほどではないですし,ベルトも領収書とかないですし….保険適用,するだけ無駄な気もしましたので,まだやってません.

長くなりましたが,これにてイタリア奮闘記を締めさせていただきます.読んで頂き,ありがとうございました.


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written on 2006.10.10




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