髪切屋NOW 店名の由来


母親の病気を機に青森へ帰り、独立する決意をしました。
1月・東京から戻り、わずか1ヶ月で出店先を決め、打ち合わせ・内装工事契約と、
4月にはスピード開業する運びとなりました。

御存知の通り、青森地方はこの時期、厳冬で寒い日々が続きます。
出店に関しての当時の私の心情はプラス思考で、「どんな場所でも俺ならお客様を呼べる」
また「金融機関からの借り入れもない持ち出し経営を志していましたから企業は必ず成功する」と確信してました。
だが、幼少から幾度となく知っているはずの青森県の冬を久しぶりに体験すると、
身震いする一抹の不安もないわけではありませんでした。

其の時期、出店の為の打ち合わせで市街を奔走していると、
生後間もない一匹の子犬(紀州犬)がダンボールに入って歩道に捨てられていました。
猛吹雪の最中、目を瞑り・体を凍えているあの光景は、TVのドラマのような遭遇でした。
私自身も私の家族も犬が大好きでしたし、その子犬を育てる事を決め自宅へ連れて帰りました。

家族みんなが喜んで迎えてくれたその子犬の名前を「
ナウい名前」にしたらいい!・・・と、父親が切り出しました。

そうです。NOW(ナウ)と言う店名は、その
ナウちゃんという子犬の名前に由来します。

「開店前の一抹の不安」と、「来店されるお客様を自分の家族と思って大事に」と言う当時の私の心情が、
あの大雪の最中、
必死に生きようとする子犬の生命と自分とが重なり
いつも・「
あの当時の初心の心」を忘れないと言う思いから、屋号にと決めました。

その
子犬と自分は、共に生まれたばかり。一緒に育って歩んで行こうと・・・

その子犬(
ナウちゃん)は、家族みんなに愛され、17年(犬の年齢では84才くらい)の天寿を全うしました。

屋号の看板を見る度に、いつも「初心の心を忘れずに」を思い出し、日々慢心しない心を持ち続ける様に心掛けております。
その心は、後に設立したNOW ENTERTAINMENTにも、精神が引き継がれております。

おかげさまで、髪切屋NOWも皆様に愛され、今日も元気に営業しております。
どうぞ、これからも末長いご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。