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河井寛次郎記念館へ♪

(ブログ「京を歩こう♪」より移行)


平成18年7月29日


日曜日お昼からちょっと散策にと家を出ます。
時間もあまり無いので近場へと東山の方面に歩いていきます。 
智積院でも行こうかな♪と思いながら歩いていると
赤煉瓦のこんな建物が見えてきます。





『たばこ製造工場発祥之地』 と書かれた石碑がありますよ。
『明治23年に村井吉兵衛わが国初めて両切紙巻きタバコを製造。 
同32年米国タバコ会社と合同して村井兄弟商会を設立し、
その名声は世界のタバコ商として知られる。 
明治37年煙草専売法の実施により国営となり建物は専売局専売公社の
京都工場となり村井の技術が大いに役立つ』と立派な石碑がおかれています。
その後、倉庫等として使用されていましたが、廃屋同然と放置されていたのを
財団法人に払い下げられ維持保存され今に至っているようです。


円山公園内の有名な枝垂れ桜のすぐ南にある『長楽館』は、
この「タバコ王の村井吉兵衛」が迎賓館として建てた別邸だったそうですよ。





長楽館正面です。





中に入って建物をパチリ。

こちらは、今はレストランやカフェ、レディースホテル、ブライダルなどに
使用されています。
中はロココ様式の重厚で華麗な建物となっていて3階は和室の書院造りとなって
豪華な造りと斬新な座敷造りは見事で昭和61年に家具を含めて
京都市指定有形文化財となっているようですよ。 
八坂神社、円山公園散策の折に喫茶でもいかがでしょうか♪ 
ちょっとだけ高めだったような。


円山公園内の長楽館から元にもどります。
その後、東大路に向いて坂を上がっていきながらふと思い出します。
そうだ、河井寛次郎記念館に寄ってみようかな。 
きんちゃんお薦めでしたからね。
いつも前を通っても入館したことがないです。





陶芸家の河井寛次郎記念館です。
この東山五条あたりは昔清水焼の窯元が軒を並べていたところです。 
昭和37年に東山トンネルを抜けたすぐの山科区に清水焼団地が出来たため、
今はそちらに全て移転しています。 
寛次郎氏がこの地に住居を構えたのも
このあたりに窯元が集まっていたからでしょうか。


こちら記念館は、寛次郎氏が日本各地の民家、特に飛騨高山を参考にしつつ、
独自の構想の元に設計し、昭和12年に建築された住宅兼工房です。
入館料が900円、ちょっと高いような気もしますが、 入ってみましょう。
そうそう上写真の記念館大看板は棟方志功氏筆となっていますよ。








玄関を入ってすぐのお部屋です。 正面木彫りは寛次郎氏作。 
木彫りもされていたようで各室にたくさん置かれています。








こちらは囲炉裏の間です。





こちらも配置されている椅子やテーブル、家具類は寛次郎デザインによるものや
制作されたものだそうですよ。 寛次郎氏思い入れのお家なんですね。





椅子にはどちらでも自由に座れます。
私はこの窓際の椅子に座って庭を眺めながら
ノスタルジックな心和む雰囲気の中に浸ります。
静かですね。
寛次郎氏もこの椅子や囲炉裏の前に座って
作品の構想を練っていたのでしょうか。





しーんと静まりかえった家の中に柱時計がチクタクチクタク。 
昔にタイムスリープしたような・・・・・。
 

この時計は昭和12年の新築時に寄贈されたものだそうです。
今も時を刻んでいるんですね。 素敵ですね。


しーんと静まりかえった家の中に柱時計がチクタクチクタク。 
昔にタイムスリープしたような・・・・・。
 

この時計は昭和12年の新築時に寄贈されたものだそうです。
今も時を刻んでいるんですね。 素敵ですね。








各室の電灯笠も寛次郎氏のデザインだそうですよ。 洒落てますね。





タンス階段を上がると2階です。 真ん中が吹き抜けになっています。
造りが粋ですね。





吹き抜けの下が先の囲炉裏の間です。 
吹き抜けの向こうのお部屋は書斎となっています。








寛次郎氏の作品が展示されています。





2階の書斎です。 
こちらの机も椅子も寛次郎氏デザインによるものです。





在りし日の寛次郎氏と同じ書斎です。





すぐ横が吹き抜けになっていて障子越しから囲炉裏の間がのぞけます。
こちらの書斎の椅子に座ってしばしまったり♪ 
コーヒお願いしたい感じ(*^_^*)





2階の和室です。 
こちらにも寛次郎作の木彫りが置かれています。





こちらは、中庭の丸石です。
知人たちより灯籠寄贈の申し出を丸石にしてもらい、
寛次郎氏があちらこちらと動かした後、現在の場所に定めたそうです。 
灯籠を丸石ですか。 奇抜な発想ですね。 
でもこの石、違和感ないのもすごいですね。





中庭全体です。 左側が住居です。 奥正面に陶房と登り窯があります。





中庭を挟んで住居の斜め向かいにあるお茶室の窓より。 
陶房への階段手前右側になります。 
近くに趣のある井戸もありますね。





こちらは素焼釜です。
乾燥された粘土の作品はこの釜に入れられて火度600〜700度、
8時間前後松割木で焼かれ素焼きの状態になるそうです。





陶房です。 こちらに座って作品作りされていたのでしょうね。








寛次郎作の陶器が並びます。 良い色が出ていますね。





試験用陶片とのことです。 こちらも良いですね。








陶房の奥に登り窯がド〜ンとあります。
TVなどで見かけますが、実物は初めて。  大きいですね。


素焼きされた作品は薬をかけた後、この釜に入れられ
火度1350度ぐらいで焼かれました。
火は二昼夜にわたって前の室から後の室へ燃やされ、
2000束の松割木をつかわれたそうですよ。


また囲炉裏の部屋に戻って大テーブルに置かれた寛次郎氏の本、
京都の写真集などを見ながら静かな時を楽しんでいましたら
携帯の音楽が、 あらうるさいな〜誰、
あれ〜私だった(^^ゞ
静寂を見出す音に大慌てで中庭へ。家から用事の電話。 
もっとゆっくりしていたかったのですが、すぐさま帰ることとなりました。
900円の入館料、高いと思いましたが、ここでゆっくり半日過ごす気なら
十分値打ちがあるかもですね。
静かな静かな懐かしい家に帰ったようなお家でした。
さあ急いで帰りましょう(^-^)/~






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