揚げ物は誰にでも好まれるし、誰にでも美味しく作れます。各家庭に定番の味付けがあるので、取り立ててレシピを説明する必要もありません。まあ、それでは「何にも芸がないやん!」と言われそうなので、材料で工夫してみましょうかね。このレシピには、ジビエの中ではトップクラスの高級素材といわれる「鹿のヒレ肉」を使います。なにせ、100キロを超えるエゾシカの大物から採れるヒレ肉は、1頭分1キロあるかなしです。若い鹿なら先ず1キロはありません。500グラムちょっとしか採れないこともあります。なぜ、グルメが血眼になって求めるか、それだけでも分かるというものでしょう? 日本に於いて、この部位だけはお金を出しても本当に良い物は手に入りません。どこに弾が当たったかで、極端に風味が変わるデリケートな部位だからです。え? 味ですか? 熟成が早いので獲って数日で食べられますし、柔らかくて癖がなく、ジューシーでそれはもう……言ってみれば、1パーセントの奇跡です。それを、我が家では揚げ物にしてしまいます。「そんな貴重なモン、揚げてしまうんか? 犯罪やないか!」確かにそうですね。でも、これが一番の食べ方なんですから、エエじゃないですか。
ニンニク、醤油、そして「メン味」という調味料。薄切りのヒレ肉を味の付いたコロモに放り込んで揚げるだけ。立田揚げと同じ要領ですね。簡単です。写真の左に写っているのは、山芋チップス。勿論、材料の山芋は自家製です。精が付きますね。筋肉痛なんかに良く効きます。
ジューシーでしょう? クリックすると拡大写真が見られますよ。緑と赤の和え物が写っていますが、これは「韓国唐辛子のヤンニョンジャン漬け」。どこかのお店で食べた味を、自分流に再現したものです。残念ながら、日本の伏見甘長や万願寺では違う味に仕上がってしまいます。我が家では、韓国の品種を種まきから始めて本物を実現させました。我ながら執念深い「食い意地」ですね(笑)。
ヒレ肉が手に入らない人は、鹿のウデ肉の細切れ肉で同じことをやってください。
一味違った、滅法美味しい揚げ物が作れます。スジは完全に取らなくても大丈夫。
ホントに美味しくできますから、お試しください。