ジビエ料理として知られた食材は大抵お金を払えば入手可能です。一昔前ならハンターしかその味を知らなかったヤマシギも近頃では「おフランス」あたりから輸入されて食通の舌を喜ばせています。しかし、ヒヨドリって売ってますか? 私は知りません。スズメは大陸から羽も抜かずワタも抜かずに冷凍したものが空輸されてきますが、ヒヨドリは自分で獲るしか方法がないんじゃないでしょうか? 以前、狩猟雑誌にヒヨドリ販売の広告が出たことがありますが、すぐになくなってしまいました。やはり、ヒヨドリはお金を払って食べる鳥ではないのですね。自分で獲って自分で料理して食べる鳥なのです。ベテラン諸氏は「ヒヨドリを散弾で撃つのは大人気ない」とか「1発100円の散弾でヒヨドリなんか撃っても仕方がない」とか仰いますが、1度でも食べたことがある人は、そんなことは言いません。なぜなら、凄く味が良いからです。美味で聞こえたツグミと比較すると落ちるとは言うものの、禁鳥と比べること自体がナンセンスです。今許されている狩猟鳥の中では、焼いて食べると、キジや鴨より味が良いのではないでしょうか? 散弾は安いスキート装弾で充分です。空気銃ならなんでもOK.。要は、楽しく獲って美味しく食べれば理屈なんかどうだっていいのです。先ず1羽、試食してください。
骨まで旨いヒヨドリの焼鳥の紹介です。
その日に食べる分が獲れれば満足してしまう体質なので、時間があっても打ち止めにしてしまいます。スポーツハンティングが上等でミートハンティングが劣るという考え方には賛同できません。どちらも分け隔てなく楽しめばそれでエエやないかと考えます。小難しい精神論は分かりません。美味しく食べる為に必死になってクリーンキルを心掛ける瞬間、アレコレ考える間もなく、殺生に対する罪悪感は跡形もなく昇華するからです。生命が食べ物に変わる場には「祝い」こそ相応しい。私共はそう思います。
ヒヨドリは見た目ほど肉はありませんが、味は一級品です。4羽あれば3人が満足できます。
残った羽毛をガスで焼きますが、手早くやらないと火が通ってしまうので注意が必要です。
腹部を指でつまんで引っ張れば簡単に腹が裂けて内臓が取り出せます。全数、腹を出してしまってから、料理ハサミで胴体を「ブツッ」とタテ割りにします。出刃包丁なんか要りません。
これが通称「砂肝」なのですが、寒の時期のヒヨドリの砂嚢には一粒の砂すら入っておりません。全て山の木の実。クリーンそのもの。
これは別の個体の砂嚢。違う種類の木の実ですね。人間にとっては有毒な植物の実を食べている場合もあるようですが、ヒヨドリを食べて中毒した話は聞きません。我が家では砂肝だって大喜びで食べてますよ。
ヒヨドリが食べていた木の実2種。
右上が切り開いた砂肝、右下が内側の硬い皮、左が硬い内皮を取り除いて下拵えが終わった状態。綺麗な色ですね。
ヒヨドリの腸です。以前、これを冷凍保存しておいて岩魚釣りの餌として試したことがありますが、全然釣れませんでした。ミミズなら一発だったんですがね。岩魚の腸や目玉なら釣れるのに何故でしょう? おお、そうだ、今度はヒヨドリの目玉を試してみよう。思いついたら即実行! 来春が楽しみです。
ビッグゲームとは呼べないヒヨドリですが、4羽分の下拵えが終わってみると、結構な量です。モツもタップリあります。足を付けたままなのは、正式なジビエ料理の真似っ子です。何を食べているか分からないお客のために、「鴨でございます」とか「ウズラでございます」という証拠として足を付けて供するらしいですよ、本場欧州のレストランでは。
味付けはシンプルに潰しニンニク2片に醤油を入れるだけ。
モツを全部ドバッ。
合計8個の半割りボディーも放り込みます。
羽をむしっているときに誤って引っこ抜いた首も捨てずに食べます。至極美味。
ニンニク同様、無農薬アヒル堆肥で育てたネギも下拵え。
醤油の量は材料がシットリする程度で大丈夫。漬ける時間は1時間で充分ですが、一晩置いても構いません。まあ、我が家の場合は、午前中に仕留めて下拵えを済ませ、その日の晩飯に並ぶことが多いですね。
肉、モツ、ネギを串に刺して準備完了です。
炭火が一番なのですが、晩飯に屋外でパタパタやるのは今の季節寒いので、手軽なロースターを使ってみました。
ストロボなしで撮影すると、ロースターの火が良く見えます。変なセラミック焼き網と違って、ドンドン焼けます。炭火と遜色ありません。
いやあ、香ばしく焼けました。バクッとかじると骨までメッチャ旨い!
でも、足がなくなってます。チッコイ鳥なので焼け落ちてしまったのですね。素人料理は見た目より味ですよね〜。旨けりゃエエのだ!
お次はモツ焼きです。ネギを挟んでジックリ焼きます。お味は?
もう、酒でもビールでも持って来いって感じ。オヤジ好みの味わいです。
私は骨も残さず食べますが、歯が弱くなった老父は肉を食べた後の骨に熱湯を注いで「ヒヨドリ茶漬け」を楽しんでいました。
ヒヨドリ旨し!