私は鹿のウデ肉、スネ肉、クビ肉、スジ肉、肩甲骨の切り落とし肉が大好きです。背ロースやヒレ、モモ肉も好きですが、どちらかというとお上品な部位よりも、骨にスジがこんがらがっているところのほうが味わい深く歯応えもあって私の嗜好に合いますね。骨付き肉については以前に「鹿肉のアドボ」で一頭分のウデ肉を使ったレシピを紹介しましたが、今回のチャーシューでも二の腕の部位に骨付きの状態で再登場してもらいました。何故こうも骨付きのウデ肉をしつこく紹介するかと申しますと、「ウデは精肉が面倒なので・・・・」とか「スジが多くて・・・・」とか「肉がブロックで採れないから・・・・」とか、様々な理由から敬遠している鹿撃ちハンター諸兄に「骨付き料理 = 簡単美味!」ということを知っていただき、利用度を高める一助になればとの思いからなのでございます。アウトドアBBQブームの昨今のことですから、家族キャンプの際に下拵え済みの骨付き鹿肉をド〜ンとグリルに載っけて焼けば、その一瞬だけでもヒーローになれること請け合い! 日頃、肩身の狭い思いをなさっている世のお父さんよ、発奮なさりませ!
北海道の田舎では大型の業務用フリーザーが必需品です。容量は1台300〜600リットル。それを複数設置している人も珍しくありません。本州だったら後ろ指差されるほどの重装備ですが、私共の地域では持っていない人のほうが異常者扱い(笑)されます。鮭やイカや山菜や鹿、ヒグマ他、とれるものが大きく量も多いですからね。それだけの装備をもってしても、嬉しい大猟に恵まれハミ出てしまうことがあるので、左の写真のように青森リンゴの空箱(発泡スチロール)と保冷材を常備するのがハンターの常識・・・・というか良識となっております。そんな地域で細々と暮らしている私共なのでございます。
今回のレシピでは、雄のエゾシカ(体重140〜150キロ)の骨付きのウデ肉(二の腕)を2本と肩甲骨の切り落とし肉少々を用います。
エゾシカの骨付きウデ肉を3重にした大き目のビニール袋に放り込み、調合した秘伝の漬け汁をブッ掛けます。
※漬け汁の調合比率は本ページ末尾をご覧ください。
やってることは実に単純。やる気さえあれば誰にでも可能なことなのですが、ブツの見た目が極めてワイルドなので血が滾ります。
思わず、親指オッ立ててしまいました(笑)
漬け込み時間は冷蔵状態で1昼夜。またもや発泡スチロール箱が大活躍!
漬け汁から引き上げた骨付きウデ肉を屋外で炭火焼にします。
本物のチャーシューは炉で焼いて作ります。我が国のお店は肉をタコ糸で縛って煮ただけのマガイモノをチャーシューと称して売るところが多くて頭にきますよね? それはチャーシューやのうて、煮豚やっちゅーの! もう任せておけません。皆さん、本物は自分の手で作ってしまおうじゃありませんか!
庭でジュッジュッジュ〜。えもいわれぬ香ばしいニオイが立ち上りますよ。ほぼ同時にキッチンで漬け汁を煮詰めて濃厚醤油味のタレ「えぞの素」を作りますので、まるっきり中華街にいるみたいな素晴らしい芳香が・・・・
※「えぞ一番」・・・・もとい「えぞの素」の作り方はこちら
火入れしていない漬け汁を杓文字でペタペタ塗りながら焼きます。
それにしても、なんちゅうエエ香りじゃ〜
骨付きウデ肉2本の後に肩甲骨の切り落とし肉を焼きます。
どうです? こうしてみると、立派なお肉でございましょ?
鹿のスジは柔らかいので、精肉が面倒臭ければ除去せず、このようにして丸ごと調理すれば良いのです。お試しあれ。
炭火で焼き色を付けた後、屋内に運んで予熱済みのオーブンにブチ込みます。今回のセッティングは、コンベクション(オーブン内の熱気を攪拌して焼き上がりを均一にする機能)、200度で30分、10分休ませ、180度で更に20分。オーブンの能力、肉の大きさ、前処理(炭火焼)の状態で仕上がりは大きく変わりますから、このレシピを再現なさる時は、ご家庭のオーブンを使い慣れた奥様に立ち会ってもらいましょう。調理に失敗した時は、罵り合いで責任転嫁・・・・夫婦不和・・・・家庭崩壊・・・・一家離散・・・・・・・・・・うげげ(大汗)
焦げるようなら、アルミホイルを被せるとグッド。流れ落ちる肉汁の色の変化で焼き具合は大体分かります。こうした肉塊の場合、濁っていた肉汁が澄んでくれば、そろそろ焼き上がりが近いですね。(パシパシのウエルダンが好きな人は、もっと時間が必要ですが)
焼き上がったら、必ず、一晩休ませてから食卓へ!
単にチャーシューと呼ぶには勿体無いような美しい出来映えです。
味付けはチャイニーズ。焼き上がりはフレンチ。
中仏折衷。新感覚の「鹿肉料理」でございます。
写真を撮っている横から手が伸びてきて1枚掻っ攫われてしまいました。私も負けずにツマミ食い(笑)
う、う・・・・旨すぎる!(喜喜喜)
ついに出ました、トリプルハッピー(爆) ラーメンへの使用例はこちら
左の写真は、ウエルダンに焼いた肩甲骨の切り落とし肉のチャーシューを冷蔵庫で20日間熟成したものです。本当に美味しくて、育ち盛りの姪にも食わせてやろうと実弟に電話したら、鹿なんか要らん抜かしよりましたですハイ。おうおう、金輪際やらんわい。んぺ〜
今回のレシピ
エゾシカの骨付き肉 4〜5キロ(二の腕2本&肩甲骨の切り落とし肉少々)
タマネギ 大1個、中なら2個(カレーと同じ刻み方で・・・・つまり適当)
ニンジン 大1本、中なら2本(同上)
青ネギ 1本(4〜5センチに斜め切りにする。手で引き千切っても可)
ニンニク 中1房(潰し器で潰す。擦りおろす場合は少し減らすほうが良い)
ショウガ 中1個(薄くスライスする)
レモン 中1個(軽く絞った果汁を使う。ポッカ100レモンで代用可)
ローリエ 4〜5枚(月桂樹の葉のこと。ローレル、ベイリーフともいう。手で引き千切る)
粗挽き黒胡椒 小匙1〜2杯(挽き立てが最高)
五香粉 小匙2〜3杯(ウーシャンフェンと読む。慣れない人は最初は少なめが無難かも)
八角 大1個(ハッカクと読む。スターアニスともいう。手で揉み砕いて用いるべし)
紹興酒 500ミリリットル(勿体無ければ同量の水で割った嵩増し液500でもOK)
濃口醤油 1.3リットル(キッコーマンの濃い口が無難)
本ミリン 少々(好きな人は適量添加。私は使いませんがね)
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以上を混ぜ合わせて約1升(1.8リットル)の漬け汁とします。
焼き上がったチャーシューに蜂蜜を塗り込むと、甘いタイプになります。
調味、焼き具合、食べる頃合などなど、人によって好みは様々ですから、
このレシピがお口に合わない人も沢山いらっしゃるでしょう。
また、熟成は腐敗と紙一重です。
あくまでも参考程度。そして自己責任。
ご自分のベストはご自分で探し出してくださいね。
グッドラック!
他の部位で作っても美味しいですよ!