GW休暇中に我が家で一番大きな冷凍庫(業務用400リットル)を掻き回していたら、底のほうから覚えのないエゾシカの背ロース肉の包みが二つ出てきました。入れてあったメモから、2002年10月(4年6ヶ月前)と2003年9月(3年7ヶ月前)の某日に駆除で仕留めたものであることは明らかになったのですが、どちらも「お客様用」と添え書きがしてあります。つまり・・・・秋の発情直前の最も肉質が良い時に獲って、来客用に即日冷凍保存した・・・・しかし、ドタキャンで宙に浮いて、後からブチ込んだ他の食品に埋もれてロスト・・・・というテイタラクだったのか? それも、2年連続で(泣)
捕獲後即冷凍した鹿肉の賞味期限は、我が家の設備の場合、2〜3年です。今回のブツは、どちらもリミットを超過しており、解凍したら案の定、肉の酸化臭が漂いました。しかし、自分自身の嗅覚を頼りに、悪くなっているところを削ぎ落としていくと、芯の部分は変質していないことが分かりました。捕獲当日にブロック肉のまま即冷凍保存したから、ここまで保ったのでしょうが、普段のような焼物(ミディアムレアが好き)は避けて、圧力鍋でキッチリ加熱し倒して食すのが賢明だろうということで・・・・
今回のメニューは煮て作る「日本式のラーメン焼豚(えせチャーシュー)の鹿肉版」でいっ!
身崩れ防止のため、タコ糸で縛る!
冷凍肉はドリップ液が滲み出て、タコ糸が赤く染まります。ボウルの底はイチゴシロップ状態。生肉なら絶対に肉から逃がしたくない大事なオツユなんですが、古い肉の場合は全部搾り出してしまったほうが反って風味はスッキリします。とは言え、タコ糸が見えないほどグイグイ縛るのはペケ。肉の形がシャッキリする程度で十分です。
煮豚、焼豚、呼び名はどうあれ、炉で焼かず煮て作る「えせチャーシュー」は、漬け汁に「長ネギ」と「ショウガ」を用いるのが基本中の基本。しかし、「生ギョウジャニンニク」が手に入る今の時期、コレを試さない手はありませんよね?
同じ山の天然物同士だからなのか、エゾシカとギョウジャの相性は焼物に於いて抜群です。煮物もきっと上手くいくと思います。ただ、未知の領域なので、ギョウジャの使用量は控えめなほうがエエやろうということで、今回は味付けを少しアレンジしてみました。
※漬け汁の調合比率は本ページ末尾をご覧ください。
エゾシカ特盛チャーシュー麺、お待ちどう!
今回は、純日本風(?)ということで「えぞの素」は使わず、醤油ベースの市販品を利用しました。えせチャーシューを12枚ずらりと並べて炒めギョウジャをドバッ。極太ギョウジャの白根を散らして、いざ! おお、これはウンマイ! 4年半前の肉とは思えません(爆) まあ、冗談はさておき、本当に美味しかったですよ。拡大写真をご覧くだされ。(チャーシューに目が眩んで味玉のせるの忘れてますが・・・・)
漬け込み時間は冷蔵庫で24時間!
モモ肉のブロックのように肉塊が大きい場合は36〜48時間漬けたほうがグッド。待ち時間の間に他の仕事を片付けます。
アヒルの味玉スタンバイOK!
これは、先日作った豚バラ肉の「えせチャーシュー」の煮汁に、老父が飼っているアヒルの「ゆで卵」を漬け込んだ、いわゆる味玉(あじたま)。ラーメン屋さんでは鶏卵が使われている毎度御馴染みのトッピング食材です。実は・・・・アヒルより更に巨大なガチョウの味玉も作っておいたんですが、数が少なく、老父に先を越されました(怒)
薬味に使えそうな極太ギョウジャをゲット!
ギョウジャニンニクは生長が異常に遅く、一度採取すると回復に2年は必要。そのため私は新しい自生地を求めて徘徊します。今年、初めて入ったルートで、とんでもない特上品を発見しました。まるで新種のネギみたいでしょ? これだけ太けりゃ、白根の部分を小口切りにして、万能ネギみたいに汁へ散らすことができますよ! ラッキー!
ギョウジャの真の良品は、左のようなヤバイところに生えています。写真では尺度が分かりにくいですが、岩肌に足場を決めて上のボサにギリギリ手が届くという感じですね。この場所は、他から回り込むルートがなくて、鹿も縁に生えているヤツを辛うじて齧っているだけでした。完全に手付かず。こういう穴場を見付けると興奮しますねえ。まさに宝の山!
味が染みた鹿肉を漬け汁から引き上げます。ギョウジャとショウガの残骸を取り除いたら、油を引いたフライパンへGO!
タコ糸を巻いたままで焼き色を付ける!
油は癖のないサラダ油。中火で全面をシッカリ焼きます。一回焼く毎にフライパンをお湯で洗うくらいの気配りは欲しいところです。
焼き上がった鹿肉はタコ糸を巻いたまま圧力鍋にブチ込みます。鹿肉全てに焼色が付いたら、ビニール袋に残った漬け汁の出番です。
圧力鍋に漬け汁を注ぎ入れる!
ビニール袋の口を絞って、液体だけ圧力鍋に入れます。
※この圧力鍋のサイズは6リットル(1升炊き)です。
肉が完全に隠れるまで水を足す!
少しくらい水の量が多くても、味がブレる心配は殆んどありません。液面が低くいほうが問題です。
※このサイズの圧力鍋は一度に2.5キロの鹿肉が処理可能!
圧力調理25分 & 一晩放置!
チョコレート色のババロアみたいな血アクを全て除去したら、再び圧力調理で25分〜30分煮て火を消し、蓋やバルブには一切手を触れず、そのまま一晩常温で休ませます。
(注) 調理時間は目安です。あくまでも参考程度に!
鍋を放置している間に、同じギョウジャでも、ここまで差があるということをお目に掛けましょう。左のサイズのギョウジャは普通なら山採りした天然物として十分に上級グレードで通ります。しかし、右のような桁外れのブツと並べると完全に霞んでしまいますね。ひょっとして、この極太ギョウジャは仙人御用達? 是非、拡大写真をご覧ください。
完成した「えせチャーシュー」を保存する!
最後の加熱処理が終わった食品を扱う時は、最低限の常識として、ガス火で消毒したトングを使用し、ツバを飛ばさないためにマスクを着用しています。ベラベラくっちゃべりながら袋詰めするなんて下の下の下。鉄砲撃ちの家庭では5キロ10キロまとめて処理するなんてことが当たり前ですから、保存食を長く美味しく楽しむためにも、汚染源は極力減らしたいですからね。
ご覧のように、食べ切りサイズに小分けして分包すれば、空気に曝される機会が減って風味が長持ちします。写真の「えせチャーシュー」は1包200グラム強。特盛チャーシュー麺なら大人2人前分といったところ。冷蔵庫で1週間は楽に持ちますよ。缶詰用の蒸気釜でレトルトパックすれば常温で2年くらい持つらしいので、設備を持っている隣町の加工センターを今度利用させてもらう予定。
極太ギョウジャは下拵えの段階で3つのパートに分解しました。@白根は刻んで薬味に。A葉は炒めてトッピングに。B袴も炒めてトッピングに。「袴(ハカマ)」というのは、写真のボウルには入っている赤い部分です。茎を覆っている柔らかな皮のようなもので、鞘とか靴下とか呼ばれて殆んどの人が捨ててしまう部分です。何故捨てるかといえば、特別ニンニク臭が強いから。でも私は捨てません。ニオイが強いということは、有効成分も濃いということですから、丁寧に洗って利用しています。クサイけど美味(笑)
炒めギョウジャ準備完了!
サラダ油で炒めて、塩、濃口醤油、牡蠣油、胡麻油で調味するのが私の好み。極太はザックリ刻み、普通サイズはそのままジュバッ!
「えせチャーシュー鹿肉版」 スタンバイ!
タコ糸を解いた400グラム強の「えせチャーシュー」を刺身包丁で少し厚めにスライスしました。このレシピは肉がトコトン柔らかくなりますので、冷蔵庫で冷やしてから切ったほうが作業は楽どすえ。
ウデ肉の端っこ・・・・ポイしてませんか?
タコ糸グルグル、タレにドボン、圧力鍋でプシュ〜、たったコレだけ!
私みたいな野蛮人にだって作れる簡単調理!
この旨い肉を犬猫にやるなんて・・・・
漬けたら1〜2晩ホッタラカシ。煮込みはたったの30分!
スジ引き、精肉、熟成無用のお手軽料理! その上、極旨!
ワンコやニャンコには、背ロースをあげましょう!(嘘)
うりゃあ!!!!!!
スネスジ鹿肉の「えせチャーシュー」、そこら辺のギョウジャニンニク
自家栽培のシイタケ、我が家のガチョウが産んだ特大卵の味玉入り
豪華絢爛、「春の自給自足的スペシャルら〜めん」でおま〜!
このレシピ・・・・鴨とか鳩などの赤身の鳥肉(できれば丸鳥)で作っても美味しいですよ! 煮て作る「えせローストダック(笑)」みたいな感じに仕上がります。圧力鍋で煮ると骨まで柔らかくなるので、小鳥の癖に骨が硬いスズメなんかも一緒にブチ込むと面白いかもしれませんね。今度の猟期に試してみよう思うとりますですハイ。(そういえば、最近スズメを撃った覚えがないです。ヒヨは昨シーズン200超ゲットしましたけど・・・・)
このレシピの良いところは、肉の目方に合わせてタレを調合しさえすれば、肉が完全にタレに沈むまで水を足して煮るだけで、味付けが殆んどブレないことです。生肉を漬けた非加熱のタレを味見しなくて済むのでメチャ安全!
(爆)