小鴨と辣韮の「シシカバブ」

2001年の猟期あたりから南十勝の私共の地域では急に鴨が不猟になってしまいました。エルニーニョの影響とやらで渡りのコースが変わってしまったのか、東北某県からも同様の事態に陥っているとの情報を伝え聞きます。以前は肉量が多い青首だけ狙って他の鴨はカルを含めて全部パス・・・・な〜んて贅沢病が蔓延していたというのに、近頃では小鴨(子供の鴨ではなく、コガモという名の小型陸鴨の一種)を必死になって追い掛け回しております。

小鴨は狩猟できる鴨としては最小で「鴨扱いしない猟人」も多く、青首と比べればランクが2〜3落ちると言い切る人もいますし、獲った小鴨を「獲れていないハンター」に進呈してしまうベテランは今も絶えません。しかし、キッチリ処理して丁寧に扱えば旨いんですよ、コレが。

猟としての醍醐味はデカイ青首と同列で比べれば及ばないとは言うものの、1羽は1羽、鴨は鴨です。同じ貴重なゲームであることに変わりはないと私共は思いますね。

だから、時にエアライフル、時にショットガンで食べる分だけ大事に大事に頂戴するのでございます。

平成17年11月20日の獲物。アメマス18尾、小鴨(雌)1羽。

腹を撃つと腸の臭いが肉に付くので撃ち方には苦心します。クレーみたいに真芯で捉えず、パターンの外縁に頭部を引っ掛けるイメージでリードを多めに取るのが「美味しさのコツ」かも?
(使用銃はRem870+手詰め散弾、チョークはI/M)

獲ったら、即、血を抜きましょう!

親指おっ立ててWEB用の写真を撮ってますけれど、ビニール袋の魚を明るいところに置くのは、本当は、絶対にやってはいけないことです。11月下旬の北海道といえども、僅かな太陽光でビニールハウスみたいに温度が急上昇! 長く置くと鮮度が落ちるので、真似しちゃダメですよ。

←これは悪い見本でっせ。

保冷材入りのクーラーにブチ込んで、駆け足用意、川へ直行!

魚はビニール袋ごと流れに沈め、鴨はナイフで腹を割きます。内臓を引っ張り出して川水で良く洗い、心臓と肝臓と砂肝を丁寧に取り分けました。自宅に持ち帰ったら殺菌水で洗浄して本体を熟成します。

獲ったら、即、内臓を抜きましょう!

鴨といえばネギ。いわゆる「鴨ネギ」ですけれども、毎度同じでは芸が無いという意見もあるので、今回はトルコ料理の「シシカバブ」をやってみることにしました。材料はシンプルに肉とタマネギ。ところが・・・・今年の北海道は稀に見るタマネギの不作年で、我が家の無農薬栽培は、ほぼ全滅。市販タマネギも硬く、苦く、芯が腐っている物が多くてダメでした。という訳でピンチヒッター、

「辣韮」(ラッキョウ)の出番です!

タマネギと同じユリ科なのにラッキョウは大豊作!?

オマケに夏〜秋にかけて2度も花を付ける暴走振り(笑)

活きの良い新葉も出ています。

一応、ラッキョウの旬は初夏なのですが(笑)、

我が家では冬場の生食用に100株ほど掘り上げます。

これで1株分。スコップ振り回してガンガンいきます。

3株もあれば、小鴨1羽の抱き身用としては十分でしょう。

秋は掘る物が多くて大変です。我が家のジャガイモは早生の「トウヤ」なので夏に収穫が終わっているのが救いですね。山芋、ゴボウ、とどめのラッキョウで今年はジ・エンド。ユリ根、アピオス、ツルニンジンまでは手が回りませんでした。ジネンジョも1本くらいは掘りたいところですが・・・・

腰が・・・・・うっ!

じつは、ラッキョウを1粒づつ植え直すために別畝を拵えたんですよ、必死になって。でも、根性尽きて、この状態で畑は春までお休みと相成りました(泣)

1粒植えると分球してドンドン増えます。

年平均7〜8粒に増殖するので超お得!

シシカバブ用には大き目が良いでしょう・・・・多分。

鳥インフルエンザ云々で周囲から五月蝿く言われ、ニトリル手袋とマスク着用で「小鴨」の毛を毟ってます。

いつもなら萎びるほど長く熟成させるのですが、今回は羽が付いたままで冷たい場所に3日間吊るしておきました。

残った綿毛をガスで焼くと、散弾で獲ったとは思えないほど奇麗なお肌でやんしょ?

背中も奇麗っす。

それもそのはず、被弾したのは、嘴と目の間1ヶ所、右手羽の先端1ヶ所、右手羽の付け根1ヶ所、そして首に1ヶ所・・・・計4ヶ所で胴体は無傷! ありがたや、ありがたや、ありがたや、ありがたや・・・・

素早く捌いて肉にしました。実演はこちら!

いやあ、驚きですね。たった1羽の小鴨の胸肉が、こんなにボリュームアップするんですから。ラッキョウと交互に串刺しにしたのは抱き身とササミのみ。腿と手羽はニンニク醤油に漬けて別拵えにしてあります。

ミニミニ・シシカバブ(7串分)準備完了!

味付けは好みの塩を適量モミモミした後、好みのスパイスを振ればOKです。今回はどこにでもある味塩と和風一味唐辛子を使いました。トルコ料理というよりも一杯飲み屋の味付けですが、旨けりゃ理屈はどうでもエエのです。それにしても鴨肉の美しさといったら感動的ですらありますね。焼かずに「鴨刺」でイキタクなります。でも、今のご時世、それはちょいとデンジャラス。

鴨ガラスープも同時進行中!

久々に「岩盤刳り貫きコンロ」を持ち出しました。

※本式のシシカバブはサーベル型の長大な串を使いますが、小鴨1羽分だと串1本作るのがやっとなので、普通の短金串で嵩を増やしてみました(笑) でもこれって、シシカバブ(トルコ)というより、どうみても焼鳥(ジャパン)ですよね・・・・・・・・ま、エエか。

香りに誘われて、やっぱりオカンがどこからともなく出現。

ウサ丼(BBQ味)の時みたいにパタパタやられると困るので、慌ててウチワを隠しました(爆)

串の位置をトラップ射撃と同じ要領で1本づつずらしながら、焦げ付かないように脂が燃え上がらないように忙しく立ち働きます。火傷が怖いので、皆さんもBBQの時は必ず軍手を使いましょうね。

岩盤刳り貫きコンロは非常に熱効率が良く、少ない炭でも瞬く間に芯まで火が通ります。

お次は、別拵えのニンニク醤油焼き。

鴨の腿と手羽、そしてモツ。増量目的で追加捕獲したヒヨドリが1羽分混じってますが、どれがどれだか分かりますか? クリックして拡大写真をご覧ください。え? ヨダレが止まらん、ですって? そういう人は今度の休日に出猟しては如何? 「ニンニク醤油焼き」なら材料入手も楽チンです。猟免の無い人は次の機会にゲットしましょう!

ホカホカ、旨〜

ラッキョウといえば、塩漬け後に酢で漬け直したピクルスとして食される他は一部の生産者が生食しているに過ぎず、加熱調理は一般的ではありません。しかし、江戸時代には煮物としても広く利用されていたのだとか。(因みにラッキョウは中国原産です)

焼くと辛味が消えてモッチリした食感に変わります。タマネギみたいに甘くはなりません。臭さがなくて食べやすいけれども、鴨独特の風味と溶け合って味わいを倍増させる長ネギのような「特殊効果」は無いようです。う〜ん、この食べ応えは、どこかで・・・・・「あ!」

多分、これが本場トルコ(風●)の味!・・・・って、おいおい(汗)

寒空の下で熱々の鴨ガラスープを啜りつつ、炭火焼のゲームミートをパクついていると、心の底から鉄砲撃ちで良かったと思いますね。1羽、1頭、1尾に満足できるライフスタイルをいつまでも続けていきたいものです。

                                 合掌