クリーンキルに必要な威力について

2003年の春、日頃悪さをしているカラスが私共の所有地に営巣しました。害鳥とはいえ、子育てしている鳥ですからそっとしておくと見事に全てが巣立ちまして、俄然騒がしくなりました。前年の駆除(上の写真のエース「改」使用)でほぼ殲滅し、残るは3羽といった状態になっていたのですが……。
気が付くと、巣を掛けたカラス一家だけでなく、方々からジャンジャン寄り集まってくるではありませんか。うるさいだけならと思って放っておくと、ついに放し飼いしているアヒルやガチョウに害が及び始めたのです。
愛用の5.5ミリ口径エースハンター「改」を掴むやポンプ15回。サンダル履きで表へ飛び出しざま装填してトリガーセット。射距離40メートル立射でやっつけました。このときの威力は24.5FP。狙ったのは背中の上部、翼の付け根の辺りです。トドマツの天辺からまっさかさまに落下して一丁あがり。この1羽を吊るして置くと、1時間もしないうちに、全てのカラスが視界から消え去りました。鳴き声すら聞こえません。効果は1〜2ヶ月持続するので、殲滅作戦をやっている時間がないときは、これに限ります。
さて、カラスの矢強さについては伝説的な話が沢山ありますが、実のところ、カラスほどクリーンキルしやすいゲームはおりません。黒いボディのお陰でシルエットが鮮明であり、誰が狙ってもスコープに捉えやすく、しかも、かなりのデカ頭。50メートルくらいまでなら、8グレイン・クラスの4.5ミリ口径で必ずクリーンキルできる相手です。頭を狙えば、本当に威力は要りません。ポンプ7〜8回で十分なのです。
では胴体を撃つ場合はどうでしょう? これはもう、当たり所次第と言うより他ありません。矢強いことで名高いエゾシカを例にとれば、威力3300FPのマグナムを至近距離で発射しても、全体像の中心(ちょうど胃の辺り)に命中させたのでは絶対に即倒しません。必ず、走られます。
「カラスは矢強い」「ポンプ銃は威力がない」そう思っている人は、大抵、黒一色のシルエットに騙されて、中心を狙っているのです。上の写真をご覧ください。尾羽がかなりの面積を占めているのがお分かりいただけるはずです。シルエットを鵜呑みにしてセンターを狙った場合、どれほど正確に命中しても、そこは腰や下腹です。たとえ脊椎を破壊しても羽は動きますから、どんなハイパワー銃を使っても(特殊な弾を使えば別ですが)カラスは飛んで逃げてしまいます。胴体を狙う場合は、思い切ってかなり上目を狙ってください。ただそれだけのことで、伝説は伝説でなくなってしまいます。カラスが魔力を帯びていたのは、遠い過去の話なのです。