青春18きっぷで泊まりの日本海散歩・・・〜そして一週間後、再び訪れたのです〜
日本再発見という散歩が終わって一週間が経った。
再び、オイラは列車の中にいた。そう、再度日本海の駅を訪れる為に・・・・
今回は時間的な制約から日帰りの散歩となった。
2005年3月27日のことであった・・・・
今日は朝から天気がいい。昨日まで雪が降っていたとは思えないくらいの快晴だ。
前回、大糸線〜北陸本線で目的地に向かったが、今回は日帰り・・・
長野〜直江津の信越本線を使って、最短ルートで米山駅を目指すことにした。
松本より篠ノ井線普通列車に乗り込み、長野を目指す。
今日はホント、天気がいい。強烈な朝日が車窓から差込み、容赦なく顔を照らす。
カーテンを下げたいところだが、車窓も楽しみたい・・・・・苦しい選択だ。
明科駅を出たところに旧篠ノ井線と新線の分岐がある。
ここにも廃線跡が存在する。電化と高速化を目的に山を貫く長いトンネルが新線だ。
ここは単線で運用されているが、トンネルは将来の複線化を考えたつくりとなっている。
2本目のトンネルを出たところに旧線の廃線跡が左側に確認できた。
いつか、ここも散歩して確認せねば。
列車は山の中を疾走する。そろそろスイッチバックとその車窓が有名な姨捨駅に到着する。
トンネルを抜けたところで一面の雪景色が現れた。昨日の雪、この周辺ではかなり降ったらしい。
この雪景色と朝日、更に善光寺平の眺望を撮影している人がいた。
確かに、今朝は晴れたし、善光寺平にかすかにモヤがかかっていて、いい雰囲気だ。
しばし、オイラも車窓を眺める。
鉄道ファンの間で三大車窓のひとつとして語り継がれてきた「姨捨駅」。 朝、それも雪降りの直後、なんともいえない雰囲気が善光寺平に広がっていた。 車内からの撮影であったのが残念。 |
列車は姨捨駅を出発、山肌を下りながら一気に善光寺平に流れ込む。
長野駅に到着した。ここで信越本線に乗り換えだ。長野新幹線ができでから、ホント長野駅はすっかり
変わってしまった。しかし、いろいろな車両を楽しめる駅かもしれない。
新幹線、特急しなの、通常のJR車両、しなの鉄道、飯山線のキハ系、いろいろな車両を楽しむことが
できる。ここで、普通列車「妙高1号」に乗り込む。
この妙高1号は旧あさま号の特急車両を転用しているので、通常の普通列車と比較すると非常に乗り
心地がいい。いよいよ、長野を出発、雪深い地域を抜けて直江津を目指す。
牟礼駅を過ぎたあたりから急に沿線に雪が多くなってきた。これだけある雪が春になればちゃんと溶け
てなくなる。日本では四季ってヤツが確実にまわっていることが実感できる。
今日の天気は素晴らしい。少し春の霞がかかっているが、青い空に雪化粧した妙高連山がよく映える。
列車は「二本木駅」に到着。発車する際、いきなりバックし始めたのでビックリ。
どうも、ここはスイッチバック駅らしい。予想していなかったの驚いてしまった。
しかし、そんなに山間部の駅でもないのにどうしてスイッチバックするんだろ??調査が必要だ!
高田駅まで来ると、さすがに雪も少なくなってきた。いよいよ海に近づいていると感じる。
雪の降り方、積もり方はホント、おもしろい。微妙な距離の差でかなり違ってくる。
昔は、1里一尺という言葉があったらしい。一里、つまり約4キロ違うと積雪も1尺違うという意味だ。
長野駅にはイロイロな車両が乗り入れている。 その中でも「しなの鉄道」は目立つ車両だ。 |
3月も末だというのに雪が多い。 青い空、そして雪、いつもいいコントラストだ。 |
北陸本線と信越本線の分岐点にあたるターミナル駅、直江津駅に到着。無用の長大ホームが列車を迎える。
ここまでくると雪は全くない。ここで、小腹が空いたので恒例の駅ソバとおにぎりを食す。
鈍行列車の旅・・・・食べれる時に食べておかないとね。
なんたって、目的地となる駅は大体が無人駅。そんな駅前に食堂があるとは思えない、ましてはコンビニもない。
こういう、接続時間を利用して食事をとるとか、購入しておかないとスケジュールも大幅に狂ってしまう。
1本、列車を乗り過ごすと次の列車がくるまで何時間も待たなければならない。
ここが鈍行列車旅のツライところだ。
直江津駅で列車を乗り換え、目的地である米山駅を目指す。列車内は相変わらずのガラガラ状態。
長い長い直江津駅のホーム かつてターミナル駅として賑わっていたころを 垣間見ることができる。鉄道全盛の頃・・・・・ 今では隅っこに申し訳なさそうに列車が停車する。 |
上からみても大きな駅だと実感できる。 バックに薄く見えている山々・・米山だ。 残念ながら春の霞ではっきりとみえない。 |
米山駅に到着。天気は晴れている。少し、霞がかかってしまっているから妙高連山は見えないかも???
前回の撮影ポイントへ急坂を歩き出した。息切れをしながら・・・やっとポイントに到着だ。
おや??今回は、同業者が既にカメラをセットして準備中だ。
ひと通りの挨拶をすませて、鉄路を見下ろせるポイントに立つ。
残念ながら、天気はいいのだが霞がかかっていて妙高連山を見ることはできない。
普通列車と臨時列車、更に特急「北越」を撮影して、周辺を散策した。
撮影ポイントへ、坂道を登ってたどり着いた。 今日、天気はよかったが、残念ながら春の霞の 影響で妙高連山はみえず。 いつか必ず逢いにくるよぉ〜! |
EF81に牽引された臨時列車が海沿いを疾走。 この電気機関車も絵になる車両だ。 上から撮影すると、違った雰囲気にみえる。 |
今日は晴れているので、海の色を満喫できた。この周辺はなんともいえない素晴らしい青色をしている。
新潟中越地震の影響を思われる土砂崩れポイントまで移動する。
土砂崩れを目の前にして、その自然の驚異に驚くばかりだ。道がすっかり流されている。
その土砂が海岸線まで迫っており、遊歩道となっている旧線跡のトンネル入り口を半分塞いでいた。
この周辺では、地層も確認できた。この辺の地盤は弱いのだろうか???
道路にも亀裂が入っており、もちろん通行止めとなっていた。
土砂崩れで旧線のトンネル(現在は遊歩道として 整備)入口が半分位塞がれていた。 けど、ここの遊歩道は歩いてみたい気分だ。 ん?そんなこと思っていたら長靴で歩いている人 を発見!!歩けるんだ!! |
危険を承知で土砂崩れ現場へ。 道路が突然無くなっており、海岸線へ大きく えぐられていた。 ここはマジ、怖かったですよ! |
米山駅へ線路沿いの道をだどりながら歩く。ここも雰囲気がいい場所だ。
海をバックに米山駅の駅標を撮影しながら、ホームへ・・・・・
今日は天気がいいので、青い海に駅標が映える。
海岸線の旧線跡を眺める。 今日はいい天気。海の色も美しい。 旧線からの車窓は贅沢なモノだったんだろう。 |
米山駅に戻る。 青い海をバックにした白い駅標がいい感じだ。 |
再び鈍行列車に乗り込み、もうひとつの目的地、「青海川駅」へ。
ここでも、降りたのはオイラ一人・・・・・ここでは、充分時間がある。
今日は晴れているので、なんともいえない青い海がオイラを出迎えてくれた。
さっそく、周辺を散策だ。聞こえてくるのは波の音だけ・・・沖をみるとサーフィンを楽しんでいる人もいる。
駅から海岸へ移動する。波が海岸の石に打ち上げられ引いて行く音がなんともいえずいい感じだ。
少し、高台へ移動して青海川駅を見下ろす位置へ移動する。ここで、特急列車の通過を待つ。
眼下に青海川駅と駅に迫る海、左方には谷を一気にわたる米山大橋、その向こうには風力発電の風車・・・・
列車を待つ時間、それらを眺めていれば飽きない。
今日は天気がいいから海の色がいい感じ・・・ 白い駅標に蒼い海・・・・これが青海川駅! |
鉄路のはるか上を走る国道8号米山大橋・・・ これをみても、移動の花形が鉄道からクルマ へと変わっていったのがわかる・・・・・ |
やっと眼下のトンネルから特急「北越」が走る抜ける。カメラを構えて撮影する。
列車を撮影する時、待つ時間は非常に長いが撮影できる時間は一瞬だ。この一瞬の為に、待ち続ける。
鉄道写真は根気がいることだと実感。しかし、こんな雰囲気のいい場所であれば、待つのも苦ではない。
真下のトンネルから特急「北越」が飛び出して きた。まるで、潮風の中を突っ切って疾走する 感じがする。 |
青海川駅から見る海はその角度や見方によって いろいろな色に見える。 |
高台から移動して、旧線跡を歩く。切り立った断崖に旧線のトンネルがポッカリと穴をあけている。
鉄路が敷かれていたと思われる場所をゆっくりと歩く。
足元には枕木とそれを支える小石が確認できた。確かに以前、列車が走っていたことが想像できる。
この海岸線を、まるで海風を貫くように走る蒸気機関車・・・・・・・・・・在りし日を想像しながら廃線となった
トンネル前に立つ。今は昔・・・・ノスタルジックな気分に浸れるが、今の鉄道を取り巻く状況を考えると
少し寂しい感じがする。
この廃線跡を蒸気機関車が走っていた頃は、鉄道路線の増設、輸送力増強等に対応していた頃だ。
鉄道を取り巻く環境も絶頂期だったであろう。
こういう廃線跡に立ち、在りし日を想像すると、今では考えられない位、鉄道というものが移動の主力で
あり、この先もあり続けるであろう時代であったことが、今改めて認識させられる。
そういう時代があったのだ。複雑な気持ちになりつつ、廃線跡のトンネルをいつまでも眺めていた・・・・。
ここのトンネルもそうだが、この信越本線、米山駅〜青海川駅までは廃線跡が古き良き鉄道の時代を
残している。この海岸線を縫うように敷かれた鉄路、それこそ国の威信をかけ、当時の最高技術を持って
取組んだのであろう。その面影が我々の世代まで大事に残されてきた。
我々も同じように、後世へこの貴重な文化財とも言うべき廃線跡は残す必要があると思う。
いつの時代でも、鉄道というのは誰でも気軽に遠くまで利用できる交通機関だ。
その、みんなの鉄道がどういう歴史を刻んでここまできたのか・・・・
それは、この日本という国が辿ってきた歴史なのかもしれない。
この先、この国の歴史も鉄道というものに語り継がれるだろう。
海岸線に伸びる旧線跡 こういう情景は、鉄道の貴重な文化遺産だ。 是非、後世に残したいものだ。 |
今は昔・・・重要な役割を担ってきたトンネル・・ 役割が終了して深い眠りに入っているようにひっそりと その姿をうつしていた。 |
海に一番近い駅として鉄道ファンの間で語り 継がれてきた「青海川駅」・・・・ 2回目の参上だが、ここで時間を過ごしても 飽きない駅だ。 是非、また訪れたい。 もちろん、夏もいい季節かもしれないが、冬・・ 日本海の荒波に耐える時期もきてみたい。 四季を通じていい雰囲気を持つ出あろう駅だ。 |
そんなことを思いながら、廃線跡を眺め、素晴らしい雰囲気を持つ「青海川駅」の駅舎に戻った。
海を眺めて、駅ノートの書き込みを見る。やはり、鉄道というものに思いを馳せる人は多い。
そろそろ、戻る列車が来る時間だ。ゆっくりとベンチから腰を上げてホームにでる。
そこには、海が無限の広がりをみせている。
この駅を利用する人であれば誰でも、この海を楽しめることができる。
この眺めを何人の人が眺めたのであろう。様々人の歴史を刻みつつ、駅舎やホームが人々を暖かく
迎えてくれる。
オイラが乗車する普通列車がトンネルを抜けてホームに滑り込んできた。
まだまだ、この駅でいろいろと思いを馳せながらボンヤリと過ごしたい・・・・・
そんな、後ろ髪を引かれる思いで列車に乗り込み、家路へと戻る。
明日からまた、日常生活のはじまりだ。
しかし、そんな日常生活がなければ、このような非日常の素晴らしい体験はできない。
家路に戻る列車の車窓を眺めながら、疲れたんだろうか・・・・いつのまにか、深い眠りに落ちていた。
その1も含めて長々と読んで頂き、ありがとうございました。
ここで紹介した写真も、その1と同様、別サーバーにアップしました。
是非、御覧頂きお気楽散歩の雰囲気をお楽しみください。
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