【あんた】
あたしがあんたを初めて見かけたのは
丁度、メルトキオが雪雲に覆われた日だった。
街を出て行くあんたと
街に入ったあたし。
すれ違っただけだけど
なんだかとても悲しげで
儚げで
そして
綺麗な瞳だったことを覚えてる。
「しいなぁ〜。俺様もう歩けねーっつーのよ」
そういいながらあたしの後ろを歩いていたゼロスは座り込んだ。
「なんだい。男の癖にだらしないねぇ〜」
ロイドたちとこうして旅をして、
あんたとも一緒に居る時間が多くなって
色々なあんたを見てきたけれど。
しってるかい?
あたしの中のあんたは最初に見かけたあんたのままなんだよ?
おちゃらけて、テンション高くて
いい加減で、ちゃらちゃらしてて。
でも。
座り込んであたしを見る瞳は
やっぱり悲しそうで
儚げで
綺麗な色。
「はいはい。わかったよ。もうちょっとで街に着くからがんばりなって」
少しだけ来た道を引き換えて声をかけるだけで
その瞳に安堵の色が浮かぶ。
あたし、気づいてた。
あんたはきっと
誰よりも寂しいんだ。
誰よりも悲しいんだ。
だからこうやって
誰かに声をかけて欲しいんだ。
「しいなちゃんおんぶぅ〜」
「馬鹿言うんじゃないよ!」
「だって〜しいなにおんぶされれば〜俺様の手はしいなの…アイタっ!!」
「それ以上言うんじゃないよアホ神子!」
そんなあんたがほっとけなくて
気づいたらあたしはあんたを好きになってた。
「ゼロスー。しいなー。漫才してないで早く来いよ〜!」
遠くから呼ぶ声に
「はいはい〜ロイド君〜」
うれしそうに走り出すあんたの後姿。
悲しげで
儚げで
そう感じたことはたくさんあって
今もそう感じる。
だけど。
「ちょっ!戻って声かけてやったあたしは置き去りかい!!」
そうやって仲間と楽しそうにしてるあんたを見てるとちょっと安心するんだよ。
あんたはもう、寂しくなんかないだろ?
気づくと目の前に手が差し伸べられて。
顔を上げるとゼロスが居て。
「ほら。しいなも早く行こうぜ?」
「あんたってやつは・・・・」
差し出された手を無視して歩き出したあたしの後ろから
「しいなちゃーん・・・」
ちょっと落ち込んだ声が聞こえる。
振り返って
あたしから差し出した手に
ゼロスは驚いた顔をしたけれど
それでもうれしそうにその手をとった。
「なぁなぁ、なんで俺様の手を無視したのに手出したのよ?」
「決まってんじゃないか。あたしが出した手をあんたが取れば、
あんたはあたしに助けられたことになるからね」
「え!ちょっ!それひどくね?」
「あんたに貸しを作ると何言われるかわかんないしねー」
「俺様そんな小さいこと貸しにするような男じゃないぜ?」
「どーだか」
「ま、でもしいなから手を差し出されるってのもいいなぁ」
「どうしてだい?」
「俺様のこと、気にしてくれてるんでしょ?」
「ば・・・馬鹿神子!!!」
つないだ手を振りほどく。
綺麗な瞳があたしを見つめるけど
あたしは少しだけ目をそらした。
小さく笑ったゼロスが
そのままあたしの手をつかんで
ゆっくりと歩き出す。
「なにすんだい!」
「いいじゃん、こうしてよーぜ?しばらくさ。」
あたしもさ。
実は寂しがりで
だからあんたと似たもの同士なのかもしれないね。
つないだ手から伝わってくるぬくもりを
ちょっと心地よく感じながら
あんたは
寂しがりで
儚げで
瞳の綺麗な
あたしの大事な人だって再確認した。
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大事な人だなんて!!!!きゃ〜っ!!
↑壊れ気味。
真輝どんいつもありがとうございます!
支えあってる二人、好きです。
ゼロスの瞳ってきれいだよなあ…。
射抜かれたら何もいえなくなっちゃいそう。
…真輝どん、うち仕上がるの遅くてすみません。
。。゛(/><)/
◇ 砂 ◇