あんたと過ごす時間。
お前と過ごす時間。
あと一体どれだけの時間が
自分たちには残されているんだろう。
【タイムリミット】
「おーい。しいなぁ〜!」
しいながメルトキオに来る時は
必ずと言って良いほどゼロスがいた。
「またあんたはこんなところでフラフラしてるのかい?
まったく神子様のくせに遊び歩いてるんじゃないよ。」
「えー?俺様しいなちゃんを迎えに来たんだぜ?」
「どうだかねー。」
そう言ってゼロスの横を通り過ぎるしいな。
でも実はこうやって毎回入り口まで迎えに来てくれることが嬉しかったりもする。
風変わりなミズホの民。
街の視線は決して暖かいものではなかったし
しいなは正直この街が好きではなかった。
それでもこうしてゼロスが横にいると
少しは心強かったりしたのだ。
「なぁ。なんでいつも入り口で待ってるんだい?」
ちょっと勇気を出して聞いてみた。
「べっつに?ついでよ?ついで。」
そうやっておちゃらけるけど、他に用事があるわけないことはしいな自身わかっていた。
「お前が〜上流区とか入ったら、俺様のハニーたちが騒ぐでしょ〜?
街の治安を守るのも俺様の役目ってわけよ。」
「そうかいそうかい。そいつはご苦労だねぇ。」
そうやって少しずつ縮まった距離。
いつの間にか
しいなの横にはゼロスがいて
ゼロスの横にはしいながいた。
そうして時を重ねたある日。
ゼロスが運命の言葉をしいなに伝える。
『なぁ。俺様たち、つきあってみねぇ?』
そして今。
二人は時を共にする。
「おかしいねぇ。」
「なにが?」
「あたし最初あんたのこと嫌いだったんだよ。」
「何よそれ、ひどくね?」
「だって軽いし派手だしアホだし。本当馬鹿で・・・」
「おいっ!」
「でもさ。」
「・・・・な〜によ。」
「あたしのこと、誰よりわかってくれてた。」
「そっかぁ?」
「あんた、あたしがメルトキオに来たくないって知ってただろ。」
「えっ!そうだったのか!俺様てっきりしいなは俺様に会うのが楽しみで
ドキドキしながら来てるかと〜。」
「ばかいってんじゃないよっ!!」
「ん・・・・まぁ。気づいてたっつちゃー気づいてたわな。」
「それが・・・・ちょっとだけ。ちょっとだけだよ!嬉しくてさ。」
「ふ〜ん。それで俺様にほれちゃったわけ?」
「馬鹿!ほれてなんかない!」
「じゃぁ何で一緒にいんの?」
「だ・・・から、それは・・・」
「うひひひ☆か〜わいぃ☆」
手に入れた幸せ。
かけがえのない時間。
こうしていることが互いの存在の理由となっていたのに。
タイムリミットは突然やってくる。
「あたしたち。もう終わりにしよ?」
それはしいなの口から告げられた。
初めて必要とし、必要とされ
心を許しあった二人の終わりを告げる時。
「シルヴァラントって所に行くから・・・か。」
「生きて帰ってこれるかわからない。
あたしはあんたに『まってて』なんて可愛いことは言えない。だから・・・」
「おわりにしようって?」
「ああ、そうさ。」
それは運命。
全ての時間を止めてしまうだけの力を持った言葉。
「あっそ。しいながそれで良いなら良いんじゃね?」
「そうかい。」
「ああ、俺様、去るもの追わず・・・だし?」
「じゃぁね。」
「おう。」
タイムリミット。
互いに必要とするもの同士が
共にいることを許されなくなった瞬間。
二人の全ての時間が止まってしまったかの様に感じた。
しかしそれは意外な形で動き出す。
シルヴァラントの神子暗殺に失敗したしいな。
その情報は嫌でもゼロスの耳に届いた。
そしてしいなは、その神子と共に、テセアラに帰ってきたというのだ。
死んだかもしれないと思った者が
生存して帰ってきたと。
「よっ!しいな。」
「ーっ!あんた!どこに向かって挨拶してんだい!」
「しいなって言えばココでしょうよ。」
そういってしいなの胸元を指差す。
互いに必要としあい、それは変わらぬまま別れを迎えた二人にとって
時間を動かすことはそう難しいことではなく。
「俺様、今でもしいなちゃんのこと好きだぜ?」
「誰にでも言ってるんだろう?あんたって奴は・・・」
「俺様信用されてねーのな。」
「当たり前じゃないか。あたしたちはもう・・・」
「でも、やり直せる事だって、世の中にはあるんだぜ?」
そう言うゼロスの瞳に迷いはなく。
風と共に髪がなびく。
時間が緩やかに動き出す。
「・・・・なに言ってんだい。このアホ神子。」
その言葉は今までとは少し違う
期待と緊張を含んだもの。
時間がゆっくりと動き出す。
止まったはずの時間が。
こうしてまた少し
距離が近づいて
いつしか
タイムリミットなんてない時間が来るのかもしれない。
「なぁなぁしいな。復縁記念にちゅ〜しようぜ?」
「まだ復縁なんてしてないだろっ!」
「ふ〜ん・・・『まだ』ね。」
「そうだよ・・・『まだ』ね。」
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わわわわ!元カノ設定だよ!
真輝どんに元カノ設定を書いてもらえるなんておいら光栄じゃ☆
しかし復縁だなんて・・・ロイドはどこいった(笑)
やっぱりロイしいよりゼロしいでしょ!(結論)
真輝どんもっとゼロしいにはまっておくれ〜☆(無理)
タイムリミットがなくなるって・・・しいなちゃん嫁入り覚悟済み!?(萌)
◇ 砂 ◇