【微熱】
「だぁー!もうわかんねーよぉ……」
砂漠の街トリエット。後は最終戦を残すのみの状態で何をしているのかといえば……
「ロイド☆頑張って☆」
「みんな同じに見えるんだよ…」
あの有名な『おじさんゲーム』
かれこれ1時間。ロイドはおじさんに苦戦している。
リフィルとプレセアはさっさと日蔭に入り、リーガルに至っては
「我社の開発部に持って行けば…」
などと熱心に研究中。コレットとジーニアスはロイドをしっかり応援。
ゼロスは占いの館に一直線だった。
「あっついねえ…」
陽の光りが大地に当たり、照り返しが陽炎を作り出す。
なんだか自分は誰と居たらいいのやら。
こんな時いつもはあいつがいるのに…
「それにしても、こりないねぇ…」
気合いを入れて挑戦し続けるロイド達に感心するやら呆れるやら…。
「ありゃ?まだやってんのかよお前ら。」
「あ?ゼロス!お前おじさんだったのか?」
ゲームの最中とは知らずにおじさんに交じって歩いてきたゼロス。
「んなわけあるかっつーの!」
キレながら抗議しようとするが
「あーあ!ゼロスに気を取られて順位わかんねーよぉ」
と言い出す始末。
「飽きっぽいロイド君がよく続けるねぇ〜」
そういいながらしいなの側に歩み寄る。
「あんたも随分と遅かったじゃないか。」
「まぁな。いろいろ占ってもらいながらおねーちゃんと愛を語り合ってきたわけよ」
「またかい!サイテーだよあんたは!」
「でひゃひゃひゃ、やきもちやくなってー」
瞬間・・・
「?はれ?はれれれ?」
くらーっと世界が回った気がした。
「じ・・・地震かい?」
「おぃ!しいな!」
ふと見ると空が上にある。
トサッという音に自分が倒れかけて、支えられたんだと気付く。
「………こんのアホしいな!」
「へ?」
「この炎天下の中突っ立ってたのか?」
「だって皆だって…」
「お前は黒髪なんだから熱を吸収しやすいの!ったく。」
ふっと身体が軽くなった気がした。
「じっとしてろよ?」
「えぇ?!」
お姫様抱っこ…されてる?
「ばかぁ!おろせぇ!すけべ!エロ神子!」
「あんのなぁ。お前病人なのよ?」
「たいしたことなぃ!歩けるってば!」
「倒れた奴がよくいうぜ!」
口論しながらも宿に向かって歩き続け
「今日はここで1泊だろ?」
とリフィルにふると
「はぁ…仕方なくてね」
とロイドを見る。
クリアするまで動かないであろうロイドに
「私たちは部屋にいます」
と声をかける。
宿の一室。
ベッドにしいなを寝かせる。
「帯とって、胸の白いの緩めろよ 」
「!!ばか!何考えてんだい!」
「あいてっ!かー!俺様は熱射病の正しい処置を伝えただけで…」
「…あぁ…そぉか」
「ひっでぇなぁしいなは」
「あんたが言うとエロいんだよ!」
「逆切れかよ〜」
「うるさいねぇ!」
「そんだけ元気なら平気だな。今水持ってくるからよ〜」
部屋を出るとそこには水と冷やしたタオルを持ったリフィルが立っていた。
「さっすがリフィル様☆んじゃ、お願いしま〜…」
「何をいっているの?」
「は?」
「あなたが面倒みるのよね?もちろん」
「な…何で俺様が…」
「しいなを一人放置してさっさと占いに行ったあなたの責任よ」
「え?俺様しいなの保護者かよ」
「あら。違うのかしら?」
「違うに決まって…」
「違わないわよねぇ〜」
「……………はぃ」
最高の笑顔で
「じゃぁしっかり頼むわね」
と看病道具一式を手渡すリフィル。
「…しょーがねぇなぁ〜」
とリフィルに勝てないゼロスは覚悟を決めた。
「しいなぁ。入るぜ?」
「やっ!ちょっ!待って…」
しいなの声が聞こえるより早く、ゼロスは扉を開けていた。
そこには帯を解くしいなの姿。
「……………」
「なっ…なんだい!」
慌てて布団に潜るしいなを無言で見つめるゼロス。
しばしの沈黙の後。
「ひゃっ!」
おでこに冷たいタオルを当てられて、しいなは思わず驚きの声を上げた。
ほてった身体にタオルが気持ちいい。
「…大人しく寝てろよ?」
そういって横に座るゼロスに小さく
「……ありがと」とつげる。
「あーあ、しいなが病気じゃなかったら俺様襲っちゃうのになぁ・・・」
「な!あんた!最低だよ!!」
そう抗議しながら勢いよく起き上がったしいなは頭痛とめまいに襲われた。
「ほーら、だからおとなしくしてろって言っただろー?」
そういってしいなの肩を抱いて横にする。
そのときに背中のホックをいとも簡単に外すゼロス。
「なにすんだい!!」
「だからぁ、俺様緩めろっていったでしょーよ」
「そうだけど・・・・」
「けど、なに?」
「・・・・随分手馴れてるなってさ・・・」
「そりゃたくさんのハニー達と遊んできた俺様だから?手馴れてて当たり前でしょーよ」
「そっか・・・・・そ・・・だよね」
いつもと違う反応に戸惑ったゼロスが
「しいな?」
と顔を覗き込もうとする。
「見るんじゃないよ!」
「・・・・ないてんの?」
「泣いてない!」
「うそ」
「うそじゃない!!」
しいなが泣くようなことは言ったつもりはない。
「・・・具合わりぃの?」
「・・・・・・・・」
どうやら違うらしい。
「なぁ、しいなってば・・・」
返事はない。
仕方なく、まだ熱を残す髪にそっと触れる。
一瞬ぴくっと身体を震わせたしいな。
撫で続けるとしいなは布団にもぐってしまった。
「おいってば。なに怒ってんのよ?」
「・・・・怒ってないってば」
「しいな!」
無理矢理布団を剥いでこっちを向かせる。
目を赤くしたしいなと視線が合う。
ゼロスはベッドの横にかがんでしいなと視線の高さを合わせるとやさしく
「どうした?」と問いかける。
しばらくの沈黙のあと、しいなが重い口を開いた。
「あんたが・・・」
「ん?」
「あんたが遊びなれてるのは知ってたけど・・・だから女の子にやさしいのもわかってるけど」
「はっはーん。俺様が看病してるのは、しいなが女の子だからっていいたいわけ?」
「・・・・そうじゃないけど」
「他のハニー達にヤキモチかぁ〜。」
「そんなんじゃない!!」
「・・・・本気の優しさと遊びの優しさの区別がつかないのが、しいならしいよな」
「え?」
まったく。
恋愛方面に疎いしいなだからこそ。
この反応がいとおしくてたまらない。
「まぁ、俺様がしいなの看病してるのは、リフィル様に言われたからなんだけどー」
「しかたなく・・・だってのかい」
「まぁねー。じゃなかったらだーれが暴力鬼女の看病なんて好んでやるかっつーの・・いてっ!」
「最低だよ!」
「そんなこというなよ〜」
怒ってそっぽを向いてしまったしいなの横にごろんと横になり
「俺様、しいなは大本命だぜ?」
とささやく。
「・・・誰にでも言ってるんだろ?そうやって」
「いわねーって」
そっとしいなの肩に触れる。
「俺様、しいなのこと好きなんだぜ?わかってる?」
ゆっくりしいなは身体の向きを変える。
そして・・・
「添い寝するな!!アホ神子!!!」
力いっぱいゼロスを蹴り落とす。
「ってー・・・こんなとき位おとなしくしたらどーなのよ。」
「こんなときだからこそ、あんたには隙を見せられないんだよ!」
「散々な言われようだなぁ。俺様の大告白はスルーなわけ?」
「信じてほしかったら、あたしが病気じゃないときに言うんだね」
「別にしいなの弱みに付け込んだわけじゃないんだけどなぁ」
「日ごろの行いが悪いからそう思われるんだよ。」
そういってまたそっぽをむくしいな。
その耳が赤く染まっていたことをゼロスが見逃すはずもなく。
「俺様って愛されてんのね・・・」
とつぶやく。
「しいなぁ。ほらー、水飲めってー。飲めないなら口移しだぜ?」
「馬鹿!のめるよ!セクハラ神子!!」
「なんと言われようといいぜ〜?しいなとチュー出来るならな」
「・・・・・死にたいらしいねぇ」
「まぁまぁ、いいじゃん?今日くらいさ。しいな病気なんだから。俺様に甘えろって。」
そういってしいなのおでこに自分のおでこを合わせる。
「ほらー。安静にしねーからおでこあちーじゃねーのよ」
すっかり外れてしまっていたタオルを冷やしなおしておでこに乗せる。
そんな自然な動作ひとつに動揺してしまうしいな。
まさかそれが原因でおでこが熱いなんて言えない。
「今日は朝までそばにいてやるかんなw」
「重病人みたいじゃないか!大丈夫だよ」
「俺様がそうしたいんだって。しいなちゃんの無防備な寝顔を見れる機会なんてそんなにな・・・」
「でていけーーー!」
「んもう!うるさくてよ!!!」
部屋から追い出されたゼロスをリフィルが待ち構える。
「あなた・・・病人に大声出させて、どういうつもりかしら・・・」
「あ、いや、その・・・」
「覚悟なさい」
「へ?わ、うぎゃー!!」
軽くコゲたゼロス。
宿に帰ってきた仲間に哀れまれ、苦笑され。
「自業自得だよ」
としいなに突き放され。
「俺様への愛って痛いのなぁ・・・」と
現実を直視し、ちょっと落ち込むゼロス。
「まぁ、でも、悪くはねーわな」
独り言のようにちょっとつぶやいてみたりして。
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真輝様とのミニ企画第2段。
テーマは「病気」です。(ニヤリ)
ホックをはずせだとう!?←興奮気味。
しかもはずすなんて!!!!!!
セク○ラだゼロス!!!!←うるさい
はずし慣れなんて・・・。萌え(笑)
初々しいしいなの反応に萌えです。
ほんとしいなにはとことん甘ちゃんなゼロス君。
そんな彼が大好きです。
真輝様ありがとうございましたVv
◇ 砂 ◇