【お散歩】
「どこいくんだよ。」
「ん?暇だから散歩するだけだよ。」
「…なんでついてくるのさ。」
「別に。俺様も暇だから。」
「ん〜、いい天気。」
「そーだな。」
「世界が危険な状態だなんて、メルトキオの人は知らないんだろうね。」
「そーだな。」
「……あんた人の話聞いてる?」
「聞いてる。…けど、今は忘れる。お散歩中だし?」
「…………そだね。」
「…あれ?」
「ん?どした?」
「あんなとこにお店、あったっけ?」
「いんや〜…?気付かなかったな。入ってみるか?」
「うん。………あ、これ可愛い。」
「お、なかなか似合うぜ。」
「…また……あんたはそーやって調子のいい嘘ばっか……。」
「おいおい…嘘じゃねーって。」
「いやぁ〜。」
「なんだい、にやにやして。」
「まさかしいなとデートできるなんて。俺様幸せ。」
「デート?…あのねぇ。あんたがあたしの散歩に勝手についてきてるだけだろう?」
「冷たいな〜…一人の散歩も、二人になれば立派なデートだろぉ?」
「散歩だよ、散歩。」
「なんなら腕でも組む?」
「結構です。」
「……?」
「…?しいな?」
「今、なんか聞こえたような………。」
…みゃー…
「「……あ」」
みゃー。
「あのな〜…変に情けかけたって、可愛そうだろうよ。」
「わかってる…わかってるけど…っ。人間の勝手な理由で捨てられて……ほっとけないよ。」
「………しいな。」
「……こんなとこで独りぼっちは…淋しいよ…。」
「………。」
みゃーみゃー。
「お〜い、しいな〜……いつまでそうしてんの。」
「ん…もうちょっと…。」
「……しゃーねーな。」
「え?」
「ほら、いくぞちび猫。」
「…ゼロス?」
「……こうでもしなきゃおまえここから動かねーだろ。
それに、飼い主の勝手な言い分で捨てられるっつーの…俺も気に入らねーし。
俺様んちの新しい家族にしてやるよ。」
「あんた…。」
「それにこの子猫ベッピンだしなぁ〜。雌は大歓迎よ。」
「…呆れた。あんたってほんと見境ないよね…。」
「…名前。」
「ん?」
「あんたが決めて。あんたんちの家族なんだから。」
「もー決まってるぜ?」
「へ?」
「この子猫の名前だろ?¨しいな¨だよ。」
「は?…何言って……──。」
「こいつには、悲しい思い出なんて忘れちまうくらい…幸せになってもらわないと。」
「……っ。」
みゃー。
「な、¨しいな¨。俺様がたっくさん愛を注いでやっからな〜。」
「………馬鹿ゼロス。」
「……………ありがとう、ね。」
「……………おう。」
「なぁ、しいな。」
「…?なんだい?」
「散歩ってさ、いいな。」
「どうしたんだい、急に。」
「ん〜、ほら、いろんな発見があるし。」
「あぁ、いったことないお店とかね。あんたは知らない美人に会えて嬉しいだろ?」
「………いや、そ〜じゃなくて…………。」
「…しいな。俺様がずーっと傍にいてやるからな。」
「へぇ……随分優しいじゃないか。よかったね¨しいな¨。もう独りぼっちじゃないよ。」
「…………いや、それは猫の¨しいな¨じゃなくて…。……やっぱややこしかったかぁ……。」
「今日は一緒に寝ようね。¨しいな¨。」
「あ、ずるいぞ〜!俺様がしいなと寝るんだからなっ!」
「ご…誤解を招くようなこと言うんじゃないよ!」
「…誤解じゃねぇぜ?しいな〜Vv」
「きゃああぁっ!抱きつくなぁ!」
「ゼロス。」
「あん?」
「今度は¨しいな¨と3人で散歩しようね。」
「………お、おう。」
「さぁて。帰るか。」
「うん。」
「お散歩終了〜。みんな屋敷で待ってるぜ。」
「そだね。」
「しいな。」
「ん?」
「さっきの…本気だからな。」
「さっきの?」
「おまえの傍にいるってやつ……。」
「あっ!帰る前に猫缶買わなきゃ!ほらゼロス!とっとといくよ!」
「……お〜い、俺様の話……聞いてる?」
みゃー
「……まあ、また3人で散歩できるなら、いいか……。」
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真輝どんとの企画物!テーマは「散歩」(まんま…)
ほのぼのな二人です。
◇ 砂 ◇