「神鳳さん、申し訳ないっすけど、勝負は勝負ですからね。負けても恨まないで下さいよ」
「そういう台詞は勝ってからお言いなさい、夷澤」
ヒュルルル……スパンッ、ヒュルルル……スパンッ、ヒュルルル……スパンッ。
「ある意味、すごいな」
「うん」
神鳳は、夷澤のスマッシュを延々とロブで返していた。どこにどのように打たれても、である。並の反射神経では到底できっこない。しかも、律儀に左右交互に打ち返している。そんな人を馬鹿にしたような対戦相手に、短気な夷澤が冷静でいられる訳がなかった。
「神鳳さんっ、舐めた真似してると、いい加減痛い目遭いますよっ!」(スパンッ)
「別に舐めてなどいませんよ」(ヒュルルル)
ギャラリーが、何回目のラリーか数えるのも億劫になってきた頃。
スパンッ、ヒュルルル……スパンッ、ヒュルルル……スパンッ。ビュッ!
「……なっ!?」
「これはね、夷澤。『舐めた真似』などではなくて『作戦』って言うんですよ。一つ賢くなりましたか?」
「〜〜〜〜〜っ!!」
「ありゃ駄目だな。役者が違う」
「手の平の上でコロコロだね」
季節ネタなのに今頃(汗)
気が向いたら別の対戦もそのうち。
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