Super Bad
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■欲しい物が手に入るとは限らない
 とある土曜日の夕方頃だったか、何気にテレビのチャンネルをひねっていると見覚えのある後ろ姿が・・・、「テリー・ホールやんけ!!」と叫ぶも空しく番組はあえなく終了。最後の1分ぐらいしか見れなかった。テレビの番組表を見るとやはりNHKの「ヤングミュージックショー」だった。
 ミュージシャンをよく知るためには、レコード(CD)を聴くのが一番だ。だけど、曲も歌えるぐらいに聴きまくりで、ジャケットも穴があくほど眺め倒し、それでも飽きることなく聴く眺めるを繰り返した後にはそいつらの“動き”が見たくなってくる。そんな俺の願望をびびびと電波で感じ取ったのか、アメリカでMTVが、続いて日本でも「ベストヒットUSA」などの音楽番組が放送されるようになった。当時、外タレのコンサートに満足に行くことの出来ないガキにとっては、まさに女神様が現れたような、エロ本にも匹敵する興奮度だったのだ(失礼)。結果、音にビジュアルがプラスされるとますます好きになるのだった。

  Super Bad 

 スペシャルズはラジオで『Gangsters』を聴いて以来虜となった。エアチェックしたテープを何度も聴いた。なけなしの小遣いを貯めてから買いに行った。だけど、どこに行ってもジャケットの写真が違うアメリカ盤しかなく泣く泣くそれを買った。また何度も繰り返し聴いた。ジャケットを壁に飾り眺め続けた。ああいう髪型にしてくれる散髪屋はどこに?裾の短い細身のパンツやポークパイハットはどこで買えるのか?上下左右正面斜めから眺めてみるだけ。何一つわからない。アメリカ村もまだショップの数が少なく、マーキーもただの谷口さんだった。今ではクリック一発で何でも出来る。
 件の番組を見逃した数ヶ月後、『カンボジア難民救済コンサート』というライブでスペシャルズが『Monkey Man』をやっているのを見た。一曲だけだったので少しがっかりした。だけどその“物足りなさ”が逆に今でも彼らを好きでいられる理由だと思う。

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photodelic
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スペシャルズ
リリース 1979
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