新しい男(=プロデューサー)の力を得て。
ベイビー・フェイスをはじめ、バッドボーイレーベルのショーン“パフィ”コムズ、チャッキー・トンプソン、他にもオーガナイズド・ノイズ、ジャーメイン・デュプリ、ダラス・オースティンなど、いま考えてもそうそうたる面々であり、その当時もそれぞれが旬であり、実際、脂ののった“ええ仕事”をしている時期でもあるのだ。
曲を見ていこう。「A Tribe Called Quest」のファイフのラップで幕を開け、シングルカットされた『Creep』ですんなりこのアルバムに入り込める。ベイビー・フェイスプロデュースの『Diggin' On You』、メロディーがキャッチーです。あ、ちなみにこのビデオの腰使いにとりあえず惚れました。それと何と言ってもオーガナイズド・ノイズの出世作となった『Waterfalls』。はねた感じの印象的なドラムにワウワウギターが絡み、そこにT-ボズのボーカルが乗っかる。しかしこの曲の一番の聴き所は何と言っても、レフト・アイのキューティーラップだ!一目惚れならぬ、一聴惚れというべきか。「結婚して下さい!」と叫ばずにはおれないほどの取り乱しようだ。(意味不明)それほどいいということですよ。さっきの腰使いもあったしね。その他、プリンスが原曲の『If I Was Your Girlfriend』もクール。全体を通して今聴いてみても全く色あせないすばらしいアルバムなのだ!
結果、アメリカだけで1000万枚売れた。つまりは新しい男(=プロデューサー)に魅力を存分に引き出され、ええ女になって帰ってきたのである。