イルマティック / ナス nas
Illmatic
■voice of god's son!!!!
 世の中空前のお笑いブームな昨今、毎日どのチャンネルでも誰かしら芸人がネタやったり、大袈裟なリアクションとったり、必死に面白コメント言おうとしたりと、ささやかではあれお茶の間を明るくしてくれてます。しかしこれだけ芸人が増えたからといって、誰もが芸人になれるわけじゃあない。面白いとなれば尚更。で、俺が思うに面白芸人の1条件として挙げるのが声、声色ね。そりゃ、ネタそのものが重要なのは当然なんだけど、声。これ意外だけど結構重要だよね。ツッコミ担当なんかは特に重要なファクターなんじゃないかな。ボケても、ツッコミが微妙な声だったらどうよ?中途半端な声で「なんでやねん」では、こちらが「なんでやねん!!!!」とツッコミたくなる。

 ふんでもって声が重要なのは何も芸人だけじゃなく、そう、歌手等ミュージシャンは最も重要ですね。しかもジャンルに応じてウケる声ってそれぞれで違ってくるのも当たり前で。でもあれですね、声って努力してどうなるもんでもないだろうし、ダミ声の人が気合いでもって頑張ったからって、いきなり透明感のある声になるもんでもなく、こればっかりはどうしようもないね。見た目は整形できても、声は生まれ持って身についた宝物とでも言えばいいのかね。

 そこで今回紹介するnas。この人も味のある良い声してます。しゃがれ風な声が超渋くて哀愁漂う感じでありながらも、カミソリのような切れ味。まさにhip-hop向き。更にこの人、声だけがイケてる訳じゃない。kingと呼ばれるだけあってラップが無茶苦茶上手いんだね。kingだからね、そりゃ上手いよね。

じゃあどんだけ上手いかって、デビュー前から客演的に渋いラップを披露してたわけなんだけど、デビューアルバムに当時最強と言われてたプロデューサー陣(プレミア、ピート・ロック、ラージ・プロフェッサー、Q-tip他)が集まったわけですよ。言うたら何?日本やったらミスチル、ドリカム、サザン…あと何だ?まあ例えが良いのか悪いのかはこの際無視して、そんなメンツのバックアップを受けていきなりデビューするみたいなもんですよ。普通ありえない。本人に何かとんでもない実力がないとこれだけの人材集まらんよね。それだけNASのラップは高い評価を受けてたってことだね。

 というわけで、デビューアルバム「Illmatic」。渋いトラックに乗ったnas独特の声、ラップ。これ聴けばちょっとだけNY(クイーンズ)に行った気分になれるくらいNYの臭いプンプン。ほんっとイイ!!イイねnas!!まあ当たり前なんだけどね。だって最強のメンツに最強のラップに、一度聴いたら耳に残る味のある声ですから。ソース誌で5本マイク獲得も納得納得。hip-hop好きで嫌いな奴いないんじゃないだろうか。

 因に、以前職場の友人に「俺の彼女hip-hop好きなんだけど、よく分かんないからコレ最高!!ってやつ貸してくれへん?俺ももう最高〜!!なやつ持って来るわ」とテンション高い声で言われ、俺は迷わず「Illmatic」貸したんだけどしばらくして彼、彼女と別れちゃって…。更に彼自身急に退職しちゃって…。携帯の番号聞かずにいたもんだから連絡取れない。なので彼と同時に俺のnasも退職。入れ代わりで俺の手元にはユーロビートノンストップメガミックス…。声も出ない。(トキ)

リリース 1994 o.c.
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