ボーン・アンダー・ア・バッド・サイン / アルバート・キング Albert King
Born Under A Bad Sign
■いつかはフライングV
 もう何年前だか忘れてしまったけど、大阪城の野外音楽堂で行われたプルース・カーニバルを観に行った。何組か登場した中でも、 B.B.キングは圧巻だった。これぞエンターテイメントって感じ。プロ中のプロって感じのバンドを従え、計算され尽くしたかのような完璧なプレイを繰り広げるB.B.は、まさにブルースの王様に見えた。僕だけじゃなく、観客の誰もがそう感じていたに違いない。いや間違いく感じていた。
  B.B.のショーは本当にすごかったけど、僕はもうひとりのキング、アルバート・キングも忘れられない。まさに B.B.とは正反対というか、なんというか。行き当たりばったりのバック・バンド(バンドの皆さんにはちょっと失礼か?)で、その日のエモーションまかせって感じのプレイ。いやっ、でもある意味それがブルースやん。そう思う。アルバート・キングは、あるがままのアルバート・キングを見せてくれた。演奏中ギターの弦が切れた時も、なんとステージの上で自分で弦を張り替え始めた。それがいいことか悪いことかは別として、会場中が湧き上がったのは言うまでもない。これも王様のなせる技。さすがアルバート・キング。

 この「ボーン・アンダー・ア・バッド・サイン」はアルバート・キングの脂ののりきった時期に、あのブッカー T. & MG'sとメンフィス・ホーンズをバックに録音された名盤中の名盤である。アルバムタイトル曲はクリームがカバーしたことでも有名だ。
 MG'sの演奏がアルバート・キングの歌とギターを一段ともり立てていて言うことない。この時期のアルバート・キングにいろんなロック・ミュージシャンが影響を受けたのも当然だろう。
 ブルースをあまり聴いたことがない人が聴くにもいいアルバムじゃないかな?若いときにブルース聴かないつ聴くの!って感じで、若い人にもブルース聴いてほしい。でも音楽なんか自分が好きか嫌いかどっちかでいいとも思うけど。

 最後にアルバート・キングといえばフライング V(けっしてヘビメタ専用ギターではないのだ)だが、実は僕も最初に手に入れたギターはフライング Vだった。といってもそれは当時通信販売でよく売られていた Tomsonってメーカーのモデルだったのだが…。僕はそれを直接楽器屋で購入したが、家に持って帰ってよく見てみると、いたる所傷だらけで気に入らなくなり、結局すぐにグレコのレスポールモデルと交換してもらった。
 だからってわけでもないけど、いつかは本物のフライング Vを手に入れたいと思っている。(それがどうした?っていうな!)
リリース 1967 アルバート・キング&スティーヴィー・レイ・ボーン
おすすめ曲 Born Under A Bad Sign
これも聴くべき!!
Albert King & Stevie Ray
Vaughan / In Session
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