もう何年前だか忘れてしまったけど、大阪城の野外音楽堂で行われたプルース・カーニバルを観に行った。何組か登場した中でも、 B.B.キングは圧巻だった。これぞエンターテイメントって感じ。プロ中のプロって感じのバンドを従え、計算され尽くしたかのような完璧なプレイを繰り広げるB.B.は、まさにブルースの王様に見えた。僕だけじゃなく、観客の誰もがそう感じていたに違いない。いや間違いく感じていた。
B.B.のショーは本当にすごかったけど、僕はもうひとりのキング、アルバート・キングも忘れられない。まさに B.B.とは正反対というか、なんというか。行き当たりばったりのバック・バンド(バンドの皆さんにはちょっと失礼か?)で、その日のエモーションまかせって感じのプレイ。いやっ、でもある意味それがブルースやん。そう思う。アルバート・キングは、あるがままのアルバート・キングを見せてくれた。演奏中ギターの弦が切れた時も、なんとステージの上で自分で弦を張り替え始めた。それがいいことか悪いことかは別として、会場中が湧き上がったのは言うまでもない。これも王様のなせる技。さすがアルバート・キング。
この「ボーン・アンダー・ア・バッド・サイン」はアルバート・キングの脂ののりきった時期に、あのブッカー T. & MG'sとメンフィス・ホーンズをバックに録音された名盤中の名盤である。アルバムタイトル曲はクリームがカバーしたことでも有名だ。