Live in Europe Otis Redding
Live in Europe
■ただ空を眺めて…
 前のページの映画対談でモータウンをとりあげました。モータウンもいいけどスタックスもいいぞ。スタックス・レコードといえばオーティス。というわけで今月はオーティス・レディングの「ヨーロッパのオーティス・レディング」です。

 1曲目からガンガンいきます。カッコいい!観客もえら盛り上がり。アップテンポの曲でのシャウトもいいし、バラードも最高。やっぱりいいです!オーティス・レディング!モータウンにファンク・ブラザーズがいたように、スタックスにはブッカー .T&ザ・ MG'sがいました。(まぁ彼らは自分たち名義のヒット曲もあるし、映画「ブルース・ブラザーズ」でも有名ですが)彼らがまたカッコいい。
 しかし、演奏する人によって曲って変わるもんです。モータウンの名曲「マイ・ガール」も演ってるけど、やっぱりスタックス・サウンド。面白いなぁ。その他にもオーティスが尊敬するサム・クックの「シェイク」、ストーンズの「サティスファクション」、ビートルズの「デイ・トリッパー」も演ってるので、ロック・ファンは必聴です。「サティスファクション」にいたっては、作った本人であるあのキース・リチャーズが、「俺がイメージしてたのは、まさにオーティスのテイク」とまで言ってるくらいです。
 このライブ盤、1回のショーではなく、何回かのショーのベスト・テイクを集めたものらしいけど、なんの違和感もなく、最後まで中だるみいっさいなし。ラスト曲「トライ・ア・リトル・テンダネス」のダンダン盛り上がっていくところなんか、体中の血が騒ぎます。

 ところが、なんとこんなにカッコいいオーティスも、このアルバム発表の数ヶ月後、1967年の12月ツアー移動中の飛行機事故で、帰らぬ人となりました。享年26歳。ここでも演ってる自作曲「ジーズ・アームズ・オブ・マイン」でスタックスでのレコーディング・チャンスを掴んでから、わずか数年の出来事でした。短い活動期間であったにもかかわらず、今なお多くの人々に影響を与えつづけるオーティス。聴いたことがないという方は、ぜひ一度聴いてみてください。

 オーティスの死後発表された「ドック・オブ・ザ・ベイ」は、皮肉なことに全米 No.1を獲得、彼の最大のヒットとなりました。

 港のドックに腰掛けて 潮の満ち引きを眺めている
 港のドックに腰掛けて ただ時間を浪費してるんだ
    
 はたと気付く なにも変わっちゃいないじゃないか
 すべては元のまま
 10人が10人とも「おまえはこうすべきだ」ということが
 俺にはできない
 だから俺は元のままなんだろう

 今の僕にはグッときます。ひなが一日イスに座り、事務所の窓から空を眺めて、なにも変わっちゃいないことに気がつきました。あー、すべては元のまま…。

リリース 1967 The Dock of the Bay
おすすめ曲 Try a Little Tenderness
これも聴くべき!!
Otis Redding /
The Dock of the Bay
★ ★ ★ ★
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