Emergency on Planet Earth Jamiroquai
Emergency on Planet Earth
■そこから何かを学んだかな?
 かわいらしい頃のパッツィ・ケンジットが主演した映画「アブソリュート・ビギナーズ」が公開されたのは80年代の半ば頃だっただろうか?ロンドンのソーホーを舞台にジャズで踊る若者たち=ビギナーズを描いたミュージカルで・・・彼女以外あまり記憶に残らない内容だったと思う。だけど、シャーデーやスタイル・カウンシル、ジェリー・ダマーズ(スペシャルズ)などが参加したサントラは当時よく聴いたものだ。

 その流れで80年代後半から90年代最初の頃に流行りだした“アシッド・ジャズ”もしくは“ジャズ・ファンク”に(それをどう呼ぶにせよ)すんなり入り込めたのだった。
 ブランニュー・ヘビーズ、インコグニート、ヤング・ディサイプルズ、ガリアーノ、オマー・・・など等。音楽レーベル“トーキング・ラウド”や“アシッド・ジャズ”から出たコンピレーションアルバムなどをチェックし、気に入ったらそのアーティストのアルバムを買うというぐらいハマっていた。

 そんな中、知り合いのDJの家で聴かせてもらったのが、ジャミロクワイのシングル「When You Gonna Learn」だった。そのかっこよさにしびれ、その場で何回も聴かせてもらったほどだ。バンド名も変なので、何回も聞き直さなければならなかったけれど。
 その帰りだったと思うが、早速、当時心斎橋パルコにあったCISCOで「Emergency On Planet Earth」か
「Blow Your Mind」の12インチシングルを買ったと記憶している。トレードマークであるメディシンマン(角の生えたキャラ)がポップにデザインされたジャケットも気に入ったし、何より曲がすごくいい!!!

 その後、CDを買ってまたびっくり!!!歌詞を読むと結構辛辣なことを歌ってたりする。まぁ「Emergency On Planet Earth」というタイトルでだいたい察しがついたけどもね。そこがイギリスっぽいよなぁと思ったりもした。
 バンド名の由来がネイティブアメリカンのイロクワイ族からきてるということや、日本版ジャケット(?)のエコロジーな極彩色イラスト、地球の環境問題や政治、戦争…をテーマにした歌詞などが、当時の自分の状況にスポンとはまってしまった。世紀末に向かって突き進んでいく社会や個人的状況を、一度立ち止まって考えてみる、というきっかけにはなったと思う。まぁ、大げさに言えばね。でも一番気になったのはボーカルのジェイ・ケイがいつもかぶってる、おかんの手作りといわれてる帽子やけど。あれは欲しかったなぁ。

 その後、ジェイ・ケイがフェラーリ好きということを知り、ちょっと違和感を感じたりしたが、少し安心もした。俺らも似たようなことは多かれ少なかれ、しているのだ。現代社会のハイテクや便利さを享受している者なら、誰も彼を批判できないはずだと思う。このアルバムが出て12年たったけれど、状況はさらに悪くなっていると思うし、“When you gonna learn to stop it going on?”というのは、もはや無理だろう。 (1号)
リリース 1993 There's Nothing Like This
おすすめ曲 Blow Your Mind
これも聴くべき!!
★ ★ ★ ★
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