Beatnuts The Beatnuts
Beatnuts
■冬はビート馬鹿。
 この冬は例年の暖冬とはうってかわっての厳冬で、気が狂うくらい寒い日が続いておりますが風邪なぞ引いてませんか?最近は自ら発熱する肌着が売れたり、湯たんぽがリバイバルヒットしたりと寒さ対策も様々ですが、音楽好きならばやっぱりどれだけ寒い冬であっても音楽を聴いて、少しでも快適に過ごしたいもの。じゃあ何聴くんだって、そりゃあ季節感のある一枚ですよ。季節それぞれに合う一枚というのが必ずあるわけで、それは一人一人で違ってくるわけですが、私の場合冬といえばこれ。
 アルバムジャケットからも分かるようにジャジーな曲が主で実に渋く、夏のサンサンと降り注ぐ太陽なんていう陽気なイメージは無し。全体的にモノトーンな感じが冬にぴったりで、ソリッドで冷たい雰囲気が漂っています。そして個人的にもの凄く気に入ってるのがスクラッチ。こちょこちょこちょこちょ、こそばす様なスクラッチが心地良くて、ナイスなアクセントになってます。

 元々彼等(サイコレス、ジュジュ、ファッション)は他のアーティストのプロデュースやリミックスなどを手掛る、言わば裏方の3人組だったわけですが「ダサいラッパー達が俺たちのビートを台無しする」という理由でデビューしたお茶目な奴ら。理由が格好良いから当然ラップも格好良くて上手いです。

 いつものように話はそれますが、以前電車で帰宅中何かの手違いで滋賀県の奥の方、もう片足三重県入ってますみたいな所まで乗り過ごしてしまったことがありまして、

そう、ちょうど今ぐらいの無茶苦茶寒い時期ですよ。誰もいない寂しい田舎の単線の駅。イコカが普及してないならまだしも今時自動改札じゃないし、つーか一人の駅員すらもいない無人の駅。夜も10時まわってて暗くてよく見えないけど、なんんんんんんんにも無くて殺風景な駅。これはマズイと思って時刻表見たら一時間にたったの1、2本。次の電車まで30分以上…やばい。

 これだけでもかなりダメージがでかいのに、そんな寒空に雪ですよ。雪って言ってもしんしんと降り積もる…とかそんな風情のある感じじゃなくて、ばっちり吹雪ね。しんしん降り積もられてても相当嫌だけど。風が凄くてね、横からぶつかってくるっていうか、斜め下から突き上げるみたいな、巻き上げるみたいな、何かもう“しょーりゅーけーん!!!!”みたいな雪がバチバチもの凄い勢いで襲ってくるんですよ。痛いよ!!!!全く田舎の冬は遠慮ってものを知らない。30分以上もこんな所にいたらちょっと凍え死んじゃうかも、って思うくらいドープですわ。田舎の冬はドープ。

 しかし、そんな殺人的な状況下にも関わらず無事生きてその場から帰還できたのも、滋賀の田舎がニューヨークのクイーンズに早変わりしたのも、iPodでビートナッツ聴いて耐え過ごしたからだろうね。無意識にかじかむ手でプレイリストからビートナッツ選んでたもんね。鳥羽一郎でも無事だったかもしれないけど。米良美一選んでたら多分そのまま眠って「もののけ」だったろうな。ほんとビートナッツは冬に合う。身を以て証明したから間違いない。 (トキ)

リリース 2002 Everything Is Everything
おすすめ曲 Props Over Here
これも聴くべき!!
Brand Nubian /
Everything Is Everything
★★★★
Super Bad
読者投稿
レコードレビュー04
目次
photodelic
エブリデイ・ピープル トップ